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ここから本文エリア 現在位置:asahi.com>BOOK>書評>[評者]その他> 記事 書評 コミュナルなケータイ [編著]水越伸[掲載]2007年05月27日 ■バーチャルな共同体に注目 これだけ私たちの生活のなかにとけ込んでしまった携帯電話は、その普及の速さと広がりもあって、独特なメディア文化を生みつつあるのは明らかだ。この極めてユニークな「ケータイ」文化の諸相を、しなやかに論じたのが本書である。 特に著者らが注目するのは、その利用者たちがケータイを介することで生まれるバーチャルな共同体(コミュナル)についてである。 ケータイ写真というメディア表現やワンセグ・サービスの開始による同一端末での通信的行為と放送的行為との融合、日用品となった携帯端末を自分好みに装飾することによる「デジタル民芸」運動としてのケータイ文化など、その独自な文化事象にも果敢に斬(き)り込んでいる。 とはいっても本書は、キワモノのポップ・カルチャー評論とは、一線を画すものだ。ケータイ文化が引き起こしつつあるメディアの社会的様態の変化を紡ぎ出し、また、それらの文化表現に研究者たちも批判的実践者として関(かか)わっていく。それらの行為自体が、ケータイ文化とモバイル社会をメディアの学問的研究の延長線上で再定義、理論化しようとする実践的研究の試みなのである。
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