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ここから本文エリア 現在位置:asahi.com>BOOK>書評>[評者]斎藤美奈子> 記事 書評 フランスから見る日本ジェンダー史 [編]棚沢直子・中嶋公子[掲載]2007年06月24日 ■曖昧な共犯関係を相対化 学問や思想っていうものは、だいたい西欧の理論の上に成り立っている場合が多い。ジェンダー論もご多分にもれずである。しかし歴史や文化が異なれば、男女や家族の関係にズレがあるのは当然だろう。 1999年に東京で、2000年にはパリで開かれた日仏女性研究シンポジウムをもとに、十数本の論考で構成された本書には、進んだ西欧/遅れた日本という枠をはみ出す多彩な史的事例が登場する。女神とされるが性別不明確なアマテラス、平安〜江戸の家の中での妻や母の座、近代天皇制と皇后、女性教祖出口なお、戦争のチアリーダーとしての銃後の女、そして現代の高学歴専業主婦。 私たちにはおなじみの話も多いけれども、フランスから見れば「ありえなーい」であるところに、日本を相対化する視点が生まれる。 古代から男女を明確に区分したフランスに対し、日本では単純な二項対立ではない曖昧(あいまい)な共犯関係が男女の間に成立していた。 専門的な話が多く、読むのにちょいと難儀はするものの、ボーヴォワールの国に日本の女たちが乗り込んで、日本のジェンダー史の講演をする。当日のようすを伝える臨場感にあふれた巻末の報告がおもしろい。
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