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書評

幽霊を捕まえようとした科学者たち [著]デボラ・ブラム

[掲載]2007年07月15日
[評者]赤井敏夫(神戸学院大教授)

■心霊主義研究の魅力と末路

 心霊主義とは19世紀末から20世紀初頭にかけて大西洋の両岸で大流行を見る文化潮流だが、これを概括しようとすると著名な霊媒の活動を追うものとなることが多い。信じがたい心霊現象の数々はもとより、トリックが暴露されてまきおこる醜聞こそ、読者の好奇心をいたく満足させる心霊現象報告の醍醐味(だいごみ)だからだ。

 これらの著作に邦訳の少ないことを恨みとするが、本書の仕様はその手の類書とはいささか異なる。数ある心霊研究団体の中で科学的厳密性を誇った心霊研究協会(SPR)を扱うだけに、霊媒ではなく研究者の動向に焦点をあてて叙述を展開しているからだ。

 とはいえ、いかに詐術の介入の排除に腐心したSPRであっても心霊現象の再起性を追求する限り霊媒に頼る他すべはなかった。そして霊媒という存在は例外なくうさん臭いものなのだ。ここに高踏的であるべきSPR研究者の苦難が始まる。そしてその軌跡は、懐疑を貫くことを第一義としながら、結局は死後霊の実在を確信して終わるのだ。ウィリアム・ジェイムズら指導的研究者の道程を追う本書が、著者本来の意図から外れてどこかしらアイロニカルな色彩を帯びて見えるのは、あるいはそのためかもしれない。

    ◇

 鈴木恵訳

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