|
ここから本文エリア 現在位置:asahi.com>BOOK>書評>[評者]その他> 記事 書評 ロシアン・ダイアリー [著]アンナ・ポリトコフスカヤ[掲載]2007年08月26日 ■殺された記者の取材ノート 著者はロシア人ジャーナリストで、モスクワの新聞「ノーヴァヤ・ガゼータ」紙評論員だった。99年以来チェチェンに通い、戦地に暮らす市民の声を伝えた。「ロシアの失われた良心」と評され、国際人権団体の賞を受ける。06年10月モスクワ市内の自宅アパートで凶弾に倒れた。享年48。 本著は、03年12月から05年8月までを収めた最後の取材記録だ。政治家との丁々発止のやり取りから、北オセチア共和国ベスランの学校占拠事件で家族を亡くした女性の悲痛な叫びまで、丹念に綴(つづ)られる。 「ロシアはふたたび社会的、政治的冬眠期に逆戻りした」と、強権化するプーチン政権批判を続けた。同胞が抗議の声を上げないことに苛立(いらだ)ちながら、西側の助力をあてにするより、自分たちで民主的な自由を取り戻そうと訴える。一度は機上で毒を盛られ重体に陥ったが、回復後は執筆再開。脅しに屈しない記者魂には驚嘆する。 14年冬季五輪の開催地にソチが決まった。ロシアでは「大統領のおかげ」とプーチン礼賛の大合唱が始まったという。国力の回復を象徴する今回の当選だが、著者が明かす「プーチン帝国」の実態は、あまりに衝撃的である。 ◇ 鍛原多惠子訳
ここから広告です 広告終わり 書評 バックナンバー
|
ここから広告です 広告終わり 売れ筋ランキングコラム
|