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書評

セカイと私とロリータファッション [著]松浦桃

[掲載]2007年10月07日
[評者]北田暁大(東京大学准教授・社会学)

■「どこからきて、どこへ」を探る

 数年前から、「中世ヨーロッパ風の」といえばそういえなくもない豪奢(ごうしゃ)な「ドレス」をまとった女の子たちを街でよくみかけるようになった。ロリータファッションである。映画『下妻物語』で深田恭子が着ていたあれだ。ちょっとおどろおどろしい黒ずくめのファッションはゴシックロリータ(ゴスロリ)。本書は、自身ロリータファッション愛好者である著者によって書かれたロリータファッション/ゴスロリ論である。

 著者自身がいうように、本書はロリータファッション、ゴスロリが、「どんなもので」「どこからきて」「どこへいこうとしているのか」について論じている。当事者ならではの繊細さをもってロリータファッションの源流を探し求めていく作業はスリリングだし、嶽本野ばらなどの作品を手がかりに、ロリータファッションという「思想」の核心へと迫っていくくだりも興味深い。

 最終章で提示される「私たちは、日常生活を支配するさまざまな政治力から自由になりたくて、ロリータという祝祭を求めている」という一見抽象的に見える分析も、具体的な記述の積み重ねによって説得力を与えられている。アツい「入門書」だ。

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