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ここから本文エリア 現在位置:asahi.com>BOOK>書評>[評者]山下範久> 記事 書評 チョコレートの真実 [著]キャロル・オフ[掲載]2007年10月07日 ■今も強制労働の「苦い」現実 本書の原題は『苦い(ビター)チョコレート』。チョコレート産業の背後で今日なおなくなっていない強制労働が、本書を貫くテーマである。 オルメカ文明の昔から説き起こし、カカオに映し出された植民地主義の歴史を概観して、強制労働によって供給される安価なカカオに依存しつつ、その事実を粉飾し続ける欧米の巨大食品企業の偽善へと話は進む。ハーシー社や〈M&M〉のマーズ社など、おなじみのブランドの起源にも触れられていて、問題の身近さに気づかされる。 圧巻は、コートジボワールを中心とした著者のルポ。同国ではカカオ農園向け労働力として児童の人身売買が横行しているという。巨大企業の搾取と腐敗した政府、問題の構図は古典的だが、暗殺の危険も大げさではないなか、テレビジャーナリストの著者が文字通り命がけで敢行した取材は、映画のような緊迫感で読む者に迫る。カカオ利権が、国家の破綻(はたん)を背景に、内戦や集団虐殺といった陰惨な暴力の連鎖と絡み合っていく一方で、最終章に語られるフェアトレードのような取り組みが(問題を抱えつつも)広がりつつあるところに、この古典的テーマの現代的状況があると言えよう。 ◇ 北村陽子訳 ここから広告です 広告終わり 書評 バックナンバー
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