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書評

女子プロ野球青春譜1950 [著]谷岡雅樹

[掲載]2007年10月14日
[評者]佐山一郎(作家)

■女子野球の知られざる盛衰

 ブルーバード、パールス、レッドソックス、ホーマーからなる在京プロ4球団で日本女子野球連盟が結成されたのは1950年3月のこと。準硬球(トップボール)を使ってたたかわれ、ブームのピークだった50年8月には16チームが全国に存在したという。

 ところがその経営基盤はひどく脆弱(ぜいじゃく)で、50年終了時に「連盟」に残ったのはわずかに5チーム。52年からはノンプロに移行し、71年には、あえなく自然消滅してしまう。この間の知られざる経緯に着目し、執筆されたのが本書である。

 男性観客が9割というマッチョな空気に晒(さら)されながらも、人気、実力兼備のプロ選手がいたことにまず驚かされる。10日連投の「鉄腕麗人(大島雅子)」と「長嶋茂雄と村山実を合わせたスーパープレーヤー(近藤信子)」がその双璧(そうへき)だろう。

 62年生まれの著者が、丹念に拾う元女子プロ選手たちの肉声の数々。彼女たちの多くが、50年当時、10代後半から20代前半で、生年で言えば、昭和ヒト桁(けた)世代ということになる。

 美化も誇張もないノンフィクションの秀作だが、女子野球を支えた男たちの多くを情けない人物として描いたところに、この本ならではの妙味がある。

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