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ここから本文エリア 現在位置:asahi.com>BOOK>書評>[評者]その他> 記事 書評 『カラマーゾフの兄弟』続編を空想する [著]亀山郁夫[掲載]2007年10月14日 ■少年たちの13年後を詳細に 3人兄弟とその父親の葛藤(かっとう)を描いた『カラマーゾフの兄弟』は、自由かパンか、個人か全体か、あるいは父殺しといった、現代にまで続く命題をいくつもかかえる大長編小説だ。ドストエフスキーは13年後を設定した第2の小説を予告していたが、死によって未完に終わった。三男アリョーシャが、もっと大きな父殺し、皇帝暗殺の考えにとりつかれるはずだと当時からうわさされたという。 評判の新訳で、ドストエフスキーは読みやすいというイメージさえ作りつつあるロシア文学者が、その続編を空想する。読みこむうちに伏線がわかってきて、アリョーシャの影響を受けた少年たちが活躍する輪郭が浮かんできたという。 『カラマーゾフの子どもたち』とタイトルをつけ、少年たちのリーダーであるコーリャが、キリスト教的な社会主義者となって皇帝暗殺を計画する。主な登場人物のその後までていねいに付け、秘密警察の監視を前提とした上で、詳細なプロットを練り上げる。そのままミステリーの謎解きのようだ。じっくり味わうには新訳第5巻の解題は必読である。 それにしても、現代のロシアを考えると、続編の射程も21世紀にまで十分に届きそうだ。
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