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ここから本文エリア 現在位置:asahi.com>BOOK>書評>[評者]その他> 記事 書評 パール判事―東京裁判批判と絶対平和主義 [著]中島岳志[掲載]2007年10月14日 ■判決書を厳密にテキスト分析 東京裁判で被告人無罪を主張したインド人判事として、近年パール判事の名は日本のナショナリスト言説の中で頻繁に言及されるようになってきた。けれどもこうした言説のすべてが、いわゆるパール判決書の誤読や付会を免れているとは言えない。その意味でパール判決書をそれ自身の文脈から読み直す研究書が書かれるべき時期が来ていたし、それが現代インドのナショナリズム研究を専門とする著者の手で著された意義は大きい。 本書の目的は厳密なテキスト分析を通じてパールの主張を明確化することで、上述のような解釈上の誤りを批判するところにあると見られるが、著者が判決書の由来をパール自身の中に培われたガンディー主義的思想にまで掘り下げて規定しようとしていることはとりわけ注目に値する。パールは晩年、日本再軍備に対する警鐘を鳴らして止(や)まなかった。その真意は、このガンディー主義的文明解釈を理解することなしには、かれの東京裁判批判と同一次元にとらえることができないからだ。 ガンディーの選択した非暴力不服従が今も有効な方法論であるのか、その再評価を促すという意味では、本書はむしろ護憲派にとっての必読書かもしれない。
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