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ここから本文エリア 現在位置:asahi.com>BOOK>書評>[評者]その他> 記事 書評 知られざる魯山人 [著]山田和[掲載]2007年10月21日 ■美の追求者の迫力を十分に 書、篆刻(てんこく)、陶芸、さらに星岡茶寮を中心に展開された料理など、美の追求者としての魯山人の評価は、ますます高まる一方だ。他方で、身勝手で傲岸不遜(ごうがんふそん)。傍若無人の言動。「唯我毒尊」だったと噂(うわさ)される。こういった二つの顔が、関心を余計集めているのだろう。 父親に親交があったという著者が、膨大な参考文献を徹底的に渉猟、さらに多くの関係者にも取材し、「魯山人とは何か」に迫ったのが本書。おもしろい。 まず、謎めいた「冥(くら)い不分明な出自」。生まれへの絶望的感情が芸術活動の源であったという。奉公先で、のちの竹内栖鳳(せいほう)の行灯(あんどん)看板絵に心動かされ、そこから美への彷徨(ほうこう)が始まる。濡額(ぬれがく)(大板に文字を彫る看板)で名を上げる。各地で見聞を広げ、また多くの数寄者(すきしゃ)、茶人と交流し、次第に創造の世界が広がる。 青山二郎、荒川豊蔵、加藤唐九郎、山口淑子、イサム・ノグチ、小林秀雄、棟方志功、政財界の面々。登場する交友名も豪華だ。果たし合いに近い歯にきぬ着せぬ批評の応酬。 周りにいたものはさぞかし大変だったろうな、と思わせるエネルギーの放出。何かを生み出す人間のもつナマの魅力が十分に伝わってくる。 ここから広告です 広告終わり 書評 バックナンバー
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