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ここから本文エリア 現在位置:asahi.com>BOOK>書評>[評者]その他> 記事 書評 柳生大戦争 [著]荒山徹[掲載]2007年11月18日 ■朝鮮を舞台に柳生家の争い 日本と朝鮮の知られざる歴史を踏まえた伝奇小説で人気を集める荒山徹。その最新作は、得意の日朝秘史に加え、清の台頭で混迷する17世紀の東アジア情勢や、元寇から徳川家光の時代まで約300年にわたる陰謀もからみ、奇想もよりスケールアップしている。 高麗仏教界のトップ晦然(かいねん)は、元に抵抗する旗印にするため、日本の神話を参考に、朝鮮の創世記「檀君(だんくん)神話」を捏造(ねつぞう)する。時は流れて江戸初期、柳生友矩(とものり)は絶妙の男色テクニックで家光を骨抜きにしていたが、その寵愛(ちょうあい)が仇(あだ)になり、幕政を監査する父の宗矩(むねのり)に命を狙われる。だが友矩は、父に重傷を負わせ朝鮮に出奔。宗矩は友矩を斬(き)るため、兄の十兵衛を朝鮮に送る。 捏造された「檀君神話」を盾に、民族至上主義を唱える朝鮮の高官は実にイヤなやつだが、それは“神国”だからという根拠のない理由で、アジア諸国を見下す日本のナショナリストの姿と見事なまでに重なる。 また蛮族と蔑(さげす)んでいた清に敗れ政策を変更する朝鮮が、イスラムの伝統を無視しイラク戦争の泥沼にはまったアメリカのパロディーにもなっているなど、柳生の兄弟対決をクライマックスにした物語は、現代の社会問題を暴いているのである。 ここから広告です 広告終わり 書評 バックナンバー
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