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ここから本文エリア 現在位置:asahi.com>BOOK>書評>[評者]久田恵> 記事 書評 ネットカフェ難民―ドキュメント「最底辺生活」 [著]川崎昌平[掲載]2007年12月02日 ネットカフェ難民には月最低9万円が必要で、そのうち6万が宿泊代と知って、思わず首を傾(かし)げた。わずか1畳の空間に1泊2000円かける彼らってなに? お風呂なしで月3万とか4万で6畳の部屋もあるよー、と言いたくなる。 携帯電話を使っての日雇いバイトも実に効率が悪い。あえて継続する仕事に背を向け、まっとうな生活を拒むかのごとき選択だ。 本書は25歳の無気力な若者が、親元を出てネットカフェ難民になった体験記だが、その具体的な日々を知るにつれ、彼らの生活を若年層の「経済格差」の実態と見るだけでは捉(とら)えきれないものを感じる。 ほら、いたでしょう? ヒッピーとか、フーテンとか、いつの時代にも、家を捨て、街を浮遊して生きる若者たちが。ネットカフェ難民の少なからずは、その系譜に属する若者なのかもしれない。 しかも、豊かさの中で育った彼らは、社会の最底辺に身を置くことでしか、リアルな現実を体験するすべがない。無意識のうちに生きる技術を欲し、自立の修行をしているように見える。本書からは、ネットカフェ難民とは? というもうひとつの視点が得られるだろう。
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