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書評

ウイスキー通 [著]土屋守

[掲載]2007年12月16日
[評者]小林良彰(慶應大学教授・政治学)

■グラス傾け、蘊蓄を語りたい

 かつて、ウイスキーは高根の花だった。スコッチウイスキーは海外旅行のお土産の定番であり、客間に並べて見せる人が多い時代もあった。

 そんなウイスキーもハードリカーが嫌われ、ワインや焼酎などのブームにおされがちになったが、数年前からスコッチのシングルモルトブームをきっかけに復権しつつある。本書は、スコッチの最新事情に加えて、アメリカン、カナディアン、アイリッシュ、ジャパニーズウイスキーの豆知識を網羅したものである。

 例えば、スコッチでは、風味の強いアイラのスモーキーモルトやウッドフィニッシュが売り上げを伸ばすなど嗜好(しこう)の変化が生じていることや、米国のテネシーウイスキーが熟成前にチャコールメローリングで風味を付けることを除けば、実はバーボンと製法が同じことなどである。

 また、カナダでは大半の州で民間の酒屋がなく公務員による公営であることや、アイリッシュの方がスコッチより古くから作られていたのにもかかわらず、国内消費優先政策のために海外で出遅れて衰退したことなど興味が尽きない。

 本書を片手に、ウイスキーを飲みながら蘊蓄(うんちく)を語ってみるのも楽しいのではないか。

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