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書評

赤澤史朗 書評委員お薦め「2007年の3点」

[掲載]2007年12月23日
[評者]赤澤史朗(立命館大学教授・日本近現代史)

 (1)国際シンポジウム 戦争と表象/美術 20世紀以後 記録集(長田謙一編、美学出版・3570円)

写真赤澤史朗さんのこの1年 『マルクス主義という経験』(青木書店、近刊)への論文寄稿と、ソウル大でのシンポジウム報告(「占領期のナショナリズム」)、靖国関係の仕事など。

 (2)殉国と反逆―「特攻」の語りの戦後史(福間良明著、青弓社・3570円)

 (3)日清・日露戦争(原田敬一著、岩波新書・819円)

    ◇

 書評で取り上げるべきであったが、取り上げられずに終わった本3点である。

 (1)は、日露戦争から第2次世界大戦期までの、戦争の絵画・写真・映画・博物館・記念碑などを扱ったシンポジウムでの、22編の報告とコメントを収録したものである。他国との比較など、新たな発掘に基づいており刺激的だった。

 (2)は、第2次大戦後の書籍や映画で取り上げられた特攻隊の像の、多様性・多面性を検討したものである。著者は69年生まれの人だが、矛盾を孕(はら)んだ戦中派世代の心情に、よく迫りえていると思う。

 (3)は、現在刊行中の岩波新書「シリーズ日本近現代史」の3冊目に当たるが、このシリーズは近年の研究成果を反映した通史として注目すべきものだ。本書は日清戦争と台湾征服戦争の無惨(むざん)な実態や、日清戦後の批判的ジャーナリズムの動きを多彩に描いている。

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