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ここから本文エリア 現在位置:asahi.com>BOOK>書評>[評者]柄谷行人> 記事 書評 柄谷行人 書評委員お薦め「2007年の3点」[掲載]2007年12月23日 (1)獄中記(佐藤優著、岩波書店・1995円)
(2)廣松渉―近代の超克(小林敏明著、講談社・1260円) (3)抵抗の場へ(マサオ・ミヨシ×吉本光宏著、洛北出版・2940円) ◇ 近年は実用書や入門書のようなもの以外に本が読まれなくなったが、一方で、少数ながら、本を読む人たちはむしろ、ポストモダニズム以前のオーソドックスな書物に向かう傾向がある。それは歓迎すべきことである。たとえば、(1)は、この年代の著者にしては、言及されている本が古くかつ重厚である。今の読者の水準に迎合するところがまったくない。にもかかわらず、佐藤氏の本がよく読まれていることには驚かざるをえない。 (2)は、その佐藤氏も「獄中」で読んだ廣松渉に関する論考であるが、新鮮な批評性があった。(3)は痛快な談話である。ここには、戦後日本にあった初心が、グローバルな次元において貫徹されている。同様の迫力を、いいだもも氏の『恐慌論』(論創社)や、湯浅赳男氏の『「東洋的専制主義」論の今日性』(新評論)からも感じた。
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