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書評

北田暁大 書評委員お薦め「2007年の3点」

[掲載]2007年12月23日
[評者]北田暁大(東京大学准教授・社会学)

 (1)排除型社会(ジョック・ヤング著、青木秀男ほか訳・洛北出版・2940円)

写真北田暁大さんのこの1年 東浩紀氏と『東京から考える』を出版。この1年、この本の中で東氏から受け取った課題に取りくみ、史資料を集めてきた。来年にはその成果を公表したい。

 (2)滝山コミューン一九七四(原武史著、講談社・1785円)

 (3)紙芝居と〈不気味なもの〉たちの近代(姜竣著、青弓社・3570円)

    ◇

 食品、安全、年金……まさしく「不安」に取り囲まれた一年であった。(1)は安全に対する不安・恐怖の広がりがどのようにして形成され、またどのような社会を生み出しつつあるのか、に迫った論考。「恐怖を取り除くのではなく、恐怖を積極的に受け入れるという姿勢で臨まざるをえなくなった」私たち(後期近代に生きる人々)が置かれた状況が冷静に分析されている。

 (2)は歴史学者原武史による回想録的な色彩を持つ「70年代論」。自身の小学生時代を振り返りながら、戦後民主教育の功罪を、歴史家ならではの繊細な手つきでもって描き出していく。

 (3)は「紙芝居」の民俗学的意味を、その歴史を遡行(そこう)することによって明らかにする。メディア史と精神分析的メディア論、美学的権力論の成果を踏まえつつ、民俗学的想像力の可能性を突き詰めた魅力溢(あふ)れる論考である。

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