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書評

小林良彰 書評委員お薦め「2007年の3点」

[掲載]2007年12月23日
[評者]小林良彰(慶應大学教授・政治学)

 (1)変容する日本の社会と投票行動(平野浩著・木鐸社、3150円)

写真小林良彰さんのこの1年 03年から21COEプログラムの事業推進に追われてきたが、ようやく卒業を迎えた。来年1月に『制度改革以降の日本型民主主義』を刊行予定。

 (2)福祉ガバナンス宣言(岡澤憲芙ほか編・日本経済評論社、2730円)

 (3)高宗・閔妃(木村幹著・ミネルヴァ書房、3150円)

    ◇

 政治学関係のベスト3(順不同)を紹介したい。

 (1)は、有権者の投票行動の分析を通して、日本政治の実態を解明した本。特に、90年代の選挙制度改革の結果、政党組織や争点の全国化が進んだ反面で、利益政治の構造が変わっていないことを全国調査データの分析で明らかにしている。

 (2)は、格差拡大やワーキングプアが論じられる中で、旧来の国家主体の福祉から脱却した新しい福祉ガバナンスを目指す壮大な構想を示している。事後的救済措置より事前的能力形成支援、受動的所得再分配より能動的参加保障への転換など、具体策に富む内容。

 (3)は、19世紀後半の朝鮮王位にいた高宗(コジョン)と妻、閔妃(ミンピ)に注目して当時の朝鮮史を描いたもの。才気に溢(あふ)れていたり高邁(こうまい)な理想を持ったりするわけでもなく、権力の保持に固執した2人に注目した点で、独自性を放つ好書。

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