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ここから本文エリア 現在位置:asahi.com>BOOK>書評>[評者]高橋伸彰> 記事 書評 高橋伸彰 書評委員お薦め「2007年の3点」[掲載]2007年12月23日 (1)ピグーの思想と経済学(本郷亮著、名古屋大学出版会・5985円)
(2)福祉国家の可能性(岡本英男著、東京大学出版会・6720円) (3)福祉の経済思想家たち(小峯敦編、ナカニシヤ出版・2520円) ◇ ピグーは「30歳の若さでケンブリッジ大学経済学教授に選ばれ」た。ケインズ革命の陰に隠れ、存在感は薄いがマーシャルの正統な後継者である。主著『厚生経済学』は倫理的側面から貧困に取り組んだ浩瀚(こうかん)な体系書だ。(1)は類書の少ないピグー思想の研究書でありケインズとの知的対立をめぐっても、あえてピグー側に立ち通説とは異なる2人の論争の背景を解明する。ピグーが唱えた厚生(福祉)の実践には国家の役割が不可欠だ。しかし、80年代以降、新自由主義が台頭する中で福祉国家は危機に陥っている。(2)はトレードオフの関係にあると見られてきた「福祉国家と市民社会」が「相互補完的な関係にあることを明らかに」し、その可能性を広げる改革の必要性を説く。(3)は経済思想史の若手研究者が共同して福祉思想の歴史を解説した啓蒙(けいもう)書である。入門書として薦めたい。
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