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書評

ポスト韓流のメディア社会学 [編著]石田佐恵子、木村幹、山中千恵

[掲載]2008年01月13日
[評者]北田暁大(東京大学准教授・社会学)

■ホットな現象を冷静に分析

 本書は、日本でも猛威をふるった「韓流」の持つ意味と意義を、社会学、地域研究、メディア研究などの視点によりつつ、クールに分析した論集である。韓流ブームが一段落した現在、あらためてその意味を問い返そうとする点で、本書は一つのブレークスルーとなりうるものといえよう。

 今なおその痕跡を根強く残す「冬ソナ」ブームが日本中を席巻する一方で、「反韓」の立場を明確に示す『マンガ嫌韓流』が40万部を超えるセールスを記録するなど、04年から05年にかけて、日本における韓国イメージはおおよそ接点を持ちえない二つの極に分かれて展開していた。かなりホットな両極の間をぬって、歴史的経緯を参照しながら、冷静に韓流を分析していこう、というのが本書のスタンスだ。

 「冬ソナ」再考、NHKハングル講座の変遷、韓流ブームと文化産業との関連、韓国映画の中の「在日」像、ネットにおける「嫌韓」現象、韓流とナショナリズム――こうした様々なテーマ群が、韓流・嫌韓のホットさと一定の距離をもって分析されていく。肯定/否定の彼岸で、ますますグローバル化する隣国の文化を捉(とら)えなおしていく必要性を改めて感じさせられた。

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