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書評

子どもにいちばん教えたいこと [著]レイフ・エスキス

[掲載]2008年01月13日
[評者]多賀幹子(フリージャーナリスト)

■知恵をこらした指導で伸ばす

 著者はほぼ四半世紀、ロサンゼルスの公立小学校で5年生を受け持つ。貧しい移民家庭出身ばかりの教え子は続々と名門大学に進学、医師や弁護士になった。

 さらに毎年、児童がロック音楽に乗せて上演するシェークスピア劇が評価され、教師として初めて米国芸術大賞を受けてもいる。

 いまアメリカで最も有名な教師が、指導次第で子どもは驚くほど伸びることを実証、ノウハウを公開した。

 教室を第二のわが家にしたいと、安心して学べる雰囲気づくりに専念。子どもと膨大な時間を共にして、高度な倫理観を身をもって教える。子どもは、間違えても笑われたり叱(しか)られたりしないので、ハッピーでエネルギッシュだ。毎朝、文法を練習して文章力をつけ、一年で本を一冊書く。算数では地理や歴史を織り交ぜての暗算ゲームに興じる。

 驚いたのは、予算内で生活することを学ぶシステム。児童には出納表が配られ、「銀行員役」は取引記録をつける。自分の家ばかりか親の家まで購入した卒業生が多いのも納得がいく。

 「秀でた人材を育てるのに近道などない」と著者。奇跡のようなアメリカンドリームは、一人の教師の情熱と知恵と努力に支えられて実現した。

    ◇

 菅靖彦訳

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