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書評

野口英世とメリー・ダージス [著]飯沼信子

[掲載]2008年01月20日
[評者]常田景子(翻訳家)

■外国人妻が支えた明治の偉人

 野口英世がアメリカで結婚したメリー・ダージスをはじめ、明治・大正時代に国際結婚をした5組の夫婦の生涯が描かれている。

 メリーは酒豪の野口の飲み友達だった女性で、いろいろ風評もあるが、結婚後は研究に没頭する野口の精神的な支えだったようだ。

 アドレナリン抽出で名をはせた高峰譲吉は、ニューオーリンズの博覧会で知り合った令嬢キャロラインと結婚した。高峰は、胃腸薬「タカジアスターゼ」などの特許で財を築いたが、活躍の背景には、妻の実家の大きな支援があった。

 最後の上田藩主の弟、松平忠厚は、アメリカ留学中に知り合ったカリーと結婚した。松平は、測量技師としてブルックリン橋の建設に従事し、測量器具も発明したが、それによって大きな経済的利益を得ることはなかった。

 この他、日本薬学の開祖、長井長義と結婚して、日本の女子教育に貢献したドイツ人の妻テレーゼ、鈴木大拙とともに仏教の研究と普及に一生をささげたベアトリスなど、それぞれの分野でパイオニアであった日本人の夫と外国人である妻の物語は、そのバックグラウンドの違いから、夫婦というものについて一層考えさせる。

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