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ここから本文エリア 現在位置:asahi.com>BOOK>書評>[評者]その他> 記事 書評 心眼で射止めた金メダル [著]宮崎恵理[掲載]2008年02月24日 ■「ものを見る眼は魂に」を実感 06年3月に開かれた第9回冬季パラリンピック・トリノ大会には、39の国と地域、474人が参加。本書の主人公・小林深雪(みゆき)(現在は井口姓・34)も、参加者の一人だった。 98年長野大会での「金」メダル獲得によって彼女は、続く02年ソルトレーク大会でもメダルを期待される。だが結果は6位。周囲の必死さとは裏腹に、日本代表としての態度は“天然”。中途半端とも言われた。 脱皮のきっかけは、日立システムアンドサービスによる先駆的なスポーツ支援による。先天性の視覚障害者である深雪選手にバイアスロン競技でのメダルを狙う環境が一気に整っていく。合併に伴う2部上場という好機を逃さなかった監督の荒井秀樹(53)ら中高年世代の行動力もこの本で活写されるもう一つの魅力だ。障害者スポーツを個人負担で取材し続ける著者の宮崎に対しても雑誌「ターザン」が連載というかたちで応えた。 そして迎えるトリノでの大団円――。主人公の競技への専心と選手の前を走るガイドに代表される支援の輪がついに実を結び、何度も心が洗われた。「晴眼」「健常」とは実は名ばかり。ものを見る眼(め)が魂にあることを私たちはこの労作で強く知らされることになる。
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