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ここから本文エリア 現在位置:asahi.com>BOOK>書評>[評者]その他> 記事 書評 ワンちゃん [著]楊逸[掲載]2008年03月09日 ■懐かしくも新しい「世界文学」 犬の鳴き声のみならず、「背番号1のすごいやつ」(=王貞治)まで連想させられる絶妙なタイトル! その親しみやすい響きを裏切らず、近代小説さながらのドラマチックな語り口もむしろ小気味よい本書は、中国籍の著者によって日本語で書かれた、懐かしくも新しい「世界文学」だ。 1964年生まれの楊逸(ヤンイー)さんは、文化大革命以降の中国文化を背景に、日本を舞台にした「純愛」を描く。 芥川賞の候補にもなった表題作のヒロインは、名前どおり働き者の〈王(ワン)愛勤〉。中国のアパレル業界で財をなしたものの“夫運”には恵まれず、今や日本の農村で中国人花嫁の斡旋(あっせん)業をしている。自らも同様の国際結婚で日本にやってきた口だが、彼女にとって日々の心の支えは、再婚相手の母親の看病と、仕事の上での道ならぬ恋。姑(しゅうとめ)こそが、〈ワンちゃん〉と呼んでくれていた唯一の人物だったのだが――。 併録作「老処女」は、キャリア志向の“負け犬”が主人公。日本の大学で中国語を教える〈万(ワン)時嬉〉が運命の赤い糸に翻弄(ほんろう)される。 どちらの作品も、幸せのシンボルとして、赤い色が繰り返し用いられている。ユーモラス&ドキドキ感覚あふれる作風は、来日文学としてオンリー1。 ここから広告です 広告終わり 書評 バックナンバー
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