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書評

ライディング・ロケット(上・下) [著]マイク・ミュレイン

[掲載]2008年03月09日
[評者]渡辺政隆(サイエンスライター)

■宇宙飛行士の泣き笑いの真実

 1978年に宇宙飛行士に採用され、84年にスペースシャトル、ディスカバリー号の初飛行に搭乗、その後2回の軍事機密ミッションで宇宙を飛び、90年に引退した軍人の自伝である。

 57年、ソ連が打ち上げた人類初の人工衛星スプートニクは、米ソ両国の威信をかけた宇宙競争の幕を切って落とした。著者はそのとき、スプートニクが描く光の航跡を目を丸くして見上げ、いつか宇宙を飛びたいという夢を抱いた少年の一人だった。その夢を実現すべく士官学校のいじめにも耐えハンディを乗り越えて数々の資格を身につけながら宇宙飛行士を目指した。

 と書くと、幼い日の夢をひたすら追い求め実現させた美しい物語にも思えるが、本書はちょっとちがう。軍人出身宇宙飛行士たちのお下劣なジョークやあからさまな性差別などを明け透けに語った暴露本的エピソードが満載だからだ。

 ただし、マッチョな自慢話ばかりではない。シャトルの打ち上げや大気圏再突入に際してオシッコをちびりそうになる話やトイレの話、数々の不安で眠れなくなる話など弱みや泣き言も隠さず語っているからだ。宇宙飛行士たちのさわやかな笑顔の陰に隠された裏話がおもしろい。

    ◇

 金子浩訳

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