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ここから本文エリア 現在位置:asahi.com>BOOK>書評>[評者]渡辺政隆> 記事 書評 もっとも美しい数学 ゲーム理論 [著]トム・ジーグフリード[掲載]2008年03月16日 ■数学でどこまで予測できるか 人生がゲームだとしたら、勝つ確実な方法はあるのか。たぶんあると、ゲーム理論は予測する。それどころか経済活動から人間の行動、はては生物進化の過程まで説明できるという。 「囚人のジレンマ」と呼ばれる有名な仮想ゲームがある。重罪を犯した共犯者2人が微罪で逮捕された。2人とも黙秘すればそれぞれ禁固1年の刑。自白して共犯者を売れば、自分は無罪放免で相手は禁固5年の刑。2人とも自白して互いに相手を売ればそれぞれ禁固3年の刑(自白による2年の減刑)。ここで試されているのは共犯者の信頼関係。ただし、相手の出方はわからない。自分は黙秘しても、相手は裏切るかもしれない。詳しくは本書を読んでもらうとして、この場合、双方にとって最も得な戦略は、2人とも自白することである。 これに限らず、どんな種類のゲームでも、参加者全員の利得が最大になるような戦略の組み合わせが必ず存在する。これを証明した数学者はノーベル経済学賞を受賞し、アカデミー賞映画「ビューティフル・マインド」のモデルになった。 世界の動きは数学でどこまで予測できるのか。本書では、ゲーム理論の誕生と発展、その可能性が手際よく語られている。 ◇ 冨永星訳
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