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書評

自閉症ボーイズ ジョージ&サム [著]シャーロット・ムーア

[掲載]2008年03月23日
[評者]多賀幹子(フリージャーナリスト)

■ひとりひとり、あるがままに

 イギリスに住む著者は、3人の男の子を独りで育てる。長男ジョージ、次男サムは自閉症だ。長男はスニーカーをオーブンで焼き、次男は歯磨きを搾り出して辺りになすりつけ、真夜中にトランポリンに打ち込む。

 それでも著者は障害の原因を探して悩むより、「生まれたからにはうまくやっていくしかない」と、あるがままを受け入れる。

 母親としてゆるぎない愛情を注ぐと共に、人称代名詞の誤用、ごっこ遊びから学ばないなど、作家としての冷静な観察眼を持つ。大学卒業後、教師をした経験も生かされているのだ。

 2人の症状を軽減しようと数々の療法を試す。聴覚統合療法後、長男の言葉づかいなどが改善された。しかしこれは次男には効かず、特定食品を避ける療法などが意思疎通の回復につながったようだ。自閉症児はひとりひとり違うのだ。

 力になってくれる人がいかに多いか。先生親族はもとより、友人隣人が善意と気遣いを見せる。同情より、2人を面白いと思ってもらえればうれしいと著者。

 日英の事情の違いを超えて、自閉症についての知識と勇気が与えられる優れたテキスト。一般父母や教育関係者にも広く薦めたい。

    ◇

 相原真理子訳

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