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書評委員お薦め「今年の3点」 天児慧

[掲載]2008年12月21日

  • [評者]天児慧(早稲田大学教授・現代アジア論)

(1)台湾の政治―中華民国台湾化の戦後史 [著]若林正丈

(2)中国動漫新人類―日本のアニメと漫画が中国を動かす [著]遠藤誉

(3)「中国問題」の内幕 [著]清水美和

 東アジア分野で今年を振り返ってみると、中国人、欧米人の著者を含めて現代中国あるいは日中関係に関する力作が多かった。しかし全体を通してみたとき傑出しているのはやはり(1)であろう。書評のタイミングを失ったが、中華民国の台湾化が進んだ「長い四半世紀」を中心に、地域的政治主体性の台頭と東アジアの深まる経済相互依存という二つのベクトルから描いている。単に台湾政治研究書にとどまらず東アジア同時代史における政治体制変容の意味からも示唆に富んでいる。

 (2)は中国、特に若い世代で日本のアニメ文化がいかに広がり大きな影響を与えてきたかを、またそれが中国社会の重要な部分をいかに変えつつあるかを描いている。

 (3)は理解の難しい現代中国の諸問題、党内抗争・農民工の反乱・外交・日中関係・台湾問題などを独自の情報、重要文献などを駆使して分析、新鮮で説得力のある現代中国論となっている。

表紙画像

台湾の政治―中華民国台湾化の戦後史

著者:若林 正丈

出版社:東京大学出版会   価格:¥ 7,140

表紙画像

「中国問題」の内幕 (ちくま新書)

著者:清水 美和

出版社:筑摩書房   価格:¥ 777

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