[掲載]2009年1月25日
■豊穣な科学の旅に誘う宇宙論
いまにもダンスを踊り出しそうな著者近影、「存命中の最もセクシーな宇宙物理学者」なる呼び声にこのタイトル。なんだ、ふざけた科学読み物かと勘違いした方も、読み進めるうちにきっと瞠目(どうもく)し、わくわくしてくるに違いない。著者はアメリカ自然史博物館が発行する有名な科学雑誌に、『パンダの親指』などで知られる古生物学者グールドと11年間も共にエッセーを連載して、科学ライティングの腕を競い合った好敵手。まさにアメリカの科学エッセーの王道をゆく面白さなのだ。
以前の共著『宇宙 起源をめぐる140億年の旅』の終章をほぼそのまま第1章に掲げる本書は、前著より読みやすく、しかもさらなる広がりを持って私たちを豊穣(ほうじょう)な科学の旅に誘う。42編のエッセーはテーマごとによく整理され、宇宙を観測することの意義から始まり先端の宇宙論、そして宇宙に他の生命は存在するのか、宇宙はこれからどうなるのかといった、誰もが興味を持つ話題へと進んでゆく。さらに科学と文化、科学と神の関係について、アメリカという国を見据えつつ考察を深める。とにかく全編にわたって展開と構成が実にうまい。
映画「タイタニック」に描かれた星空を巡りキャメロン監督と対決する一幕は両者のこだわりが楽しい。今年は世界天文年。まずはこの一冊からいかが。
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吉田三知世訳
著者:ニール・ドグラース・タイソン
出版社:早川書房 価格:¥ 2,415
著者:スティーヴン・ジェイ グールド
出版社:早川書房 価格:¥ 672
著者:N・D・タイソン・D・ゴールドスミス
出版社:早川書房 価格:¥ 2,310
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