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すごい空の見つけかた [写真・文]武田康男

[掲載]2009年3月22日

  • [評者]瀬名秀明(作家、東北大学機械系特任教授)

■空を見上げたくなる写真集

 書店に行けば空の写真集はたくさんあるが、この著者の本以上のものにはなかなかお目にかかれない。もっときれいな写真集はあるだろう、だが気象予報士の資格も持つ高校教師の著者がつくる本はいつも、掲げられた写真の見どころが何であるのかを明快に伝えてくれる。だから次の瞬間から自分でも空を見上げ、「すごい空」を探すことができる。理想的な科学の本だ。

 たとえば本書冒頭の「夜明け」の写真。太陽光が斜めから大気に当たるので、空の色は上から紺、青、黄、橙(だいだい)色と連続的に変化する。その科学的理解をもとに再び著者の写真に目を凝らせば、はたして見事にその色の変化が見えるのである。何げない夜明けの写真を読者はじっと見つめることになるだろう。

 あるいは飛行機の窓から「ブロッケン現象」を捉(とら)えた一枚。飛行機の影が雲に映り、虹色の輪ができている。しかし輪の中心に自分がいるという解説文を読めば、その写真の中心が機体の後方にあり、このとき著者は後部座席から撮影したことがわかるのだ。

 このように的確で見事な写真を選出するには、撮りためた無数の写真が背後にあっただろうと想像できる。著者の継続的な観察活動があってはじめて生まれた本だ。ぜひあなたも武田康男という「すごい空の写真家」を見つけてほしい。

表紙画像

すごい空の見つけかた

著者:武田 康男

出版社:草思社   価格:¥ 1,680

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