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青少年・若者の自立支援―ユースワークによる学校・地域の再生 [編]柴野昌山

[掲載]2009年11月8日

  • [評者]耳塚寛明(お茶の水女子大副学長)

■いかにして大人になるか

 いま、自立して大人になることはとても難しい。昔は一人前というゴールがはっきりしていたし、そこに至るまでに参加する年齢集団(たとえば若者組)や通過儀礼が明確な境目をもって存在していたからである。それらを喪失したいま、若者たちはいかにして自分の力で自立を達成するかという発達課題を突きつけられている。

 検討の対象は、学校教育、地域、青少年の活動センター、雇用環境など多岐にわたる。本書が提案しているのは、自発的な「グループ参加が人間を育てる」ことを前提に、グループというセーフティーネットを創出し、若者の成長を支援することである。

 それは、規律訓練によって規範を若者に植え付けるという、社会構造上すでに無理な方法に固執する立場とは異なる。同時に、教育問題を「心の問題」と見なして解決を図ろうとする心理主義とも一線を画する。理論に根ざした時代の分析と変革を志す実践性の両面を備えているがゆえに、本書の提案には現実的妥当性がある。

 一貫性を持ってていねいに作られた本である。

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