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読むと書く―井筒俊彦エッセイ集 [著]井筒俊彦

[掲載]2009年11月22日

  • [評者]小杉泰(京都大学教授・現代イスラーム世界論)

■古今の哲学者と語った知的遍歴

 東洋哲学を広く世界に発信した著者は、海外生活が長かったこともあって、国際的な知名度の方が高い。その後、日本に戻って80年代から93年に没するまで活躍し、晩年はイスラーム神秘主義をも融合させた新しい東洋哲学の確立をめざした。

 日本では、東洋思想の中にイスラーム哲学を加えた点が大きな功績である。欧米では逆に、西洋哲学やイスラーム哲学と、老荘思想などの東洋の英知を結びつけた点が高く評価されている。

 それを可能にしたのは、欧米諸語、中国語、アラビア語、ペルシャ語などの古典を自在に読みこなし、いわば古今の哲学者たちと直接語り合う異能であった。その知的遍歴が本書に詰まっていて、飽きさせない。

 内容的には、著作集に収録されていない小作品群が網羅的に集められている。古くは39年から晩年まで、時代的には半世紀にわたる。その時間差にもかかわらず、気迫のこもった文章はいずれもみずみずしい。

 哲学や神秘思想に関心がある方には、若い方も含めて、ぜひ手に取っていただきたい一冊である。

表紙画像

読むと書く―井筒俊彦エッセイ集

著者:井筒 俊彦

出版社:慶應義塾大学出版会   価格:¥ 6,090

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