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評者一覧

池上冬樹書評

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観光 [著]ラッタウット・ラープチャルーンサップ
 久々に海外文学の叢書(そうしょ)「ブック・プラネット」が生まれた。本書はその第一弾でタイ系アメリカ人のデビュー作。英米の有力紙が絶賛し、全米図書協会から「注目すべき若手作家」に選………[記事全文]
[評者]池上冬樹(文芸評論家)  [掲載]2007年03月25日
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氷結の森 [著]熊谷達也
 『相剋(そうこく)の森』『邂逅(かいこう)の森』(史上初の山本賞&直木賞ダブル受賞)に続く「森」シリーズ、マタギ三部作の完結編である。  舞台は大正年間の樺太とロシア。マタギの柴………[記事全文]
[評者]池上冬樹(文芸評論家)  [掲載]2007年03月11日
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フィッシュストーリー [著]伊坂幸太郎
 四つの中・短篇(たんぺん)を収録した作品集である。深夜の動物園で毎晩うつ伏せになっている謎の男の動機をさぐる「動物園のエンジン」、泥棒が行方不明の男を探すうちに古い村の奇妙な風習………[記事全文]
[評者]池上冬樹(文芸評論家)  [掲載]2007年03月04日
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5 [著]佐藤正午
 小説を読みながら何度もため息をついた。ゆったりとした語りなのに、文章は張りつめていて、軽い昂奮(こうふん)を覚えてしまうからだ。佐藤正午が抜群の語り部であり、賞には恵まれないもの………[記事全文]
[評者]池上冬樹(文芸評論家)  [掲載]2007年02月18日
ダナエ [著]藤原伊織
 語りは落ち着いているものの、いきなり冒頭からショッキングな事件が語られる。  銀座の個展に出品された肖像画がナイフで傷つけられ、硫酸をかけられたのだ。しかし画家の宇佐美は人事(ひ………[記事全文]
[評者]池上冬樹(文芸評論家)  [掲載]2007年02月11日
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随筆集 夕波帖 [著]小川国夫
 三十数年前に短篇(たんぺん)集『生のさ中に』『悠蔵が残したこと』に出合って以来、小川国夫を読み返している。言葉はざっくりと切り落とされているのに、世界の表情はつややかで陰影があ………[記事全文]
[評者]池上冬樹(文芸評論家)  [掲載]2007年02月04日
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再起 [著]ディック・フランシス
 現存する作家の最高のシリーズは何か? ときかれたら、僕はすぐさまディック・フランシスの競馬シリーズをあげる。心を揺さぶるヒーロー像、新鮮な舞台、巧緻(こうち)なプロット、強烈なサ………[記事全文]
[評者]池上冬樹(文芸評論家)  [掲載]2007年01月14日
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どれくらいの愛情 [著]白石一文
 中篇(ちゅうへん)3作と長篇1作が収録された作品集である。39歳の女性が人生の岐路にたつ「20年後の私へ」、有名作家の死を巡って編集者夫婦に亀裂が入る「たとえ真実を知っても彼は」………[記事全文]
[評者]池上冬樹(文芸評論家)  [掲載]2007年01月07日
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あなたに不利な証拠として [著]ローリー・リン・ドラモンド [訳]駒月雅子
 (1)あなたに不利な証拠として(ローリー・リン・ドラモンド著、駒月雅子訳)  (2)銀色の翼(佐川光晴著)  (3)アメリカ新進作家傑作選2005(フランシン・プローズ編)  (………[記事全文]
[評者]池上冬樹―書評委員のお薦め「今年の3点」  [掲載]2006年12月24日
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彼女がその名を知らない鳥たち [著]沼田まほかる
 『九月が永遠に続けば』で第五回ホラーサスペンス大賞を受賞した沼田まほかるの第二作。相変わらず鳥肌たつほどの不気味さで気色悪い。でも面白い。  三十三歳の十和子は、八年も前に別れた………[記事全文]
[評者]池上冬樹(文芸評論家)  [掲載]2006年12月03日
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ブルー・ローズ 上・下 [著]馳星周
 あの馳星周が帰ってきた! ここ数年、意図的に暴力と性描写を抑えた物語を作っていたが、ただ狙いも出来も悪くないものの(『雪月夜』のような秀作も生まれたが)、充(み)たされないものが………[記事全文]
[評者]池上冬樹(文芸評論家)  [掲載]2006年11月12日
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夏の力道山 [著]夏石鈴子
 温かくて力強くて、清々(すがすが)しい小説である。シンプルだが微妙なニュアンスがこめられていて節々で読ませる。  副題をつけるなら、「働く主婦五十嵐豊子、41歳の生活と意見」とな………[記事全文]
[評者]池上冬樹(文芸評論家)  [掲載]2006年11月05日
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緋色の迷宮 [著]トマス・H・クック
 誰にでも偏見はあるけれど、僕の偏見を一つだけ言わせていただくなら、トマス・H・クックを知らない人は小説ファンではない。トマス・H・クックを読まずして現代小説を語ることはできない。………[記事全文]
[評者]池上冬樹(文芸評論家)  [掲載]2006年10月29日
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エンターテインメント作家ファイル108 [著]北上次郎
 著者のあとがきに異論がある。エンターテインメント小説の書評はその時々で消費されればそれでいい、“その本を買うかどうか迷っている読者の指針になれば、それで充分(じゅうぶん)だ。あと………[記事全文]
[評者]池上冬樹(文芸評論家)  [掲載]2006年10月08日
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デッドライン [著]建倉圭介
 何とも力強くダイナミックだ。読み始めたらやめられない。まさに正統派の冒険小説である。つまり、過酷な時代状況のなかで、崇高な目的のために、苦悩する精神と酷使される肉体が描かれる。様………[記事全文]
[評者]池上冬樹(文芸評論家)  [掲載]2006年09月24日
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風の影〈上・下〉 [著]カルロス・ルイス・サフォン
 小説を読む喜びにあふれている。物語の虜(とりこ)になることの愉(たの)しさがここにはある。  といってもストーリーが波瀾(はらん)万丈なのではない。激しい人間ドラマが展開するわけ………[記事全文]
[評者]池上冬樹(文芸評論家)  [掲載]2006年09月17日
禿鷹狩り [著]逢坂剛
 ここには外面描写を徹底したダシール・ハメットが、鮮烈なサディズムとエロティシズムを追求したハドリー・チェイスが、ギャングたちの心意気を気高く描いたフィルム・ノワールの記憶がこだま………[記事全文]
[評者]池上冬樹(文芸評論家)  [掲載]2006年09月03日
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本朝金瓶梅 [著]林真理子
 中国で何度も発禁になった恋愛古典「金瓶梅」に着想をえた時代小説だが、作者は江戸を舞台に自由に物語を紡いでいる。  主人公は、札差業を営む無類の女好きの西門屋慶左衛門。寄ってくる女………[記事全文]
[評者]池上冬樹(文芸評論家)  [掲載]2006年08月27日
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押入れのちよ [著]荻原浩
 村おこしを描くユーモア小説『オロロ畑でつかまえて』(小説すばる新人賞)、若年性アルツハイマーを扱った感動作『明日の記憶』(山本周五郎賞)、ドタバタ調のクライム・コメディ『ママの狙………[記事全文]
[評者]池上冬樹(文芸評論家)  [掲載]2006年08月06日
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風に舞いあがるビニールシート [著]森絵都
 直木賞は往々にして、その作家の代表作よりも、どちらかというと小粒な佳作に授与されがちである。第百三十五回の直木賞を受賞した三浦しをんの『まほろ駅前多田便利軒』も、それから本書もそ………[記事全文]
[評者]池上冬樹(文芸評論家)  [掲載]2006年07月23日
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栄光なき凱旋 上・下 [著]真保裕一
 およそ2500枚の大作である。長い。実に長い。しかし第二次世界大戦中の日系アメリカ人の苦難を物語るなら、この程度の長さは必要であり、事実長くても退屈はしない。  主人公は3人の日………[記事全文]
[評者]池上冬樹(文芸評論家)  [掲載]2006年07月09日
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夜の公園 [著]川上弘美
 ようやく踏み込んだなと思った。『センセイの鞄(かばん)』で知られる、ほんわかとした恋愛小説を書いていた作者が、初めてどろどろとした夫婦関係と不倫を描いたからである。  もちろんど………[記事全文]
[評者]池上冬樹(文芸評論家)  [掲載]2006年06月18日
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東京バンドワゴン [著]小路幸也
 最後の謝辞(“あの頃、たくさんの涙と笑いをお茶の間に届けてくれたテレビドラマへ”)にあるように、往年のホームドラマに捧(ささ)げられた小説である。ここには“たくさん”はないもの………[記事全文]
[評者]池上冬樹(文芸評論家)  [掲載]2006年06月11日
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99999(ナインズ) [著]デイヴィッド・ベニオフ
 青年が刑務所に収監されるまでの24時間を描いた『25時』で鮮烈なデビューを果たしたベニオフの短編集である。『25時』同様、清新で鋭い感覚で切り取られた作品が揃(そろ)っている。 ………[記事全文]
[評者]池上冬樹(文芸評論家)  [掲載]2006年06月04日
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フラッシュ [著]カール・ハイアセン
 ここ半年、海外ミステリーに収穫があった。先日紹介したローリー・リン・ドラモンドの大傑作『あなたに不利な証拠として』以外にも、ジェフリー・ディーヴァーの『クリスマス・プレゼント』(………[記事全文]
[評者]池上冬樹(文芸評論家)  [掲載]2006年05月07日
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沖で待つ [著]絲山秋子
 文学界新人賞受賞作の「イッツ・オンリー・トーク」を読んだとき、僕はふと開高健が古山高麗雄を称賛したときの言葉を思い出した。つまり“したたかな苦渋を濾過(ろか)した「かるみ」”が、………[記事全文]
[評者]池上冬樹(文芸評論家)  [掲載]2006年04月16日

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