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評者一覧

小池昌代書評

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聖母の贈り物 [著]ウィリアム・トレヴァー
 カバーの折り返しに、頑固そうな老人の写真。ああ、このじいさんか、と私は思う。深くくっきりと刻まれた皺(しわ)。尖(とが)った耳。眼(め)は鋭い。鋼のような視線。だが口角はかすかに………[記事全文]
[評者]小池昌代(詩人)  [掲載]2007年03月11日
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信頼 [著]アルフォンソ・リンギス
 ここに収められた二十一の文章は、旅という経験を通して紡がれた瑞々(みずみず)しい思索の跡である。読者は前提も説明もなく、いきなりある土地のある瞬間へと送り込まれる。そこで私たちが………[記事全文]
[評者]小池昌代(詩人)  [掲載]2007年02月18日
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主語を抹殺した男―評伝・三上章 [著]金谷武洋
 三上章とは、およそ百年前、広島に生まれた文法学者。英語にあるような主・述構造は、日本語にはないと喝破し、「主語」という概念は不要であると主張した人だ。  昔、私は、日本語には主語………[記事全文]
[評者]小池昌代(詩人)  [掲載]2007年01月21日
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秋の四重奏 [著]バーバラ・ピム [訳]小野寺健
 (1)秋の四重奏(バーバラ・ピム著、小野寺健訳)  (2)小説の読み書き(佐藤正午著)  (3)海に住む少女(ジュール・シュペルヴィエル著、永田千奈訳)  (1)の余韻は思いの外………[記事全文]
[評者]小池昌代―書評委員のお薦め「今年の3点」  [掲載]2006年12月24日
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コレラの時代の愛、わが悲しき娼婦たちの思い出 [著]G・ガルシア=マルケス
 ガルシア=マルケスの全小説が、いま、相次いで刊行されている。現在、手にすることができるのは『わが悲しき娼婦(しょうふ)たちの思い出』、そして『コレラの時代の愛』。川端康成の「眠れ………[記事全文]
[評者]小池昌代(詩人)  [掲載]2006年11月19日
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私の老年前夜 [著]長塚京三
 本書は俳優・長塚京三の、二冊目になるエッセイ集である。複雑にして香気高い、瑞々(みずみず)しい文章が並んでいる。稚気と幽(かす)かに触れ合うほどの、頑固なやっかいさが魅力である。………[記事全文]
[評者]小池昌代(詩人)  [掲載]2006年10月08日
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テヘランでロリータを読む [著]アーザル・ナフィーシー
 イスラーム革命後のイラン・テヘラン。ホメイニー師率いる新体制が、監視の目を光らせる息苦しい社会のなかで、大学を追われ、一切の教職から身をひいた著者が、密(ひそ)かに開いた読書会。………[記事全文]
[評者]小池昌代(詩人)  [掲載]2006年10月01日
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刺繍―イラン女性が語る恋愛と結婚 [著]マルジャン・サトラピ
 現代イランの恋愛・結婚事情を、えぐみのある絵と率直な言葉で、痛快に描いた本である。  昼食会が終わった後、いつもどおり昼寝にいく男性陣。残された女たちは後片付けを終えると、サモワ………[記事全文]
[評者]小池昌代(詩人)  [掲載]2006年09月03日
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神話の心理学―現代人の生き方のヒント [著]河合隼雄
 神話とは一体何なのだろう。どんな力がそこにあるのか。そして私たちの生き方や人生に、それはどのような働きを及ぼすのか。神話離れの時代に危機感を覚える著者が、「神話」という無尽蔵の井………[記事全文]
[評者]小池昌代(詩人)  [掲載]2006年08月27日
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森のはずれで [著]小野正嗣
 「目」でなく、「耳」で読む小説である。読んでいると目が退化して、耳が異様に敏感になってくる。言葉のなかから、音が聞こえる。その音が立ち上げていく情景は、普段、わたしたちが見ている………[記事全文]
[評者]小池昌代(詩人)  [掲載]2006年08月20日
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秋の四重奏 [著]バーバラ・ピム
 70年代のイギリス、ロンドン。とある部署に、定年を控えた4人の男女がいる。みな一人暮らし。4人はいわゆる「同僚」である。ランチタイムはばらばらにすごし、諍(いさか)いこそしないが………[記事全文]
[評者]小池昌代(詩人)  [掲載]2006年07月30日
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被爆のマリア [著]田口ランディ
 不思議な「原爆小説」である。原爆の悲惨さが直接描かれているわけではない。著者の視線は、むしろ原爆以後の六十年、「平和」という静かに狂った戦場に向けられる。ところが読んでいると文字………[記事全文]
[評者]小池昌代(詩人)  [掲載]2006年06月25日
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犬のしっぽを撫でながら [著]小川洋子
 この本の著者・小川洋子は、「小さなことですぐに落ち込む」という。そういうときどうするか。彼女は「罵(ののし)られ箱」の蓋(ふた)をそっと開ける。「かつて自分に浴びせられた数々の罵………[記事全文]
[評者]小池昌代(詩人)  [掲載]2006年06月18日
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わたしを離さないで [著]カズオ・イシグロ
 英国にある、施設・ヘールシャム。幼少時から共に育ってきた生徒たちが、数人の教師と暮らしている。全寮制の学校かと思いきや、描かれる空気には微妙な違和感がある。  まず彼らには家族が………[記事全文]
[評者]小池昌代(詩人)  [掲載]2006年05月28日
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僕はマゼランと旅した [著]スチュアート・ダイベック
 シカゴの街を舞台にした、11篇(ぺん)からなる連作小説集だ。時代は、50年代から60年代にかけて。「僕」ペリーを中心に、その家族や級友、朝鮮戦争から生還した叔父さん、第2次大戦で………[記事全文]
[評者]小池昌代(詩人)  [掲載]2006年04月23日
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イルカ [著]よしもとばなな
 小さな本だが、大きくあたたかい。主人公の恋愛小説家・キミコが、ときに悪意や暴力に近寄りながらも、様々な人と出会い、やがて、婚姻外で子を産むまでのいきさつが、自然な流れで描かれて………[記事全文]
[評者]小池昌代(詩人)  [掲載]2006年04月16日
母の声、川の匂い―ある幼時と未生以前をめぐる断想 [著]川田順造
 著者は文化人類学者として、主に西アフリカの部族「モシ王国」を、長年にわたって研究してきた。文字を持たない社会の豊かさや、そこに生きる人々の地声の美しさ、王の系譜を語る太鼓言葉を、………[記事全文]
[評者]小池昌代  [掲載]2006年03月12日

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