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評者一覧

鴻巣友季子書評

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バートルビーと仲間たち [著]エンリーケ・ビラマタス
 今年1年の、いや、いっそのこと、今世紀10年のベスト翻訳書に挙げてしまおう。  『バートルビーと仲間たち』だって?! まず題名にのけぞった。町田康の小説に「ビバ! カッパ!」と叫………[記事全文]
[評者]鴻巣友季子(翻訳家)  [掲載]2008年04月27日
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エクストラテリトリアル [著]西成彦
 政治的弾圧と逆境の中で人々が芸術を創造しうるとすれば、それは、おのおのの言語と文化を用いて、自分たちなりの自由を行使しえた時だ。これを、本書は文学における治外法権=エクストラテリ………[記事全文]
[評者]鴻巣友季子(翻訳家)  [掲載]2008年04月20日
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プルーストと身体―『失われた時を求めて』における病・性愛・飛翔 [著]吉田城
 プルーストの草稿・生成研究者で名高い著者の遺稿集だ。氏はかつて著書の中で、テクスト生成論の主眼は、作家の側ではなく作品の側を探索することにあると書いた。転換点は90年代に訪れたよ………[記事全文]
[評者]鴻巣友季子(翻訳家)  [掲載]2008年03月23日
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オブ・ザ・ベースボール [著]円城塔
 空からなにかが降ってくる。聖書では黙示的な意味合いだ。「マグノリア」という映画では蛙(かえる)が、村上春樹の『海辺のカフカ』では魚が、降ってきた。本書では、約一年に一度、空から人………[記事全文]
[評者]鴻巣友季子(翻訳家)  [掲載]2008年03月09日
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Y氏の終わり [著]スカーレット・トマス
 謎の禁断の書が登場したり、一冊の書物が人の生殺与奪に与(あずか)るといった“ミステリー”には、ひねりのある名作が多い。エーコの『薔薇(ばら)の名前』、フィシュテルの『私家版』、ダ………[記事全文]
[評者]鴻巣友季子(翻訳家)  [掲載]2008年02月17日
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越境の声 [著]リービ英雄
 西洋出身初の日本語作家である越境の作家にとって、文学を分かつのは国でも人種でもなく、「その言語に違和感をつきつけられる言葉をもつか否か」のようだ。日本語が完熟したのは古今和歌集で………[記事全文]
[評者]鴻巣友季子(翻訳家)  [掲載]2008年02月03日
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音楽が聞える [著]高橋英夫
 詩が生まれ出るとき、詩人はおのずと音楽家になっている。高橋氏のことばを借りれば、「詩は音楽になる以外にどんな通路も持っていない」し、「詩を読むということは(自身が)音楽の状態にな………[記事全文]
[評者]鴻巣友季子(翻訳家)  [掲載]2008年01月20日
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白暗淵(しろわだ) [著]古井由吉
 本書の題名は天地創造前の闇を表す聖書の「地は定形(かたち)なく、曠(むな)しくして、黒暗淵(やみわだ)の面にあり」から来ている。十二の連作において、男は己の始まりをたずね、たずね………[記事全文]
[評者]鴻巣友季子(翻訳家)  [掲載]2008年01月13日
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鴻巣友季子 書評委員お薦め「2007年の3点」
 (1)円朝芝居噺 夫婦幽霊(辻原登著、講談社・1785円)  (2)わたしたちに許された特別な時間の終わり(岡田利規著、新潮社・1365円)  (3)白暗淵(しろわだ)(古井由吉………[記事全文]
[評者]鴻巣友季子(翻訳家)  [掲載]2007年12月23日
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ロリータ、ロリータ、ロリータ [著]若島正
 文学の読み方に答えはないと言われるが、本当だろうか? 『ロリータ』の訳者・若島正氏は、少なくともナボコフの読解においては、読み方のルールさえ掴(つか)んでいれば一つの「正解」を得………[記事全文]
[評者]鴻巣友季子(翻訳家)  [掲載]2007年12月16日
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現代日本の小説 [著]尾崎真理子
 文芸記者による直接の現場取材とその実感に徹底して基づいた現代日本文学のガイドブックである。通史として読みごたえがある。著者によれば、ワープロや電子ツールのせいで、近年「作家の人格………[記事全文]
[評者]鴻巣友季子(翻訳家)  [掲載]2007年11月25日
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走ることについて語るときに僕の語ること [著]村上春樹
 「我走る、ゆえに我あり」――百キロ走のウルトラマラソンではこんな没我の境地まで経験したランナー作家によるメモワールである。近年、ノーベル文学賞に最も近い日本人の一人と言われながら………[記事全文]
[評者]鴻巣友季子(翻訳家)  [掲載]2007年11月18日
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有頂天家族 [著]森見登美彦
 桓武天皇の御代、万葉の地をあとにして入来たる人々の造りあげたのが京都である――と、これはあくまで人間の見た歴史だ。狸(たぬき)に言わせれば、平家物語に出てきた武士、貴族、僧侶のう………[記事全文]
[評者]鴻巣友季子(翻訳家)  [掲載]2007年11月04日
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文字の都市―世界の文学・文化の現在10講 [編著]柴田元幸
 「あの高いのは都庁と違います〜?」「ぅぉおうぅ、そうやろか!」。新宿で観光客が指していたのは、某高級ホテル。プリンストン大学のエメリック氏は、このコミカルな取り違えから「首都(キ………[記事全文]
[評者]鴻巣友季子(翻訳家)  [掲載]2007年10月14日
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タタド [著]小池昌代
 なにかにふっと持っていかれそうになる感覚の狂おしさが、この短編集をうっすらとおおっている。引き潮、引力、堰(せき)を切って溢(あふ)れるもの……。川端康成文学賞作の「タタド」を含………[記事全文]
[評者]鴻巣友季子(翻訳家)  [掲載]2007年09月23日
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アサッテの人 [著]諏訪哲史
 先日、翻訳同業者の間で、芥川賞受賞作『アサッテの人』を英訳したらどうなるか、という話になり、「題名の『アサッテ』をどう訳す?」とか「『ポンパ』や『チリパッハ』が訳せない」などと言………[記事全文]
[評者]鴻巣友季子(翻訳家)  [掲載]2007年09月09日
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青年の完璧な幸福―片岡義男短編小説集 [著]片岡義男
 本書の4編にはそれぞれ、小説家をめざす青年が登場する。小説は、小説家は、いかにしてつくられるのか?  米国の大学には古くから創作科や講座があり、そこからカーヴァーやアーヴィングが………[記事全文]
[評者]鴻巣友季子(翻訳家)  [掲載]2007年08月19日
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バン・マリーへの手紙 [著]堀江敏幸
 バン・マリーとは仏語で「湯煎(ゆせん)」「湯煎鍋」のこと。直火でがんがん熱するのではなく、湯を張った鍋を間に挟むことで、ゆるやかな温(ぬく)みをもたらす。著者はこれを自分の思考法………[記事全文]
[評者]鴻巣友季子(翻訳家)  [掲載]2007年07月22日
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ミノタウロス [著]佐藤亜紀
 舞台は、二十世紀初頭、ロシア革命前後の、内戦が続くウクライナ。作者の得意とする題材で、冒頭から引きこまれる。主人公/語り手は、奇妙な経緯から地主に成り上がった男の次男、ヴァシリ・………[記事全文]
[評者]鴻巣友季子(翻訳家)  [掲載]2007年07月08日
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きみのためのバラ [著]池澤夏樹
 誰もいない森で倒れる木は音をたてない、というあの哲学命題を思いだしたのは、本書の「ヘルシンキ」という編を読んでいる時だ。人との言葉の齟齬(そご)に疲れた男が、北欧の森で孤独な木に………[記事全文]
[評者]鴻巣友季子(翻訳家)  [掲載]2007年06月17日
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臍の緒は妙薬 [著]河野多恵子
 本書の四つの短編が描くのは、なにか密(ひそ)やかな係(かか)わりである。生者と亡者の、あるいは過ぎた日との秘めやかな交感。そこには、「遺(のこ)された者」という河野氏のライトモチ………[記事全文]
[評者]鴻巣友季子(翻訳家)  [掲載]2007年06月03日
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円朝芝居噺 夫婦幽霊 [著]辻原登
 二葉亭四迷訳のツルゲーネフ、森鴎外訳のアンデルセン。外国文学の翻訳を通して日本近代文学の文体は作られてきた。さて、その明治の翻訳に多大な影響を与えた人といえば、三遊亭円朝である。………[記事全文]
[評者]鴻巣友季子(翻訳家)  [掲載]2007年05月27日
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「赤」の誘惑―フィクション論序説 [著]蓮實重彦
 人間を刺激する赤色が文学によく登場するのは本能か。しかし、本書の著者を辟易(へきえき)させるのは、分析哲学や文学理論の書に赤が氾濫(はんらん)していることだ。フィクション論では、………[記事全文]
[評者]鴻巣友季子(翻訳家)  [掲載]2007年05月06日

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