ナイチンゲールを知らない看護師がいないように、疫学の分野でジョン・スノウを知らない人はいないだろう。19世紀にコレラが蔓延(まんえん)した。患者の血液はどろりとタール状に濁り、こ………[記事全文]
[評者]瀬名秀明(作家) [掲載]2009年10月11日
五感の中でも嗅覚(きゅうかく)はとくに謎めいた感じがする。古くからミステリー作家の想像力を刺激してやまないが、ではどこから勉強を始めればいいのかよくわからない。本書は嗅覚について………[記事全文]
[評者]瀬名秀明(作家) [掲載]2009年10月4日
「大地震から数時間後、あなたは被災地の食料担当職員。三千人の市民が避難所に集まっているが、食料は二千人分しか確保できない。まず二千食を配るか? Yes or No?」 司会者が………[記事全文]
[評者]瀬名秀明(作家) [掲載]2009年9月13日
これは余熱の小説だ。上下巻の長い物語は余熱に疼(うず)く人たちの思いによって動き続ける。 題名の「銀河」はおそらく宇宙物理学者ジョージ・ガモフと谺(こだま)している。主人公の桐………[記事全文]
[評者]瀬名秀明(作家) [掲載]2009年8月30日
子供のころ、海辺で軽石を見つけるとうれしかった。家に持ち帰って色を塗ったり、彫刻刀で削ったり、風呂に浮かべて遊んだりした。そんな懐かしい思い出が、本書を読んで地球のダイナミックな………[記事全文]
[評者]瀬名秀明(作家) [掲載]2009年7月5日
9・11テロで3千人近い人が亡くなった。これは戦争だと当時の大統領は説き、メディアも一般人もさらなるテロ攻撃に怯(おび)えた。数日後に旅客機が運航再開したとき、ほとんどはがら空き………[記事全文]
[評者]瀬名秀明(作家) [掲載]2009年6月28日
飲み会の席で、何気(なにげ)なく独創的な意見を語る人がいる。みんなが「ですよねー!」と同調しがちな世の中に合わせつつも、ふっと日常で気づいた違和感を別の視点で語れる柔軟さ。明日に………[記事全文]
[評者]瀬名秀明(作家) [掲載]2009年6月21日
著者の池谷さんは私より2歳下、同じ静岡県の出身だ。本書の書評のため初期の著作から刊行順に彼の足跡を一気に読んで辿(たど)り、そうだよ、研究者はいつだってこうやってひとりの人間とし………[記事全文]
[評者]瀬名秀明(作家) [掲載]2009年6月7日
「言葉っていくつあると思う?」と若き女性が幼なじみに尋ねる。五つ、六つ? 自分たちが聞いたこともない言葉もあるはずだ。ふたりは果てしなく広がる世界を想像してわくわくする。この場面………[記事全文]
[評者]瀬名秀明(作家) [掲載]2009年5月10日
書店に行けば空の写真集はたくさんあるが、この著者の本以上のものにはなかなかお目にかかれない。もっときれいな写真集はあるだろう、だが気象予報士の資格も持つ高校教師の著者がつくる本は………[記事全文]
[評者]瀬名秀明(作家、東北大学機械系特任教授) [掲載]2009年3月22日
まずは小野利明の装画、多田和博の装幀(そうてい)が素晴らしい。期待して本を手に取りページを捲(めく)ると、たちまち冬の八ケ岳の空気が匂(にお)ってきた。 ポスターを見ただけで心………[記事全文]
[評者]瀬名秀明(作家、東北大学機械系特任教授) [掲載]2009年3月1日
意欲的に力作・良作を発表し読者を惹(ひ)きつける実力派が、ときおり鳥肌の立つような大ホームランをかっ飛ばす。すべての動作がぴたりぴたりと必然のように嵌(はま)り、打球は物理法則に………[記事全文]
[評者]瀬名秀明(作家、東北大学機械系特任教授) [掲載]2009年2月15日
コカ・コーラはあらかじめブランド名を知って飲むと脳のある部分が活動するのに、ペプシだとさほど反応しない。ペプシは脳科学的にもブランド戦略に失敗している――そんな衝撃の研究が発表さ………[記事全文]
[評者]瀬名秀明(作家、東北大学機械系特任教授) [掲載]2009年2月8日
いまにもダンスを踊り出しそうな著者近影、「存命中の最もセクシーな宇宙物理学者」なる呼び声にこのタイトル。なんだ、ふざけた科学読み物かと勘違いした方も、読み進めるうちにきっと瞠目(………[記事全文]
[評者]瀬名秀明(作家、東北大学機械系特任教授) [掲載]2009年1月25日
読書中、実は80年代の名曲「リフレインが叫んでる」がずっと脳の中で響いていた。実際、山田正紀の小説はリフレインに満ちている。 80年代に日本SFブームは頂点を極めた。山田正紀は………[記事全文]
[評者]瀬名秀明(作家、東北大学機械系特任教授) [掲載]2009年1月18日
プルーストの一節を読んでその光景がありありと脳裏に浮かび、たちまち過去の想(おも)い出へと引き寄せられる。年齢も文化も違う作中人物といつしか同化し、遥(はる)か異国で冒険に生きる………[記事全文]
[評者]瀬名秀明(作家、東北大学機械系特任教授) [掲載]2009年1月4日
(1)聖者は口を閉ざす [著]リチャード・プライス [訳]白石朗 (2)世界一高い木 [著]リチャード・プレストン [訳]渡会圭子 (3)木曜日だった男 一つの悪夢 [著]G・K・………[記事全文]
[評者]瀬名秀明(作家、東北大学機械系特任教授) [掲載]2008年12月21日
「映画『アンタッチャブル』を観(み)てから読むと、よりいっそうおいしく楽しめます」 と巻末にあるが、まさにその通り。良質の小説を着実に発表し続けてきた山之口洋が、新書の書き下ろ………[記事全文]
[評者]瀬名秀明(作家、東北大学機械系特任教授) [掲載]2008年11月16日
つむじ風のように突然町へ降り立った男が、世界の見え方を一変させてゆく――イギリスの鯨と呼ばれた巨人チェスタトンの小説は、お伽噺(とぎばなし)こそが最高に「リアル」な物語なのだと教………[記事全文]
[評者]瀬名秀明(作家、東北大学機械系特任教授) [掲載]2008年11月9日
“今”そして“時”という漢字の重みをこれほど感じたのは初めてだ。この物語はわれらがこれから体験し、そしてこれまで体験してきた“今”への認識を変えてしまう。 ユダヤ系物理学者と黒………[記事全文]
[評者]瀬名秀明(作家、東北大学機械系特任教授) [掲載]2008年10月12日