歴史

ヒトラーの裁判官フライスラー [著]ヘルムート・オルトナー

ヒトラーの裁判官フライスラー [著]ヘルムート・オルトナー

■政権に忠実な官吏の無責任体質  ナチス・ドイツの独裁下で国家反逆行為などを裁く人民法廷の長官を務めたローラント・フライスラー。ナチスに抵抗した学生グループ「白バラ」やヒトラー暗殺未遂事件の被告らに死刑判決を下した裁判………[もっと読む]

[評者]市田隆(本社編集委員)
[掲載]2017年05月21日
[ジャンル]歴史

忘れられた人類学者―エンブリー夫妻が見た<日本の村> [著]田中一彦

忘れられた人類学者―エンブリー夫妻が見た<日本の村> [著]田中一彦

 熊本の小村「須恵」は、日本民俗の研究者にはつとに名高い。エンブリー夫妻による戦前の滞在調査の記録が、世界で唯一の外国人による人類学的な日本研究だったからだ。しかし、夫妻がその後の日本に与えた潜在的な影響の大きさについて………[もっと読む]

[評者]椹木野衣 (美術評論家)
[掲載]2017年05月14日
[ジャンル]歴史 人文

鬼神 [著]矢野隆 / 燕雀の夢 [著]天野純希

鬼神 [著]矢野隆 / 燕雀の夢 [著]天野純希

■乱世の生き方探し、若者が共感    最近は歴史小説も増えている矢野隆だが、頼光四天王と酒呑童子の戦いを新解釈で描いた『鬼神(おにがみ)』は、デビュー作『蛇衆』を思わせる迫力の伝奇活劇である。  足柄山で母と暮らす野生………[もっと読む]

[評者]末國善己(文芸評論家)
[掲載]2017年05月07日
[ジャンル]歴史

大航海時代の地球見聞録―通解『職方外紀』 [著]ジュリオ・アレーニ、楊廷イン

大航海時代の地球見聞録―通解『職方外紀』 [著]ジュリオ・アレーニ、楊廷イン

■怪しさあふれる楽しい世界案内  世界の全体像が見えていなかった時代の地理書は、荒唐無稽で面白い。  古くは、一本足の人間や胸に穴のあいた種族が登場する中国の『山海経』があり、マルコ・ポーロの『東方見聞録』にも犬の頭を………[もっと読む]

[評者]宮田珠己(エッセイスト)
[掲載]2017年05月07日
[ジャンル]歴史

われらの子ども―米国における機会格差の拡大 [著]ロバート・D・パットナム

われらの子ども―米国における機会格差の拡大 [著]ロバート・D・パットナム

■公正に才能生かすため探求迫る  「二つのアメリカ」への分断。本書が克明に描き出すのは、アメリカン・ドリームが過去のものとなりつつある現状である。  「二つの」社会階級は、親が大卒か高卒かで分けられる。本書の魅力は、そ………[もっと読む]

[評者]齋藤純一(早大教授)
[掲載]2017年04月23日
[ジャンル]歴史 社会

江戸→TOKYO―なりたちの教科書 [著]岡本哲志

江戸→TOKYO―なりたちの教科書 [著]岡本哲志

 タモリが日本各地を訪ね、歴史の痕跡を探し、その街の成り立ちに迫るNHKの「ブラタモリ」が人気だ。本書は、この番組に何度も出演した著者が、徳川家康の都市計画から現代の日本橋再開発に至る東京の変遷をたどっている。  寛永寺………[もっと読む]

[評者]末國善己 (文芸評論家)
[掲載]2017年04月23日
[ジャンル]歴史 ノンフィクション・評伝

昭和天皇の戦争―「昭和天皇実録」に残されたこと・消されたこと [著]山田朗

昭和天皇の戦争―「昭和天皇実録」に残されたこと・消されたこと [著]山田朗

 「昭和天皇実録」(実録)は、「官」の編んだ「公式の記録」である。従って、「天皇=平和主義者」との特定の意図で記述されているとして、著者はとくに戦争に関する部分を取りあげて、どのような部分が割愛されているかを実証的に裏づ………[もっと読む]

[評者]保阪正康(ノンフィクション作家)
[掲載]2017年04月16日
[ジャンル]歴史

独裁者たちの最期の日々(上・下) [編]ディアンヌ・デュクレほか

独裁者たちの最期の日々(上・下) [編]ディアンヌ・デュクレほか

■制裁の恐怖、自律的な判断奪う  以下の3問に正答できれば本書は不要である。  問1 「スコットランド最後の王」と自称した独裁者は誰か?  (1)ヒトラー (2)パフラヴィー二世 (3)アミン  独裁者たちは、しばしば………[もっと読む]

[評者]山室恭子(東工大教授)
[掲載]2017年04月16日
[ジャンル]歴史

虜囚―一六〇〇―一八五〇年のイギリス、帝国、そして世界 [著]リンダ・コリー

虜囚―一六〇〇―一八五〇年のイギリス、帝国、そして世界 [著]リンダ・コリー

■拡大する「島国」の試練と秘密    イギリスは小さな島国でありながら、19世紀にいたって、「七つの海」を支配する未曽有の世界帝国を築いた。このことは圧倒的な事実であったから、ふつう、そこにいたる過程がどんなものであっ………[もっと読む]

[評者]柄谷行人(哲学者)
[掲載]2017年04月09日
[ジャンル]歴史

田中正造と足尾鉱毒問題―土から生まれたリベラル・デモクラシー [著]三浦顕一郎

田中正造と足尾鉱毒問題―土から生まれたリベラル・デモクラシー [著]三浦顕一郎

■闘争支えた国家構想、明晰に  本書は、足尾銅山で起きた鉱毒問題をめぐり、その解決に一生を捧げた田中正造の思想と行動を、非常に明晰(めいせき)な文体で解き明かした作品。今では想像しがたいが、銅は明治期日本の主要輸出品の………[もっと読む]

[評者]諸富徹(京都大学教授・経済学)
[掲載]2017年03月19日
[ジャンル]歴史 人文

建築史とは何か [著]アンドリュー・リーチ

建築史とは何か [著]アンドリュー・リーチ

■あらゆる事象つなぐ知の交差点  20世紀の半ば、日本の建築家にとって古建築を学ぶことは、伝統を意識し、モダニズムに指針を与えることにつながった。またポストモダンの時代は、歴史建築の引用が流行し、デザイナーにとって建築………[もっと読む]

[評者]五十嵐太郎(建築批評家・東北大学教授)
[掲載]2017年03月19日
[ジャンル]歴史

徳川家康―われ一人腹を切て、万民を助くべし [著]笠谷和比古

徳川家康―われ一人腹を切て、万民を助くべし [著]笠谷和比古

■死後の体制転覆を恐れた理由  中華帝国や朝鮮王朝のように、儒教が体制を正当化するイデオロギーとして定着していれば、皇帝や国王は「天」から支配の正統性を与えられる。そこでは武力ではなく、儒教的な徳をもつことが「民」を統………[もっと読む]

[評者]原武史(放送大学教授・政治思想史)
[掲載]2017年03月12日
[ジャンル]歴史

皇族と天皇 [著]浅見雅男

皇族と天皇 [著]浅見雅男

 室町から江戸期に成立した四親王家(ししんのうけ)(伏見、桂、有栖川、閑院)に加え、王政復古と前後して、六宮家(中川、山階、東伏見、華頂、北白川、梨本)が誕生した。慶応4年の太政官布告では、四親王家以外の宮家は一代限りと………[もっと読む]

[評者]保阪正康(ノンフィクション作家)
[掲載]2017年03月05日
[ジャンル]歴史 経済 社会

国家と石綿―ルポ・アスベスト被害者「息ほしき人々」の闘い [著]永尾俊彦

国家と石綿―ルポ・アスベスト被害者「息ほしき人々」の闘い [著]永尾俊彦

■危険から抜け出せなかった構造  断熱材などに用いられ、近代工業を支えた石綿製品。国は戦前から大阪・泉南地域の石綿工場で深刻な健康被害が発生していることを把握しながら有効な対策をとらなかったという。その被害者は「貧しく………[もっと読む]

[評者]市田隆(本社編集委員)
[掲載]2017年02月26日
[ジャンル]歴史 社会

マティスとルオー 友情の手紙 [編]ジャクリーヌ・マンク

マティスとルオー 友情の手紙 [編]ジャクリーヌ・マンク

■間柄示す、彩り豊かな言葉の橋  マティスもルオーも画家なのだから、後世の受け手はまずは作品だけ観(み)ていればよい、とも言える。けれど、この書簡集に触れた結果、少なくとも私にとっては、それぞれの絵を思い浮かべるときの………[もっと読む]

[評者]蜂飼耳(詩人・作家)
[掲載]2017年02月26日
[ジャンル]歴史 アート・ファッション・芸能

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