歴史

ソヴィエト・ファンタスチカの歴史 [著]ルスタム・カーツ

ソヴィエト・ファンタスチカの歴史 [著]ルスタム・カーツ

 ソビエト社会主義共和国連邦は、「正しい科学」や「正しい文学」のありかたを国が定めようとした。  結果、「政治的に正しい科学にのっとった空想科学小説」という珍妙な分野が、国の支援の下に花開くことになった。  といったあた………[もっと読む]

[評者]円城塔  (作家)
[掲載]2017年07月23日
[ジャンル]歴史

枕草子のたくらみ―「春はあけぼの」に秘められた思い [著]山本淳子

枕草子のたくらみ―「春はあけぼの」に秘められた思い [著]山本淳子

 名作を当時の人の心で読むのは難しい。現在語られていることを一度すべて忘れて、その時代になにがあったのか、人々はどういう生活をし、なにに関心があったのかを想像すること。この、難しいけれど大事な作業のために、我々は教養を身………[もっと読む]

[評者]サンキュータツオ(お笑い芸人、日本語学者)
[掲載]2017年07月16日
[ジャンル]歴史 文芸

特高と國體の下で―離散、特高警察、そして内戦 [著]孫栄健

特高と國體の下で―離散、特高警察、そして内戦 [著]孫栄健

■拷問受けた「在日」の心象を描く  1918年2月に朝鮮の慶尚南道に生まれた朴庸徳の歩みを在日3世の著者が追跡調査する。朴は7歳で家族と共に来日、飯場を転々として小学校も12回転校しながら日本社会に身を置く。最下層の仕………[もっと読む]

[評者]保阪正康(ノンフィクション作家)
[掲載]2017年07月16日
[ジャンル]歴史

落語魅捨理全集―坊主の愉しみ [著]山口雅也

落語魅捨理全集―坊主の愉しみ [著]山口雅也

 落語家が探偵だったり、演目がヒントになったりする落語ミステリーは多い。著者5年ぶりの新作も落語ミステリーだが、従来の作品とは一線を画している。  著者は、古典落語と同じ江戸を舞台に、マクラ、本題、サゲと進む落語のルール………[もっと読む]

[評者]末國善己(文芸評論家)
[掲載]2017年07月02日
[ジャンル]歴史 文芸

感性文化論―〈終わり〉と〈はじまり〉の戦後昭和史 [著]渡辺裕

感性文化論―〈終わり〉と〈はじまり〉の戦後昭和史 [著]渡辺裕

■聴覚より視覚優位へと認識転換  戦後のある時期まで、鉄道の案内の多くは聴覚を通してなされていた。車内では車掌が、駅のホームでは駅員が次の駅や乗り換えなどを肉声で放送し、客はそうした声に耳を傾けた。車掌の語りそのものが………[もっと読む]

[評者]原武史(放送大学教授・政治思想史)
[掲載]2017年06月25日
[ジャンル]歴史

中国文化大革命「受難者伝」と「文革大年表」―崇高なる政治スローガンと残酷非道な実態 [共編共著]王友琴・小林一美・安藤正士・安藤久美子

中国文化大革命「受難者伝」と「文革大年表」―崇高なる政治スローガンと残酷非道な実態 [共編共著]王友琴・小林一美・安藤正士・安藤久美子

■道徳心を腐敗させた「人民専政」  文化大革命(文革)は、現代中国の最大の傷である。ある年代以上の中国人の心底には、今なおその悲劇が沈殿していて、私自身、「あの時代は悪夢というより地獄でした」との言を何度も聞いた。  ………[もっと読む]

[評者]保阪正康(ノンフィクション作家)
[掲載]2017年06月25日
[ジャンル]歴史

王妃たちの最期の日々 上・下 [編]ジャン=クリストフ・ビュイッソン、ジャン・セヴィリア

王妃たちの最期の日々 上・下 [編]ジャン=クリストフ・ビュイッソン、ジャン・セヴィリア

■国境も越えていく波乱の生涯  ヴィクトリア女王のような例外は別として、皇帝や国王のほとんどは男性だった。皇后や王妃は皇帝や国王ほど権力をもたず、目立たなかったように見えなくもない。しかし彼女らの生涯は、時として男性の………[もっと読む]

[評者]原武史(放送大学教授・政治思想史)
[掲載]2017年06月11日
[ジャンル]歴史

おもちゃ絵芳藤 [著]谷津矢車

おもちゃ絵芳藤 [著]谷津矢車

■一途な絵師がたどり着いた境地  谷津矢車は、27歳だった2013年に、若き日の狩野永徳を描く『洛中洛外画狂伝』でデビューした。その後の活躍は凄(すさ)まじく、『しゃらくせえ鼠小僧伝』『信長さまはもういない』など、戦国………[もっと読む]

[評者]末國善己(文芸評論家)
[掲載]2017年06月11日
[ジャンル]歴史 人文 アート・ファッション・芸能

宮柊二『山西省』論 [著]佐藤通雅

宮柊二『山西省』論 [著]佐藤通雅

 日中戦争下で、山西省は象徴的な意味をもつ。激しい戦闘と軍事上は「戦争」の残酷さを、政治上も戦後は軍閥閻錫山(えんしゃくざん)に組みこまれ日本兵が国共内戦に巻きこまれた。歌人の宮柊二は、この山西省で「一兵」として4年間戦………[もっと読む]

[評者]保阪正康(ノンフィクション作家)
[掲載]2017年06月11日
[ジャンル]歴史 文芸

ヒトラーの裁判官フライスラー [著]ヘルムート・オルトナー

ヒトラーの裁判官フライスラー [著]ヘルムート・オルトナー

■政権に忠実な官吏の無責任体質  ナチス・ドイツの独裁下で国家反逆行為などを裁く人民法廷の長官を務めたローラント・フライスラー。ナチスに抵抗した学生グループ「白バラ」やヒトラー暗殺未遂事件の被告らに死刑判決を下した裁判………[もっと読む]

[評者]市田隆(本社編集委員)
[掲載]2017年05月21日
[ジャンル]歴史

忘れられた人類学者―エンブリー夫妻が見た<日本の村> [著]田中一彦

忘れられた人類学者―エンブリー夫妻が見た<日本の村> [著]田中一彦

 熊本の小村「須恵」は、日本民俗の研究者にはつとに名高い。エンブリー夫妻による戦前の滞在調査の記録が、世界で唯一の外国人による人類学的な日本研究だったからだ。しかし、夫妻がその後の日本に与えた潜在的な影響の大きさについて………[もっと読む]

[評者]椹木野衣 (美術評論家)
[掲載]2017年05月14日
[ジャンル]歴史 人文

鬼神 [著]矢野隆 / 燕雀の夢 [著]天野純希

鬼神 [著]矢野隆 / 燕雀の夢 [著]天野純希

■乱世の生き方探し、若者が共感    最近は歴史小説も増えている矢野隆だが、頼光四天王と酒呑童子の戦いを新解釈で描いた『鬼神(おにがみ)』は、デビュー作『蛇衆』を思わせる迫力の伝奇活劇である。  足柄山で母と暮らす野生………[もっと読む]

[評者]末國善己(文芸評論家)
[掲載]2017年05月07日
[ジャンル]歴史

大航海時代の地球見聞録―通解『職方外紀』 [著]ジュリオ・アレーニ、楊廷イン

大航海時代の地球見聞録―通解『職方外紀』 [著]ジュリオ・アレーニ、楊廷イン

■怪しさあふれる楽しい世界案内  世界の全体像が見えていなかった時代の地理書は、荒唐無稽で面白い。  古くは、一本足の人間や胸に穴のあいた種族が登場する中国の『山海経』があり、マルコ・ポーロの『東方見聞録』にも犬の頭を………[もっと読む]

[評者]宮田珠己(エッセイスト)
[掲載]2017年05月07日
[ジャンル]歴史

われらの子ども―米国における機会格差の拡大 [著]ロバート・D・パットナム

われらの子ども―米国における機会格差の拡大 [著]ロバート・D・パットナム

■公正に才能生かすため探求迫る  「二つのアメリカ」への分断。本書が克明に描き出すのは、アメリカン・ドリームが過去のものとなりつつある現状である。  「二つの」社会階級は、親が大卒か高卒かで分けられる。本書の魅力は、そ………[もっと読む]

[評者]齋藤純一(早大教授)
[掲載]2017年04月23日
[ジャンル]歴史 社会

江戸→TOKYO―なりたちの教科書 [著]岡本哲志

江戸→TOKYO―なりたちの教科書 [著]岡本哲志

 タモリが日本各地を訪ね、歴史の痕跡を探し、その街の成り立ちに迫るNHKの「ブラタモリ」が人気だ。本書は、この番組に何度も出演した著者が、徳川家康の都市計画から現代の日本橋再開発に至る東京の変遷をたどっている。  寛永寺………[もっと読む]

[評者]末國善己 (文芸評論家)
[掲載]2017年04月23日
[ジャンル]歴史 ノンフィクション・評伝

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