人文

情動の哲学入門―価値・道徳・生きる意味 [著]信原幸弘

情動の哲学入門―価値・道徳・生きる意味 [著]信原幸弘

■理性こそ判断の主役に、待った  冒頭、こう書き出される。「とかく情動は悪者にされやすい。しかし、本当にそうなのだろうか。」  「情動」という語よりも「感情」と言った方がピンとくるだろう。「感情に流されると理性的な判断………[もっと読む]

[評者]野矢茂樹(東大教授)
[掲載]2018年01月21日
[ジャンル]人文

新しい小説のために [著]佐々木敦

新しい小説のために [著]佐々木敦

■「私」とは、書き手の闘いを俯瞰  文芸批評を読むということはなにか。  私のような不真面目な人間にとって文芸批評は、サッカー観戦のあとのサッカー解説や分析に近い。試合は見ている、けれどなにが起こっているのか、これは善………[もっと読む]

[評者]サンキュータツオ(お笑い芸人、日本語学者)
[掲載]2018年01月07日
[ジャンル]文芸 人文

新哲学対話―ソクラテスならどう考える? [著]飯田隆

新哲学対話―ソクラテスならどう考える? [著]飯田隆

■プラトンの文体、生き生き再現  知る者は知らない者の優位に立つ。知は容易に上下関係を生む。ところが、ソクラテスは無知の人であった。そこは知らない者こそが活躍する場なのだ。  本書は、プラトンの対話篇(へん)を模した四………[もっと読む]

[評者]野矢茂樹(東大教授)
[掲載]2017年12月17日
[ジャンル]人文

皇帝と拳銃と [著]倉知淳

皇帝と拳銃と [著]倉知淳

 ドラマ「刑事コロンボ」のように、犯人が殺人を実行し、探偵役が完璧に見える犯罪計画のミスを暴くのが倒叙ミステリーである。  狡猾(こうかつ)な犯人と死神のような乙姫警部が頭脳戦を繰り広げる本書は、著者初の倒叙ものの連作集………[もっと読む]

[評者]末國善己(文芸評論家)
[掲載]2017年12月17日
[ジャンル]人文

ジェンダー研究を継承する [編]佐藤文香・伊藤るり

ジェンダー研究を継承する [編]佐藤文香・伊藤るり

 女性学やジェンダー研究の草創期を担った21人へのインタビュー集である。  70年代のウーマンリブ体験あり、研究者を志した動機あり。〈わたくしね、リブの人たちには本当に同調してね。素敵(すてき)だと思いました〉と語るのは………[もっと読む]

[評者]斎藤美奈子(文芸評論家)
[掲載]2017年12月17日
[ジャンル]人文 社会

ハーフ・ブリード [著]今福龍太

ハーフ・ブリード [著]今福龍太

■得体の知れぬ混淆の創造力  「ハーフ・ブリード」? 慌てて訳語を充てる前に本そのものに向き合ってみよう。試しにカバーを外してみるのもいい。すると目が吸い込まれるほど深い「赤の本」が姿をあらわす。正しくは赤い本体を持つ………[もっと読む]

[評者]椹木野衣 (美術評論家)
[掲載]2017年12月03日
[ジャンル]人文

新しい分かり方 [著]佐藤雅彦

新しい分かり方 [著]佐藤雅彦

■心地よく見え方をずらされる  とりたてて何も考えずに何かを見ているときでも、見ることのうちに「思考」は入り込んでいる。テーブルの上をぼーっと見ているとき、テーブル、コーヒーカップ、スプーン、そういう意味をもったものと………[もっと読む]

[評者]野矢茂樹(東大教授)
[掲載]2017年11月05日
[ジャンル]人文 科学・生物

経験をリセットする―理論哲学から行為哲学へ [著]河本英夫

経験をリセットする―理論哲学から行為哲学へ [著]河本英夫

■世界と自分を変えるために  かつて河本さんの『オートポイエーシス』という本を読んだことがある。何が書いてあるのかさっぱりわからなかった。でも面白かった。わからないのに面白いとはどういうことかというと、何かものすごく斬………[もっと読む]

[評者]宮田珠己(エッセイスト)
[掲載]2017年11月05日
[ジャンル]人文

新・風景論―哲学的考察 [著]清水真木

新・風景論―哲学的考察 [著]清水真木

■絵のような景色、好きですか  太宰治はいかにもな富士の景色を見て、「風呂屋のペンキ画だ」と軽蔑した。著者はそれに共感し、さらに最近あちこちで見かけるわざとらしい日本風の街並み作り(和風テーマパーク)も批判する。ところ………[もっと読む]

[評者]野矢茂樹(東大教授)
[掲載]2017年10月08日
[ジャンル]人文

巫者のいる日常―津軽のカミサマから都心のスピリチュアルセラピストまで [著]村上晶

巫者のいる日常―津軽のカミサマから都心のスピリチュアルセラピストまで [著]村上晶

■シャーマンの社会的役割を探る  津軽地方に「カミサマ」と呼ばれる巫者(シャーマン)がいる。  青森のシャーマンといえば、死者の口寄せを行うイタコが有名だけれど、「カミサマ」はもっと身近な、都会で言えば占師のような存在………[もっと読む]

[評者]宮田珠己(エッセイスト)
[掲載]2017年10月08日
[ジャンル]人文

親鸞と日本主義 [著]中島岳志

親鸞と日本主義 [著]中島岳志

■なぜ「国体」に取り込まれたのか  親鸞といえば、阿弥陀仏のみを信仰し、その信仰を世俗のいかなる価値よりも上位においたため、師の法然とともに流罪となった人物として知られている。その信仰を徹底させれば、国家主義が強まった………[もっと読む]

[評者]原武史(放送大学教授・政治思想史)
[掲載]2017年10月01日
[ジャンル]人文

「大学改革」という病―学問の自由・財政基盤・競争主義から検証する [著]山口裕之

「大学改革」という病―学問の自由・財政基盤・競争主義から検証する [著]山口裕之

 2004年の国立大学の法人化で、大学への「トップダウン型ガバナンス」導入が図られた。だが、真理を探究する非営利組織としての大学には不適合だと、著者は批判する。  他方、大学の研究教育をめぐる状況は悪化している。大学予算………[もっと読む]

[評者]諸富徹(京都大学教授・経済学)
[掲載]2017年10月01日
[ジャンル]人文

ウォークス―歩くことの精神史 [著]レベッカ・ソルニット

ウォークス―歩くことの精神史 [著]レベッカ・ソルニット

■一歩進めば、わかることがある  この本を読んでいる間、ふだん乗るバスをやめて徒歩にしてみた。ほんの二十分ほどの道にすぎない。  歩くことで気分はかわると、なんとなく経験的にしってはいる。こうして書く文章の調子などもか………[もっと読む]

[評者]円城塔  (作家)
[掲載]2017年09月03日
[ジャンル]人文

里山という物語―環境人文学の対話 [編]結城正美・黒田智

里山という物語―環境人文学の対話 [編]結城正美・黒田智

 今ではふつうに使われている「里山」という語の歴史は実は新しく、バブル崩壊後に盛んに喧伝(けんでん)されるようになったという。  人の手が入った循環する生態系としての里山に、日本の原風景につながる懐かしさを覚えることに疑………[もっと読む]

[評者]佐伯一麦 (作家)
[掲載]2017年09月03日
[ジャンル]人文 ノンフィクション・評伝

バイトやめる学校 [著]山下陽光

バイトやめる学校 [著]山下陽光

■働き方を疑う、誠意ある指南書  「景気がめちゃくちゃ悪くて、世の中で起きることの、ほぼすべて悪い方向に向かっている。そんななかで好きなことで暮らしていくのは難しい。やりたくない仕事をしてはたらきまくって、たまの休みに………[もっと読む]

[評者]宮田珠己(エッセイスト)
[掲載]2017年09月03日
[ジャンル]人文 社会

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