人文

中動態の世界―意志と責任の考古学 [著]國分功一郎

中動態の世界―意志と責任の考古学 [著]國分功一郎

■「する―される」関係からの解放  哲学の本を読む最大の喜びは、それが新しい考え方・見方を示してくれることにある。それによって、いままでの景色が違った見え方をするようになる。新しい世界が開けてくる。  私たちの生活は何………[もっと読む]

[評者]野矢茂樹(東大教授)
[掲載]2017年05月21日
[ジャンル]人文

文化遺産はだれのものか―トルコ・アナトリア諸文明の遺物をめぐる所有と保護 [著]田中英資

文化遺産はだれのものか―トルコ・アナトリア諸文明の遺物をめぐる所有と保護 [著]田中英資

■発掘者は盗人か、議論が渦巻く  ここは文化遺産法廷。  被告席にドイツの考古学者シュリーマンが静かに座っています。  検察側から始まります。  「この者は盗人です。我がトルコ国内にあるトロイの遺跡からドイツへと出土品………[もっと読む]

[評者]山室恭子(東工大教授)
[掲載]2017年05月21日
[ジャンル]人文

写真民俗学―東西の神々 [著]芳賀日出男

写真民俗学―東西の神々 [著]芳賀日出男

 日本と世界を渡り歩き、神と祭礼を撮り続けた写真家芳賀日出男。  彼の集大成ともいえるこの本には、400点以上に及ぶ世界の多様な習俗が収録されている。南洋の仮面や西欧の巨人、獅子踊りに火祭り、サンタクロースなど。その見た………[もっと読む]

[評者]宮田珠己(エッセイスト)
[掲載]2017年05月21日
[ジャンル]人文 アート・ファッション・芸能

殺生と戦争の民俗学―柳田國男と千葉徳爾 [著]大塚英志

殺生と戦争の民俗学―柳田國男と千葉徳爾 [著]大塚英志

■「理科」と「経世済民」で照らす  著者大塚英志はアニメやサブカルチャー論で知られているが、大学では民俗学を千葉徳爾の下で学び、その後もその問題を考えてきた人である。千葉は柳田国男の弟子であった。著者にとって、柳田につ………[もっと読む]

[評者]柄谷行人(哲学者)
[掲載]2017年05月14日
[ジャンル]人文

忘れられた人類学者―エンブリー夫妻が見た<日本の村> [著]田中一彦

忘れられた人類学者―エンブリー夫妻が見た<日本の村> [著]田中一彦

 熊本の小村「須恵」は、日本民俗の研究者にはつとに名高い。エンブリー夫妻による戦前の滞在調査の記録が、世界で唯一の外国人による人類学的な日本研究だったからだ。しかし、夫妻がその後の日本に与えた潜在的な影響の大きさについて………[もっと読む]

[評者]椹木野衣 (美術評論家)
[掲載]2017年05月14日
[ジャンル]歴史 人文

遊戯の起源 遊びと遊戯具はどのようにして生まれたか [著]増川宏一

遊戯の起源 遊びと遊戯具はどのようにして生まれたか [著]増川宏一

■その謎の物体、おもちゃかも  ようこそ〈遊戯の起源〉博物館へ。人類はどんなふうに遊びはじめたのか、当館では興味深い事例を豊富に揃(そろ)えております。  まずは○の部屋へご案内しましょう。人類最古の遊具、ボールです。………[もっと読む]

[評者]山室恭子(東工大教授)
[掲載]2017年05月07日
[ジャンル]人文

冬の日誌 、内面からの報告書 [著]ポール・オースター

冬の日誌 、内面からの報告書 [著]ポール・オースター

■生の痕跡から掘り起こす記憶  現代アメリカ文学の重要な作家ポール・オースターによる回想録的作品が二冊、続けて刊行された。『冬の日誌』は〈肉体と感覚〉をめぐる視点、『内面からの報告書』は〈精神〉をめぐる視点から描かれる………[もっと読む]

[評者]蜂飼耳(詩人・作家)
[掲載]2017年04月30日
[ジャンル]文芸 人文

ちいさい言語学者の冒険-子どもに学ぶことばの秘密 [著]広瀬友紀

ちいさい言語学者の冒険-子どもに学ぶことばの秘密 [著]広瀬友紀

■彼らは規則正しくまちがえる  「これ食べたら死む?」と5歳のK太郎が聞く。大丈夫、と母親。「ホント?死まない?」と涙目のK太郎。かわいい。  言葉を覚え始めたばかりの子どもの好プレー・珍プレーが楽しい——というだけの………[もっと読む]

[評者]野矢茂樹(東大教授)
[掲載]2017年04月30日
[ジャンル]人文

ザップル・レコード興亡記―伝説のビートルズ・レーベルの真実 [著]バリー・マイルズ

ザップル・レコード興亡記―伝説のビートルズ・レーベルの真実 [著]バリー・マイルズ

■失敗した「実験的試み」の大衆化  ビートルズの影に奇妙なレーベルが存在していたことはあまり知られていない。ビートルズが君臨していた1960年代、実験的な音楽を紹介する目的で設立された「ザップル・レコード」である。その………[もっと読む]

[評者]細野晴臣(音楽家)
[掲載]2017年04月23日
[ジャンル]人文

オネイログラフィア―夢、精神分析家、芸術家 [著]ヴィクトル・マージン

オネイログラフィア―夢、精神分析家、芸術家 [著]ヴィクトル・マージン

■自分を取り戻すための「夢記述」  精神分析家であると同時に展覧会のキュレーターであることは、いったいどのようにして可能なのだろう。精神分析は密室のなかで営まれ、展覧会は公共の場所で開かれる。だが、両者を兼ねて活動する………[もっと読む]

[評者]椹木野衣 (美術評論家)
[掲載]2017年04月23日
[ジャンル]人文

日本精神史 自然宗教の逆襲 [著]阿満利麿

日本精神史 自然宗教の逆襲 [著]阿満利麿

■天皇崇拝支える基盤は変わらず  昨年8月8日に発表された現天皇の「おことば」は一部で「第2の人間宣言」と呼ばれた。1946年1月1日の詔書で現御神(あきつみかみ)(現人神〈あらひとがみ〉)であることを否定した昭和天皇………[もっと読む]

[評者]原武史(放送大学教授・政治思想史)
[掲載]2017年04月16日
[ジャンル]人文

哲学しててもいいですか?―文系学部不要論へのささやかな反論 [著]三谷尚澄

哲学しててもいいですか?―文系学部不要論へのささやかな反論 [著]三谷尚澄

■押しつけの鋳型を問い直す    哲学教育が大学から追いやられようとしている。私も哲学の教師として、困ったことだと思っている。だがその「困った」は、タコツボでぬくぬくしていたら出て行けと言われてうろたえているタコのよう………[もっと読む]

[評者]野矢茂樹(東大教授)
[掲載]2017年04月09日
[ジャンル]人文

ローカルブックストアである [著]大井実 本屋、はじめました [著]辻山良雄

ローカルブックストアである [著]大井実 本屋、はじめました [著]辻山良雄

■本と町と人を結ぶきっかけに    この2冊は、町の本屋が消えていく受難の時代に、福岡と東京で小さな本屋を開いた2人の店主がその道のりを振り返った記録だ。  「ブックスキューブリック」の大井実は37歳の時、生まれ故郷の………[もっと読む]

[評者]市田隆(本社編集委員)
[掲載]2017年04月09日
[ジャンル]人文

芸術の言語 [著]ネルソン・グッドマン

芸術の言語 [著]ネルソン・グッドマン

■美学と科学の距離を縮める試み    20世紀の英米を中心とする美学の世界に本書が与えた影響には、衝撃的なものがあった。なにせ、序論から「美学の文献の大半に共通する諸見解を片っ端から否定する」とある。しかも、否定される………[もっと読む]

[評者]椹木野衣 (美術評論家)
[掲載]2017年04月09日
[ジャンル]人文 アート・ファッション・芸能

クラウドガール [著]金原ひとみ/私をくいとめて [著]綿矢りさ

クラウドガール [著]金原ひとみ/私をくいとめて [著]綿矢りさ

■自立を模索する女性たちの今  金原ひとみと綿矢りさが芥川賞を同時受賞したのは2004年。当時、金原は20歳、綿矢は19歳。そして13年。30代になった二人が昨年本紙に連載した小説がこの2作である。  金原ひとみ『クラ………[もっと読む]

[評者]斎藤美奈子 (文芸評論家)
[掲載]2017年04月02日
[ジャンル]人文

ここに掲載されている記事や書評などの情報は、原則的に初出時のものです。

ページトップへ戻る