社会

電力と政治―日本の原子力政策全史(上・下) [著]上川龍之進

電力と政治―日本の原子力政策全史(上・下) [著]上川龍之進

■戦後の「暗黒面」を抉り出す  権力の実態は、マクロな構造を見るだけではとらえきれない。細部に分け入ってはじめて見えてくるものもある。本書は、原発をめぐる権力を分析することを通じて、そこに凝縮されている戦後政治の「暗黒………[もっと読む]

[評者]齋藤純一(早大教授)
[掲載]2018年03月18日
[ジャンル]社会

原発災害と地元コミュニティ―福島県川内村奮闘記 [編]鳥越皓之

原発災害と地元コミュニティ―福島県川内村奮闘記 [編]鳥越皓之

■揺れ動く村の姿、克明な記録  3・11から今日でちょうど七年を迎える。私は2015年から自治体の認可する公益事業の一環で定期的に帰還困難区域に入り記録を行ってきた。ここに来て現地は大きく様変わりしている。居住制限区域………[もっと読む]

[評者]椹木野衣 (美術評論家)
[掲載]2018年03月11日
[ジャンル]社会 ノンフィクション・評伝

津波の霊たち―3・11 死と生の物語 [著]リチャード・ロイド・パリー

津波の霊たち―3・11 死と生の物語 [著]リチャード・ロイド・パリー

■指が止まる現代の「死者の書」  千聖(ちさと)ちゃんが夜中に突然「学校がなくなった!」「大きな地震が来る」と泣きわめいた。あの3月11日の震災前のある夜のことだった。地震が起きるその朝、千聖ちゃんは不機嫌なまま元気が………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2018年03月11日
[ジャンル]社会 ノンフィクション・評伝

ウェルス・マネジャー―富裕層の金庫番 [著]ブルック・ハリントン

ウェルス・マネジャー―富裕層の金庫番 [著]ブルック・ハリントン

■税払わないため、国家との闘争  本書は、著者がなんと2年間を費やして研修プログラムに参加し、「内部者」になり切ってウェルス・マネジャー(WM)という、うかがい知れぬ職能集団の調査を遂行した成果だ。さもなくば彼らに警戒………[もっと読む]

[評者]諸富徹(京都大学教授・経済学)
[掲載]2018年03月11日
[ジャンル]経済 社会

炎と怒り トランプ政権の内幕 [著]マイケル・ウォルフ

炎と怒り トランプ政権の内幕 [著]マイケル・ウォルフ

■生々しい内情に潜む真の危うさ    為政者にとって、メディアに自画像をどう描かせるかは死活的な問題だ。とりわけ、トランプ米大統領は異形の存在である。政策よりも、見栄えが政治そのものだからだ。そのせいか、メディアへの敵………[もっと読む]

[評者]立野純二(本社論説主幹代理)
[掲載]2018年03月04日
[ジャンル]社会 ノンフィクション・評伝

戦争とトラウマ 不可視化された日本兵の戦争神経症 [著]中村江里

戦争とトラウマ 不可視化された日本兵の戦争神経症 [著]中村江里

 戦争神経症に対する研究は、現在も充分(じゅうぶん)に行われていない。戦後の精神医学界でも無視されたテーマであった。本書は、この分野にひそむ問題を整理し、戦争の悲劇は時空を超えて存在すると訴えている。  戦時下では「戦争………[もっと読む]

[評者]保阪正康(ノンフィクション作家)
[掲載]2018年03月04日
[ジャンル]社会 国際

現代語訳 銀行業務改善隻語 [著]一瀬粂吉

現代語訳 銀行業務改善隻語 [著]一瀬粂吉

 昭和2(1927)年の春、預金者が銀行に殺到する取り付け騒ぎが全国で起き、30もの銀行が休業に追い込まれた。  この昭和金融恐慌の混乱冷めやらぬ中、ある銀行幹部が金融業界の先行きを深く憂い、「金融機関経営のあり方や金融………[もっと読む]

[評者]加藤出 (東短リサーチチーフエコノミスト)
[掲載]2018年03月04日
[ジャンル]歴史 社会

ファミリー・ライフ [著]アキール・シャルマ

ファミリー・ライフ [著]アキール・シャルマ

■理不尽な出来事いかに慈しむか    インドのデリーからアメリカへ移住し、新たな生活を始める一家。父と母、兄のビルジュ、弟のアジェ。本書は、少年だったアジェの目から捉えられた家族の日々を、回想的に描く小説だ。ある日、兄………[もっと読む]

[評者]蜂飼耳(詩人・作家)
[掲載]2018年03月04日
[ジャンル]社会 国際

新・日本の階級社会 [著]橋本健二

新・日本の階級社会 [著]橋本健二

■「アンダークラス」生まれ固定化  「階級」をキーワードに、日本社会の格差の現状を、最新の社会調査データに基づいて読み解く書だ。階層ではなく、階級という言葉を用いるのは、(1)資本家(経営者、役員)、(2)新中間階級(………[もっと読む]

[評者]諸富徹(京都大学教授・経済学)
[掲載]2018年02月25日
[ジャンル]社会

共感のレッスン―超情報化社会を生きる [著]植島啓司、伊藤俊治

共感のレッスン―超情報化社会を生きる [著]植島啓司、伊藤俊治

 かつて対談集『ディスコミュニケーション』を刊行した2人の著者による、なんと30年ぶりの「続編」である。時を経て私たちを巡る環境は激変した。だが全く変わっていないものがある。身体だ。もともと前著のタイトルは、新しいコミュ………[もっと読む]

[評者]椹木野衣 (美術評論家)
[掲載]2018年02月11日
[ジャンル]社会

宿命の戦記―笹川陽平、ハンセン病制圧の記録 [著]高山文彦

宿命の戦記―笹川陽平、ハンセン病制圧の記録 [著]高山文彦

 皇室が国内のハンセン病患者に多大な関心を寄せてきたことはよく知られている。だが世界ではいまなおハンセン病が完全に制圧されていないばかりか、差別の構造が依然として残っている。病の根絶と差別撤廃のため精力的な活動を続けてい………[もっと読む]

[評者]原武史(放送大学教授・政治思想史)
[掲載]2018年02月04日
[ジャンル]社会

ルポ川崎 [著]磯部涼

ルポ川崎 [著]磯部涼

■街の陰を追って見えた希望の光  著者が月刊誌の連載で、川崎市南部の元不良少年たちを中心にしたルポルタージュを書くきっかけは、2015年2月に川崎市の多摩川河川敷で中学1年の少年が殺害された事件だった。「川崎の街を舞台………[もっと読む]

[評者]市田隆(本社編集委員)
[掲載]2018年01月28日
[ジャンル]社会

代表の概念 [著]ハンナ・ピトキン

代表の概念 [著]ハンナ・ピトキン

■指導者を支持する理由問われる  「代表」は、政治学が近年活発に論じているテーマの一つである。  例えば「代表される者」がまず存在して彼らが「代表する者」を選ぶのではなく、逆に代表する者が代表される者を構築する。代表者………[もっと読む]

[評者]齋藤純一(早大教授)
[掲載]2018年01月21日
[ジャンル]政治 社会

「家事のしすぎ」が日本を滅ぼす [著]佐光紀子

「家事のしすぎ」が日本を滅ぼす [著]佐光紀子

 日本の男性が家事を分担する割合は世界平均の半分以下である、との耳の痛い指摘が冒頭にある。戦後の高度経済成長を支えた専業主婦願望もいまだに根深く、女性は家事をきちんとこなさなければならない、というプレッシャーが日本社会に………[もっと読む]

[評者]佐伯一麦 (作家)
[掲載]2018年01月21日
[ジャンル]社会

デジタルエコノミーはいかにして道を誤るか―労働力余剰と人類の富 [著]ライアン・エイヴェント

デジタルエコノミーはいかにして道を誤るか―労働力余剰と人類の富 [著]ライアン・エイヴェント

■産業革命と比べながら考える  IT(情報技術)の進展によるデジタル革命は多くの人々を失業させ、激しい格差社会を招くのではないか?という悲観論が近年、世界的に高まっている。  一方でIT業界に多い楽観主義者は、技術の進………[もっと読む]

[評者]加藤出 (東短リサーチチーフエコノミスト)
[掲載]2018年01月14日
[ジャンル]社会

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