社会

われらの子ども―米国における機会格差の拡大 [著]ロバート・D・パットナム

われらの子ども―米国における機会格差の拡大 [著]ロバート・D・パットナム

■公正に才能生かすため探求迫る  「二つのアメリカ」への分断。本書が克明に描き出すのは、アメリカン・ドリームが過去のものとなりつつある現状である。  「二つの」社会階級は、親が大卒か高卒かで分けられる。本書の魅力は、そ………[もっと読む]

[評者]齋藤純一(早大教授)
[掲載]2017年04月23日
[ジャンル]歴史 社会

海と生きる作法 漁師から学ぶ災害観 [著]川島秀一

海と生きる作法 漁師から学ぶ災害観 [著]川島秀一

■恵みと災い、両面受けいれ共生  三陸の気仙沼市出身の民俗学者である著者は、東日本大震災による津波で実家が流失し、母を亡くした。気仙沼は生鮮カツオの水揚げ日本一を誇る港町で、震災の年も宮崎や高知、三重などの漁船が来港し………[もっと読む]

[評者]佐伯一麦 (作家)
[掲載]2017年04月02日
[ジャンル]社会

鯨を生きる 鯨人の個人史・鯨食の同時代史 [著]赤嶺淳

鯨を生きる 鯨人の個人史・鯨食の同時代史 [著]赤嶺淳

■語り部6人から湧き出づる愛  吾輩(わがはい)はシロナガスクジラである。何でも薄暗い所で人間どもにひどく追い回された記憶がある。あとで聞くとそれは、ヤマト民族という、人間中で一番獰悪(どうあく)な種族であったそうだ。………[もっと読む]

[評者]山室恭子(東工大教授)
[掲載]2017年04月02日
[ジャンル]社会

青年の主張 まなざしのメディア史 [著]佐藤卓己

青年の主張 まなざしのメディア史 [著]佐藤卓己

 60年安保闘争や学園紛争など、若年層が注目を集めた事件は少なくない。それらをつなげた戦後史の「語り」も依然として流布している。しかし、表層的な事件を追っているだけでは、戦後史の実像に迫ったことにならない。  著者が注目………[もっと読む]

[評者]原武史(放送大学教授・政治思想史)
[掲載]2017年04月02日
[ジャンル]社会

「三陸津波」と集落再編―ポスト近代復興に向けて [著]岡村健太郎

「三陸津波」と集落再編―ポスト近代復興に向けて [著]岡村健太郎

■「理想村」に学ぶ未来への発想  3・11の衝撃によって日本は大きく変わると思われていた。が、結局、従前のシステムは変わらず、縦割り行政によらない、統合された街の計画やコミュニティーがつくられるよりも、巨大な防潮堤ばか………[もっと読む]

[評者]五十嵐太郎(建築批評家・東北大学教授)
[掲載]2017年03月26日
[ジャンル]社会

ポピュリズムとは何か―民主主義の敵か、改革の希望か [著]水島治郎

ポピュリズムとは何か―民主主義の敵か、改革の希望か [著]水島治郎

■世界で同時並行する現象を分析  政治学の世界というのは細かな分業から成り立っている。政治史の分野だけでも欧州や米国、日本などに分かれ、さらに欧州の中で英国やフランス、ドイツなどに分かれる。各国の専門家はひたすら史料に………[もっと読む]

[評者]原武史(放送大学教授・政治思想史)
[掲載]2017年03月19日
[ジャンル]政治 社会

自分とは違った人たちとどう向き合うか―難民問題から考える [著]ジグムント・バウマン

自分とは違った人たちとどう向き合うか―難民問題から考える [著]ジグムント・バウマン

■排斥する側の論理と心理を分析  欧米を中心に広がる移民や難民の排斥。その背後にあるものを、グローバル化に伴う近代の「液状化」(リキッド・モダニティ)論で知られる社会学者が晩年の著でえぐり出す。  根底にあるのは「業績………[もっと読む]

[評者]杉田敦(政治学者・法政大学教授)
[掲載]2017年03月12日
[ジャンル]政治 社会

シリア難民―人類に突きつけられた21世紀最悪の難問 [著]パトリック・キングズレー

シリア難民―人類に突きつけられた21世紀最悪の難問 [著]パトリック・キングズレー

 「人道の危機」が「政治の危機」にすり替えられていないか。大戦後最大の難民問題がいつの間にか、欧米の政治異変として語られている。難民排斥を叫ぶ政治家が報道の主役を占め、当の難民の姿が見えない。  シリアだけで450万人超………[もっと読む]

[評者]立野純二(本社論説主幹代理)
[掲載]2017年03月12日
[ジャンル]政治 社会

複数性のエコロジー―人間ならざるものの環境哲学 [著]篠原雅武

複数性のエコロジー―人間ならざるものの環境哲学 [著]篠原雅武

■「技術で解決」からの革命的転換  最近、現代思想関係者の間でティモシー・モートンの名を聞くようになった。邦訳書がまだない中で刊行された本書は、著者が自分の経験に照らし合わせてモートン思想の読解を試みたユニークな一冊だ………[もっと読む]

[評者]武田徹(評論家・ジャーナリスト)
[掲載]2017年03月05日
[ジャンル]社会

復興キュレーション―語りのオーナーシップで作り伝える“くじらまち” [著]加藤幸治

復興キュレーション―語りのオーナーシップで作り伝える“くじらまち” [著]加藤幸治

 膨大な犠牲者と建物の凄(すさ)まじい破壊が目立つために忘れられがちだが、3・11は地域の文化に多大な被害をもたらした。本書は文化被災の状況に対し、仙台に暮らす民俗学の研究者・学芸員が、ゼミ生らととりくんだ活動の記録だ。………[もっと読む]

[評者]五十嵐太郎(建築批評家・東北大学教授)
[掲載]2017年03月05日
[ジャンル]社会

皇族と天皇 [著]浅見雅男

皇族と天皇 [著]浅見雅男

 室町から江戸期に成立した四親王家(ししんのうけ)(伏見、桂、有栖川、閑院)に加え、王政復古と前後して、六宮家(中川、山階、東伏見、華頂、北白川、梨本)が誕生した。慶応4年の太政官布告では、四親王家以外の宮家は一代限りと………[もっと読む]

[評者]保阪正康(ノンフィクション作家)
[掲載]2017年03月05日
[ジャンル]歴史 経済 社会

ヤズディの祈り [著]林典子

ヤズディの祈り [著]林典子

■未知の対象、想像する力鍛える  「ヤズディ」が何かを大方の人は知らないと思う。イラク北西部にいる少数民族で、独自の信仰と伝統を継承している。私も本書を読むまで知らなかったが、二〇一四年夏、彼らの村々はダーシュ(過激派………[もっと読む]

[評者]大竹昭子(作家)
[掲載]2017年03月05日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能 社会

国家と石綿―ルポ・アスベスト被害者「息ほしき人々」の闘い [著]永尾俊彦

国家と石綿―ルポ・アスベスト被害者「息ほしき人々」の闘い [著]永尾俊彦

■危険から抜け出せなかった構造  断熱材などに用いられ、近代工業を支えた石綿製品。国は戦前から大阪・泉南地域の石綿工場で深刻な健康被害が発生していることを把握しながら有効な対策をとらなかったという。その被害者は「貧しく………[もっと読む]

[評者]市田隆(本社編集委員)
[掲載]2017年02月26日
[ジャンル]歴史 社会

地方自治と図書館―「知の地域づくり」を地域再生の切り札に [著]片山善博・糸賀雅児

地方自治と図書館―「知の地域づくり」を地域再生の切り札に [著]片山善博・糸賀雅児

 「知識社会」時代における図書館の意義を、改めて考えさせる良書。片山は鳥取県知事時代に県庁内に図書室を創設し、優秀な司書の助けで内外の政策情報を効果的に集め、政策判断に生かせたという。だが多くの自治体では、議員も自治体職………[もっと読む]

[評者]諸富徹(京都大学教授・経済学)
[掲載]2017年02月26日
[ジャンル]社会

絶滅の地球誌 [著]澤野雅樹

絶滅の地球誌 [著]澤野雅樹

 絶滅の到来を人類は早めるか、遅らせられるか。それが本書のテーマだ。  大規模噴火でCO2が増えて多くの生物種が絶滅した太古の歴史を紹介しつつ著者はCO2を大量放出する現代文明の行く末をまず予想してみせる。とはいえ化石燃………[もっと読む]

[評者]武田徹(評論家・ジャーナリスト)
[掲載]2017年02月12日
[ジャンル]社会

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