ノンフィクション・評伝

告白―あるPKO隊員の死・23年目の真実 [著]旗手啓介

告白―あるPKO隊員の死・23年目の真実 [著]旗手啓介

■矛盾に満ちた過酷な現場に迫る  カンボジアのPKO(国連平和維持活動)に日本文民警察隊として派遣された岡山県警の高田晴行警部補(当時)が1993年に武装勢力の銃撃で死亡した事件を中心に、NHKの番組スタッフがこのPK………[もっと読む]

[評者]市田隆(本社編集委員)
[掲載]2018年02月18日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

深読み日本文学 [著]島田雅彦

深読み日本文学 [著]島田雅彦

 島田雅彦先生は突飛(とっぴ)な先生だ。文学を語るのにホモ・サピエンスだけが獲得した言語能力の話からはじめ、昨今の政治家や官僚の不誠実きわまりない態度を例に〈そうしたエセ文学的な「言葉の悪用」をする人たちを批判するのが、………[もっと読む]

[評者]斎藤美奈子 (文芸評論家)
[掲載]2018年02月04日
[ジャンル]文芸 ノンフィクション・評伝

インパール作戦従軍記―葦平「従軍手帖」全文翻刻 [著]火野葦平

インパール作戦従軍記―葦平「従軍手帖」全文翻刻 [著]火野葦平

■実相に極限まで迫る作家の執念  小津安二郎の映画「麦秋」を初めて見たとき、なぜ「麦」なのか考えなかった。内容は小津映画の典型で、婚期を逃した長女(原節子)を抱える家の顛末(てんまつ)が淡々と描かれる。だが、これは戦争………[もっと読む]

[評者]椹木野衣 (美術評論家)
[掲載]2018年01月28日
[ジャンル]歴史 ノンフィクション・評伝

仙人と呼ばれた男―画家・熊谷守一の生涯 [著]田村祥蔵

仙人と呼ばれた男―画家・熊谷守一の生涯 [著]田村祥蔵

■争わず、自分を曲げずに生きる  仙人と呼ばれた画家熊谷守一(くまがいもりかず)の評伝。  熊谷といえば、太い輪郭線のある素朴な画風で知られるが、そうした絵が描けるようになるまでは、長く貧しい生活が続いた。若いころから………[もっと読む]

[評者]宮田珠己(エッセイスト)
[掲載]2018年01月21日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

煉獄と地獄―ヨーロッパ中世文学と一般信徒の死生観 [著]松田隆美

煉獄と地獄―ヨーロッパ中世文学と一般信徒の死生観 [著]松田隆美

■死者の運命を決める待合場所  人は死後、どこへ行くのか、どこだっていいじゃないか、死んだら無さ、いいえ、霊魂になって天国か地獄のどちらかじゃないの?  中世ヨーロッパ文学で、死後の実相が詳細に描かれた『トゥヌクダルス………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2018年01月14日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

のこった―もう、相撲ファンを引退しない [著]星野智幸

のこった―もう、相撲ファンを引退しない [著]星野智幸

■力士の見事な技にこそ拍手を  かつて、琉王という沖縄出身の力士がいた。1972年の沖縄返還後もしこ名を改めず、琉球の王を自称し続けた。幕内の下位にいながら、ハワイ出身の高見山とともに、「日本人」で占められた角界に敢然………[もっと読む]

[評者]原武史(放送大学教授・政治思想史)
[掲載]2018年01月14日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

私がアルビノについて調べ考えて書いた本―当事者から始める社会学 [著]矢吹康夫

私がアルビノについて調べ考えて書いた本―当事者から始める社会学 [著]矢吹康夫

■マイナーな語り、多様な受け皿  昨年、大阪の高校で、生まれつき茶色い髪の黒染めを教諭らから何度も強要されたとして、在校の女子生徒が健康被害と精神的な苦痛から訴訟を起こしたのは記憶に新しい。なぜ、そこまでして黒い髪を優………[もっと読む]

[評者]椹木野衣 (美術評論家)
[掲載]2018年01月07日
[ジャンル]社会 ノンフィクション・評伝

レッド・プラトーン―14時間の死闘 [著]クリントン・ロメシャ

レッド・プラトーン―14時間の死闘 [著]クリントン・ロメシャ

■極限状態の兵士の行動を克明に  アフガン戦争で窮地に追い込まれた米陸軍の小隊(プラトーン)元兵士がつづる戦記ノンフィクション。「戦闘をくぐり抜けたものはだれでも、戦いの恐ろしさを言葉では伝えることができないと知ってい………[もっと読む]

[評者]市田隆(本社編集委員)
[掲載]2017年12月10日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

エッジィな男 ムッシュかまやつ [著]サエキけんぞう、中村俊夫

エッジィな男 ムッシュかまやつ [著]サエキけんぞう、中村俊夫

■B級ミュージシャン貫いた才人  昭和と平成を駆け抜けた「ムッシュ」こと釜萢(かまやつ)弘は今年3月に78歳で他界した。僕にとっては唯一無二の「先輩」ロックミュージシャンであり、日本の芸能界に居座らず、自称「バンドマン………[もっと読む]

[評者]細野晴臣(音楽家)
[掲載]2017年12月10日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能 ノンフィクション・評伝

PANA通信社と戦後日本―汎アジア・メディアを創ったジャーナリストたち [著]岩間優希

PANA通信社と戦後日本―汎アジア・メディアを創ったジャーナリストたち [著]岩間優希

■浮かび上がる、アジア像の乖離  東アジア、南アジア、イスラムが併存するアジアを一つにまとめるのは極めて困難であり、現実的な道は経済での統合だ——。  シンガポール建国の父、リー・クアンユーは生前、そう語った。アジアを………[もっと読む]

[評者]立野純二(本社論説主幹代理)
[掲載]2017年12月03日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

学童集団疎開―受入れ地域から考える [著]一條三子

学童集団疎開―受入れ地域から考える [著]一條三子

 「学童疎開促進要綱」が閣議決定されたのは1944年6月、縁故疎開を原則としつつ帝都の児童(3年生以上)は集団疎開させる内容だ。もともと消極的な軍部もサイパン陥落で本土空襲が想定されるとそうは言っておられなくなった。  ………[もっと読む]

[評者]保阪正康(ノンフィクション作家)
[掲載]2017年12月03日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

日本神話はいかに描かれてきたか―近代国家が求めたイメージ [著]及川智早

日本神話はいかに描かれてきたか―近代国家が求めたイメージ [著]及川智早

 『古事記』『日本書紀』などの日本神話や古代説話が、近代においてどのように受容されたかを、雑誌の口絵・挿絵、絵葉書や双六(すごろく)、薬の包み紙などに見られる図像の数々から探る。  研究史的には不毛とされてきた戦前期。し………[もっと読む]

[評者]蜂飼耳(詩人・作家)
[掲載]2017年12月03日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

ゴッホの耳―天才画家 最大の謎 [著]バーナデット・マーフィー

ゴッホの耳―天才画家 最大の謎 [著]バーナデット・マーフィー

■素人探偵の異常な骨折り損?  時間を持て余しているひとりの退屈な暇人が、たまたまゴッホが住んでいたアルルに近い土地の住人であるという理由だけで、ゴッホの絵をあまり見たことも関心もないというのに、あの有名なゴッホの耳切………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2017年11月19日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

他人の始まり 因果の終わり [著]ECD

他人の始まり 因果の終わり [著]ECD

 作者はラッパー。書き下ろしは10年ぶり。「アル中」体験を題材にした前作同様、過酷な状況を他人事(ひとごと)のように突き放す。  だが「なんとなくボンヤリと家族のありさまを書いてみよう」と書き始めたエッセイは、警察からの………[もっと読む]

[評者]椹木野衣 (美術評論家)
[掲載]2017年11月19日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

高倉健―七つの顔を隠し続けた男 [著]森功

高倉健―七つの顔を隠し続けた男 [著]森功

■虚像と実像が刺し違える危うさ  「健さん」の愛称で親しまれた高倉健が逝って3回目の命日(11月10日)が5日後にやってくる。  1960年代の東映任侠(にんきょう)映画の「日本侠客伝」第一作から遺作「あなたへ」までの………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2017年11月05日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能 ノンフィクション・評伝

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