人文

チャップリンとヒトラー—メディアとイメージの世界大戦 [著]大野裕之

チャップリンとヒトラー—メディアとイメージの世界大戦 [著]大野裕之

■笑いと全体主義の攻防、今なお  映画を通じて世界に笑いを届けた喜劇王のチャップリン。一方、全体主義によって世界を恐怖に巻き込んだ政治家のヒトラー。2人は1889年にわずか4日違いで生まれ、ともにチョビ髭(ひげ)がトレ………[もっと読む]

[評者]五十嵐太郎(建築批評家・東北大学教授)
[掲載]2015年08月09日
[ジャンル]人文 社会

戦場カメラマン—沢田教一の眼 [撮影]沢田教一 [編集]斉藤光政 [協力]沢田サタ

戦場カメラマン—沢田教一の眼 [撮影]沢田教一 [編集]斉藤光政 [協力]沢田サタ

■「戦争とは」「生とは」を凝視  私は「写真を見る」作法を知らない。だが、ずぶの素人である私が見ても、この本に収められた写真の名状しがたい「すごさ」は分かる気がする。そこには、ぎりぎりまで研ぎ澄まされた「生のすがた」が………[もっと読む]

[評者]本郷和人(東京大学教授・日本中世史)
[掲載]2015年08月09日
[ジャンル]人文 社会

文学の空気のあるところ [著]荒川洋治

文学の空気のあるところ [著]荒川洋治

■人間性に係わる実学を見渡す  「文学は実学だ」と現代詩作家の荒川洋治は繰り返し強調する。人間性に係(かか)わり、人間をつくるものという意味で虚学ではない、と。けれど、それを「必要以上に軽んじようとしている空気がある」………[もっと読む]

[評者]蜂飼耳(詩人・作家)
[掲載]2015年08月02日
[ジャンル]人文

アメリカ文化外交と日本 冷戦期の文化と人の交流 [著]藤田文子

アメリカ文化外交と日本 冷戦期の文化と人の交流 [著]藤田文子

■差異を超えた交流の場を提供  「情報戦」の一環としての米国の対外文化広報は冷戦期に再び活発化する。日本でも各地にアメリカ文化センターが作られ、反共意識の醸成等、占領中の政策を引き継いだ。著者はこうした活動を総合的に調………[もっと読む]

[評者]武田徹(評論家・ジャーナリスト)
[掲載]2015年08月02日
[ジャンル]歴史 人文

悪声 [著]いしいしんじ

悪声 [著]いしいしんじ

 声や音、そして「うた」。意味を超え記憶を揺さぶる空気の振動を、著者は豊かな表現で言葉にする。読者をのみ込まんとするイメージの奔流。  廃寺に繁茂するコケの上に置かれた赤ん坊「なにか」。泣き声を聞いた人は、精緻(せいち)………[もっと読む]

[掲載]2015年07月26日
[ジャンル]人文

雨の裾 [著]古井由吉

雨の裾 [著]古井由吉

■老いの時間に渦巻く死と官能  古井由吉はこれまでも、夢と現(うつつ)の境、過去と現在の境を踏みこえる小説を書いてきた。その世界は、揺らぐ幻の像と確固とした質感を併せ持ち、独自の展開を見せる。『雨の裾』はいよいよ極まろ………[もっと読む]

[評者]蜂飼耳(詩人・作家)
[掲載]2015年07月19日
[ジャンル]人文

トットひとり [著]黒柳徹子

トットひとり [著]黒柳徹子

■「もっと自由に」現代へのエール  生きるテレビ史、黒柳徹子。テレビ放送がはじまった時代。伝説的な音楽番組、クイズ番組、ニュース番組、トーク番組の舞台裏。俳優たちや作家たちとの交流。その風景を生き証人として語れる人は他………[もっと読む]

[評者]荻上チキ(「シノドス」編集長・評論家)
[掲載]2015年07月19日
[ジャンル]人文

格闘者—前田日明の時代(1) [著]塩澤幸登

格闘者—前田日明の時代(1) [著]塩澤幸登

 危険な匂いのするプロレスラー、格闘家の一代記は全3巻。「青雲立志篇」と名付けられた本書では20代半ばまでが描かれる。大阪の在日家庭に生まれた前田。両親の離婚に遭い、同居した父から見捨てられ、半ばだまされるようにプロレス………[もっと読む]

[掲載]2015年07月19日
[ジャンル]人文

寺院消滅―失われる「地方」と「宗教」』 [著]鵜飼秀徳

寺院消滅―失われる「地方」と「宗教」』 [著]鵜飼秀徳

■25年後に35%減!? 実情率直に  若年女性の減少や、都市への人口流出を理由として2040年までに消滅する可能性のある都市(市区町村)のことを消滅可能性都市といい、その数は896になる。  都道府県(福島県をのぞく………[もっと読む]

[評者]本郷和人(東京大学教授・日本中世史)
[掲載]2015年07月12日
[ジャンル]政治 人文 社会

国体論はなぜ生まれたか―明治国家の知の地形図 [著] 米原謙

国体論はなぜ生まれたか―明治国家の知の地形図 [著] 米原謙

■近代の鬼門、今を議論する礎に  国体は近代日本史研究の鬼門だ。言論や政局を支配する強力な理念だったが、その内実が捉え難かったからだ。  本書はそんな「国体」の成立過程を辿(たど)る。その語を初めに用いたのは対外関係の………[もっと読む]

[評者]武田徹(評論家・ジャーナリスト)
[掲載]2015年07月12日
[ジャンル]歴史 人文

愛猿奇縁—猿まわし復活の旅 [著]村崎修二

愛猿奇縁—猿まわし復活の旅 [著]村崎修二

 1960年代末にほぼ消えた猿まわし。その復活を中心で担った村崎修二さんが、出会った人々との対談を軸にまとめた。70年、山口県に村崎さんを訪ね、復活のきっかけをつくった小沢昭一さんらとの座談もある。宮本常一、司馬遼太郎、………[もっと読む]

[掲載]2015年06月21日
[ジャンル]人文

ロッパ日記代わり—手当り次第 [著]古川緑波

ロッパ日記代わり—手当り次第 [著]古川緑波

■喜劇人の柔らかく鋭い批評眼  表紙のカバーを取ると、そこに古川緑波(ロッパ)が書いたのだろう生原稿が印刷されている。四百字詰めの原稿用紙だ。筆者はディレッタントであることを誇らしげに書く。ディレッタントは、「好事家」………[もっと読む]

[評者]宮沢章夫(劇作家・演出家)
[掲載]2015年06月21日
[ジャンル]人文 ノンフィクション・評伝

困難な選択(上・下) [著]ヒラリー・ロダム・クリントン

困難な選択(上・下) [著]ヒラリー・ロダム・クリントン

■女性初の米大統領? 実績と自信  来年秋の米国大統領選に再び立候補するヒラリー・クリントン氏(67)の回顧録である。弁護士、ファーストレディー、上院議員、そしてオバマ政権の一期目で外交・安全保障の要となる国務長官を務………[もっと読む]

[評者]吉岡桂子(本社編集委員)
[掲載]2015年06月21日
[ジャンル]人文 ノンフィクション・評伝

漫画編集者[著] 木村俊介

漫画編集者[著] 木村俊介

 ふみふみこ、平本アキラ、ゆうきまさみ、枢(とぼそ)やな、松本大洋らのマンガを世に送り出す5人の編集者のインタビュー集。多くの人にときめきを与え、時に独り苦悩を抱える職業人の姿が、生々しく削り出されていく。例えば『黒執事………[もっと読む]

[掲載]2015年06月14日
[ジャンル]人文

境界を越えて [著]C・L・R・ジェームズ

境界を越えて [著]C・L・R・ジェームズ

■クリケットで語る植民地の精神  『ブラック・ジャコバン——トゥサン=ルヴェルチュールとハイチ革命』の著者として知られるジェームズの故郷は、カリブ海のイギリス植民地、西インド諸島のトリニダード島。家の窓からはクリケット………[もっと読む]

[評者]中村和恵(詩人・明治大学教授・比較文学)
[掲載]2015年06月07日
[ジャンル]文芸 人文 ノンフィクション・評伝

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