社会

僕の違和感(上・下) [著]オルハン・パムク

僕の違和感(上・下) [著]オルハン・パムク

■イスタンブル、路地裏の人生  海外旅行の前には、その土地の作家の小説を読むといい。そこに生きる人たちの感覚がわかるから。イスタンブルに行くならパムクを読むことは欠かせない。本書を読みながら、私は主人公と一緒になって、………[もっと読む]

[評者]星野智幸(小説家)
[掲載]2016年06月05日
[ジャンル]文芸 社会

核の世紀―日本原子力開発史 [編]小路田泰直、岡田知弘、住友陽文、田中希生

核の世紀―日本原子力開発史 [編]小路田泰直、岡田知弘、住友陽文、田中希生

■歴史を踏まえ、建設的議論へ  「三・一一の後、多くの政治勢力が『脱原発』を叫び、主張のラディカルさを競った。しかし結局は原発再稼動を使命として登場した安倍内閣に勝つことができなかった」  厳しいが、的確な現状認識が巻………[もっと読む]

[評者]武田徹(評論家・ジャーナリスト)
[掲載]2016年06月05日
[ジャンル]科学・生物 社会

核の脅威―原子力時代についての徹底的考察 [著]ギュンター・アンダース

核の脅威―原子力時代についての徹底的考察 [著]ギュンター・アンダース

■制御できない力に直面する人類  広島への原爆投下の瞬間、人類は「原子力時代」に入った。われわれは「自らの手で自分自身を抹殺」できる点で「全能」となったが、力を制御できない点で決定的に無力である。  フッサール、ハイデ………[もっと読む]

[評者]杉田敦(政治学者・法政大学教授)
[掲載]2016年06月05日
[ジャンル]科学・生物 社会

コンサートという文化装置―交響曲とオペラのヨーロッパ近代 [著]宮本直美

コンサートという文化装置―交響曲とオペラのヨーロッパ近代 [著]宮本直美

■神聖化と固定化、背景をたどる  正直、小中学校のとき音楽の授業は苦痛だった。楽聖たちの肖像画が掲げられた教室で、教養として詰め込まれる知識、沈黙して鑑賞させられる名曲は楽しくなかった。現在、クラシックコンサートの主役………[もっと読む]

[評者]五十嵐太郎(建築批評家・東北大学教授)
[掲載]2016年06月05日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能 社会

2020年の中国―「新常態」がもたらす変化と事業機会 [編著]此本臣吾、松野豊、川嶋一郎

2020年の中国―「新常態」がもたらす変化と事業機会 [編著]此本臣吾、松野豊、川嶋一郎

 日本の書店では、中国経済の崩壊を告げる本が大量に平積みされている。これは、欧米の書店では見られない独特の光景である。  本書の冒頭に、在中国日系企業の多くの経営者が、中国の見方に関する「日本本社との温度差」に苦慮してい………[もっと読む]

[評者]加藤出
[掲載]2016年06月05日
[ジャンル]経済 社会

3.11 震災は日本を変えたのか [著]リチャード・J・サミュエルズ

3.11 震災は日本を変えたのか [著]リチャード・J・サミュエルズ

■「現状維持」で良いはずがない  3・11は日本をほとんど変えなかった——これが著者の結論である。  希代の日本ウォッチャーが、日英両語の膨大な資料を渉猟し、国防、エネルギー政策、地方自治の三領域について、透徹した分析………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2016年05月29日
[ジャンル]社会 ノンフィクション・評伝

共通文化にむけて 文化研究1/想像力の時制 文化研究2 [著]レイモンド・ウィリアムズ

共通文化にむけて 文化研究1/想像力の時制 文化研究2 [著]レイモンド・ウィリアムズ

 文化に潜む政治性を論じる「カルチュラルスタディーズ」。『ニューレフト』誌を舞台にその研究の道を開いたフロントランナーの論考を日本で独自編集した。コミュニケーションや自然環境の議論と、ユートピアや都市を巡る考察などを2巻………[もっと読む]

[評者]武田徹(評論家・ジャーナリスト)
[掲載]2016年05月29日
[ジャンル]人文 社会

真実―私は「捏造記者」ではない [著]植村隆

真実―私は「捏造記者」ではない [著]植村隆

■幾重にも浮かぶこの社会の病理  従軍慰安婦問題の本質は2点ある。その1は、「軍隊と性」で、古代ローマ以来、性病によって軍隊が機能しなくなることへの懸念である。その2は、20世紀の軍隊と性は、それぞれの国の政治体制によ………[もっと読む]

[評者]保阪正康(ノンフィクション作家)
[掲載]2016年05月22日
[ジャンル]政治 社会

ジャッカ・ドフニ―海の記憶の物語 [著]津島佑子

ジャッカ・ドフニ―海の記憶の物語 [著]津島佑子

■繰り返す迫害への静かな怒り  文学とは、つらい現実から逃避する場ではなく、そんな現実と戦う現場であり、読み手にその力をもたらすものだと教えてくれた作家が、津島佑子だった。遺作の本書も、強靱(きょうじん)な力を与えてく………[もっと読む]

[評者]星野智幸(小説家)
[掲載]2016年05月15日
[ジャンル]文芸 社会

地球を「売り物」にする人たち―異常気象がもたらす不都合な「現実」 [著]マッケンジー・ファンク

地球を「売り物」にする人たち―異常気象がもたらす不都合な「現実」 [著]マッケンジー・ファンク

■議論を尻目にビジネスは進む  地球環境についての話題はとてもデリケートで、つい感情的になりがちだ。  温暖化の進行自体が否定されることは少なくなってきているが、それが人間の活動に起因するのかどうかの議論はまだまだ活発………[もっと読む]

[評者]円城塔  (作家)
[掲載]2016年05月15日
[ジャンル]社会

インド独立の志士「朝子」 [著]笠井亮平

インド独立の志士「朝子」 [著]笠井亮平

■二つの故郷、手放さず生きる  「涼しい風がそよそよと吹く頃となりました。其(そ)の後如何(いかが)で御座いますか」「ときどきはどうしてこんな見知らぬ(自分の国ながら)所へ来たかと思って淋(さび)しく思い、また思い直し………[もっと読む]

[評者]中村和恵(詩人・明治大学教授・比較文学)
[掲載]2016年05月15日
[ジャンル]歴史 社会

支配する人道主義―植民地統治から平和構築まで [著]五十嵐元道

支配する人道主義―植民地統治から平和構築まで [著]五十嵐元道

■「救う」側に潜む危険な暴力性  人道主義とは尊いもの。多くが信じて疑わない観念の図式を本書は敢(あ)えて批評的検証の俎上(そじょう)に載せる。  注目されるのはトラスティーシップという概念だ。それは非文明圏の混乱や貧………[もっと読む]

[評者]武田徹(評論家・ジャーナリスト)
[掲載]2016年05月15日
[ジャンル]社会

中央銀行が終わる日―ビットコインと通貨の未来 [著]岩村充

中央銀行が終わる日―ビットコインと通貨の未来 [著]岩村充

■「将来の豊かさ」前借りには限界  世界の金融市場参加者の間で、先進国の中央銀行が近年実施してきた大規模な金融緩和策への失望が急速に広がっている。景気刺激効果の限界が露(あらわ)になってきたためだ。  インターネット空………[もっと読む]

[評者]加藤出
[掲載]2016年05月15日
[ジャンル]経済 社会

偶有性操縦法―何が新国立競技場問題を迷走させたのか [著]磯崎新

偶有性操縦法―何が新国立競技場問題を迷走させたのか [著]磯崎新

■筋の通らぬ国に怒りと提言  ザハ・ハディドの急死を受けて、磯崎新は「〈建築〉が暗殺された。……悲報を聞いて、私は憤っている。……あらたに戦争を準備しているこの国の政府は、ザハ・ハディドのイメージを五輪誘致の切り札に利………[もっと読む]

[評者]五十嵐太郎(建築批評家・東北大学教授)
[掲載]2016年05月08日
[ジャンル]社会

村に火をつけ、白痴になれ―伊藤野枝伝 [著]栗原康

村に火をつけ、白痴になれ―伊藤野枝伝 [著]栗原康

■体当たりで描く「汚名上等」  漫画か劇画みたいな評伝である。なんたって、表題が『村に火をつけ、白痴になれ』ですからね。  評伝の人物は、あの伊藤野枝(1895~1923)。平塚らいてうの後を継ぐ『青鞜』の二代目編集長………[もっと読む]

[評者]斎藤美奈子(文芸評論家)
[掲載]2016年05月08日
[ジャンル]社会 ノンフィクション・評伝

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