文芸

岡村昭彦と死の思想―「いのち」を語り継ぐ場としてのホスピス [著]高草木光一

岡村昭彦と死の思想―「いのち」を語り継ぐ場としてのホスピス [著]高草木光一

■「破天荒な生」から死を考える  岡村昭彦は1960年代、「ライフ」誌を舞台にベトナム戦争報道でデビューし、70年代も報道写真家、80年代以降はバイオエシックスとホスピスの探求者として、歴史に名を残している。その死から………[もっと読む]

[評者]保阪正康(ノンフィクション作家)
[掲載]2016年03月20日
[ジャンル]文芸

鳥打ちも夜更けには [著]金子薫

鳥打ちも夜更けには [著]金子薫

 自らの町が「架空の港町」と呼ばれることをすこぶる気に入っている住民たちの中で、生きる意味を見いだそうとしてしまった青年のてんまつを描く。「架空の」住民にとって人生は絵空事。表情はどこか上の空。しかし、蝶と花畑の「楽園」………[もっと読む]

[掲載]2016年03月20日
[ジャンル]文芸

やがて海へと届く [著]彩瀬まる

やがて海へと届く [著]彩瀬まる

 「信じるとは、なんだろう」。自分や他者の死に真正面から向き合い葛藤する登場人物の心情に引き込まれる。  震災の前日、ふらりと出かけたきり行方不明になった親友すみれ。彼女に思いを寄せ続ける真奈は、すみれの母やかつての恋人………[もっと読む]

[掲載]2016年03月20日
[ジャンル]文芸

たんぽぽ団地 [著]重松清

たんぽぽ団地 [著]重松清

■時空を超える不思議な一体感  児童文学作家の古田足日(たるひ)は1972年に『ぼくらは機関車太陽号』を出版した。「赤旗日曜版」に掲載されたこの物語は、学校行事について自ら考え行動する団地の小学生たちを主人公とし、彼ら………[もっと読む]

[評者]原武史(放送大学教授・政治思想史)
[掲載]2016年03月20日
[ジャンル]文芸

獅子吼(ししく) [著]浅田次郎

獅子吼(ししく) [著]浅田次郎

■過ぎ去った時代の哀切な余韻  ■過ぎ去った時代の哀切な余韻  人情味豊かな著者の最新短編集。高度成長期の若者、戦時の兵士が、それぞれの時代の中で生きる姿には、ほのかな光を帯びた、確かな存在感がある。著者の練達の文章に………[もっと読む]

[評者]市田隆(本社編集委員)
[掲載]2016年03月20日
[ジャンル]文芸

かなわない [著]植本一子

かなわない [著]植本一子

■不器用な生き方、凝視する勇気  著者はフリーのカメラマンで、ラッパーECDの妻で、二人の娘の母親。育児の辛(つら)さ、家計の苦しさを家計簿付きで綴(つづ)った『働けECD』に続く、二〇一一年から一四年の日記だ。大地震………[もっと読む]

[評者]大竹昭子(作家)
[掲載]2016年03月20日
[ジャンル]文芸

死んでいない者 [著]滝口悠生

死んでいない者 [著]滝口悠生

■通夜の場の気配を束ねる文学  第154回芥川賞受賞作。まずタイトルで首をひねった。頭に「もう」をつけたらここに居ない死者に、「まだ」ならばこの世に留(とど)まっている生者になる。どちらともとれるが、この両義的なタイト………[もっと読む]

[評者]大竹昭子(作家)
[掲載]2016年03月13日
[ジャンル]文芸

レモン畑の吸血鬼 [著]カレン・ラッセル

レモン畑の吸血鬼 [著]カレン・ラッセル

■生の断面鮮やか、奇想天外な物語  カレン・ラッセル『レモン畑の吸血鬼』は、一作ごとにまったく違う味わいの、八編の小説を収める。「お国のための糸繰り」は、明治期の日本、製糸場と女工の労働への関心から発想されたという。一………[もっと読む]

[評者]蜂飼耳(詩人・作家)
[掲載]2016年03月13日
[ジャンル]文芸

よこまち余話 [著]木内昇

よこまち余話 [著]木内昇

 細くのびる路地に沿っている長屋の一番奥。齣江はお針子を生業にひっそりと暮らしている。尋常小学校に通う浩三が齣江を慕って遊びに来る。中学校に上がりたいが家業の魚屋では学費が出せず、あきらめかけている。長屋をとりまく人間模………[もっと読む]

[掲載]2016年03月06日
[ジャンル]文芸

ニッポンの文学 [著]佐々木敦

ニッポンの文学 [著]佐々木敦

 『ニッポンの思想』『ニッポンの音楽』に続くシリーズ3作目にして完結編。村上春樹から小松左京、又吉直樹まで、時代を象徴する小説家たちを取り上げ、1970年代末以降の日本小説史を概説する。  批評家の著者ならではの切り口が………[もっと読む]

[掲載]2016年03月06日
[ジャンル]文芸 人文

夜、僕らは輪になって歩く [著]ダニエル・アラルコン

夜、僕らは輪になって歩く [著]ダニエル・アラルコン

■ペルー内戦、損なわれた心の記録  ペルーのロスト・ジェネレーション(失われた世代)を描いた本作は、これから我々が失うものを予言している。  ペルーでは1980年代から90年代初頭にかけて、極左組織による無差別テロの嵐………[もっと読む]

[評者]星野智幸(小説家)
[掲載]2016年03月06日
[ジャンル]文芸

ムーンナイト・ダイバー [著]天童荒太

ムーンナイト・ダイバー [著]天童荒太

■「忘れるな」呼びかける海底の光景  東日本大震災から5年。原発事故による避難生活が長引く福島の人々、終わりが見えない原発の後始末、いまだ問題は解決していないのに、日常生活の中で発生当時の感覚が薄れ、記憶の風化が止まら………[もっと読む]

[評者]市田隆(本社編集委員)
[掲載]2016年03月06日
[ジャンル]文芸

少年の名はジルベール [著]竹宮惠子

少年の名はジルベール [著]竹宮惠子

 ジルベールとは、マンガ家である著者の代表作『風と木の詩(うた)』に出てくる美少年。少年同士の性愛を描くタブーに挑んだこの作品は、いま「ボーイズラブ(BL)」と呼ばれるジャンルのルーツだ。本書は少女マンガ黎明期(れいめい………[もっと読む]

[評者]コミック
[掲載]2016年02月28日
[ジャンル]文芸 社会

坂の途中の家 [著]角田光代

坂の途中の家 [著]角田光代

 目の前の被告は、私そのもの——。  幸福いっぱいの主婦が、補充裁判員として関わることになった、見ず知らずの主婦の裁判。物分かりのいい夫がいるにもかかわらず、幼子をあやめた被告に、知らず知らずのうちに自らを重ねてしまう。………[もっと読む]

[掲載]2016年02月28日
[ジャンル]文芸

きみを夢みて [著]スティーヴ・エリクソン

きみを夢みて [著]スティーヴ・エリクソン

■アメリカの熱狂と失望の歴史  スティーヴ・エリクソンの長編小説が邦訳され、文庫版で出た。LAの一家がオバマの大統領当選に湧くシーンではじまる。白人夫婦とその息子、エチオピアから養子に迎えた黒人少女シバの四人家族。少女………[もっと読む]

[評者]大竹昭子(作家)
[掲載]2016年02月21日
[ジャンル]文芸

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