文芸

天国でまた会おう [著]ピエール・ルメートル

天国でまた会おう [著]ピエール・ルメートル

■称えられる戦死者、捨てられる帰還兵  日本で爆発的な人気を博した海外ミステリーの作者が、初めて手がけた文芸作品。フランスで最も権威ある文学賞のゴンクール賞に選ばれた。期待を裏切らない、読者を魅了する豊潤な物語だ。  ………[もっと読む]

[評者]市田隆(本社編集委員)
[掲載]2015年12月20日
[ジャンル]歴史 文芸

名前も呼べない [著]伊藤朱里

名前も呼べない [著]伊藤朱里

 恋愛や仕事、家族関係にもがき苦しみながらも誠実に向き合う主人公の姿が胸に迫る。第31回太宰治賞受賞作。  25歳の恵那は、元職場の女子会で不倫相手が娘を授かったと知って動揺する。「恋人」との日々の回想をはさみ、彼女が抱………[もっと読む]

[評者]
[掲載]2015年12月20日
[ジャンル]文芸

香港パク [著]李承雨

香港パク [著]李承雨

■見えないもの暴く、精神の深層  韓国の作家・李承雨の小説は、たたみかけるように重なる叙述がやがて未知の場を拓(ひら)いてみせるところに、無類の魅力をもつ。そこにある言葉は、見えないものを暴こうとする方向を向き、冷厳で………[もっと読む]

[評者]蜂飼耳(詩人・作家)
[掲載]2015年12月20日
[ジャンル]文芸 社会

出島の千の秋(上・下) [著]デイヴィッド・ミッチェル

出島の千の秋(上・下) [著]デイヴィッド・ミッチェル

 長崎・出島のオランダ商館の事務員デズートの秘めたる恋の物語。西洋医学を学ぶ産婆、織斗と出会うが、思いは果たせないまま、彼女は邪教の犠牲となって幽閉される。物語は一転、イギリス軍艦の登場で英蘭戦争の様相に。軍艦の出島攻撃………[もっと読む]

[評者]
[掲載]2015年12月13日
[ジャンル]文芸

優しい鬼 [著]レアード・ハント

優しい鬼 [著]レアード・ハント

■人生をつなぐ静かな声が流れる  アメリカの作家は、自分のヴォイスが見つかるまで書き出せなかったという言い方をよくする。文体ではなくて、声。これが何なのか気になっていたが、本書を読んで目先が明るくなった。物語の底をたし………[もっと読む]

[評者]大竹昭子(作家)
[掲載]2015年12月13日
[ジャンル]文芸

あこがれ [著]川上未映子

あこがれ [著]川上未映子

■恋愛よりも深い奇跡的な間柄  小学校中学年の「ぼく」は夏休みのある日、スーパーのサンドイッチ売り場の女性をミス・アイスサンドイッチとひそかに名づける。水色に塗られたまぶた。独特の化粧のために大きく見える目に、なぜか強………[もっと読む]

[評者]蜂飼耳(詩人・作家)
[掲載]2015年12月06日
[ジャンル]文芸

1979年の歌謡曲 [著]スージー鈴木

1979年の歌謡曲 [著]スージー鈴木

 1979年の日本の楽曲のオリコン・年間トップ20を見ると、1位の「夢追い酒」(発売は78年・渥美二郎)から20位の「いい日旅立ち」(同・山口百恵)まで、演歌を含む歌謡曲とニューミュージックが、ほぼ同一比率で混在していて………[もっと読む]

[評者]
[掲載]2015年11月29日
[ジャンル]文芸

K—消えた娘を追って [著]ベルナルド・クシンスキー [訳]小高利根子

K—消えた娘を追って [著]ベルナルド・クシンスキー [訳]小高利根子

■虐殺はこうして生み出される  1970年代半ば、軍政時代のブラジル。サンパウロ大学助教授の女性が失踪し、その父で作家のKが捜索を始める。まず近所の人々に相談すると、警察に伝手(つて)があるという者が何人か現れる。そこ………[もっと読む]

[評者]星野智幸(小説家)
[掲載]2015年11月29日
[ジャンル]文芸

ラーメンの語られざる歴史 [著]ジョージ・ソルト [訳]野下祥子

ラーメンの語られざる歴史 [著]ジョージ・ソルト [訳]野下祥子

■不満や憂さ、ほぐし続ける国民食  東アジア史専門の米国人学者がラーメンを研究する。これは現実の話なのか。塩味が利いているような著者名はネタではないのか。告白すると最初は少し疑っていた。  しかし調査の手際はまっとうな………[もっと読む]

[評者]武田徹(評論家・ジャーナリスト)
[掲載]2015年11月29日
[ジャンル]文芸

緑と赤 [著]深沢潮

緑と赤 [著]深沢潮

 16歳のときに在日4世だと知った大学生の知英、K−POP好きの友人梓、ソウルで知り合った日本に帰化した大学院生の龍平、人気アイドル似の韓国人留学生ジュンミン、在日コリアンにヘイトスピーチを繰り返すデモへのカウンター運動………[もっと読む]

[評者]
[掲載]2015年11月29日
[ジャンル]文芸

心の平安 [著]アフメト・ハムディ・タンプナル [訳]和久井路子

心の平安 [著]アフメト・ハムディ・タンプナル [訳]和久井路子

■東西の接点(イスタンブール)で苦悩する青年たち  舞台は1939年のイスタンブール。独立戦争後の混乱で父母を失い、従兄(いとこ)イヒサンを師と仰いで育った文学青年ミュムタズは、二つ年上の美しい女性ヌーランに恋をしてい………[もっと読む]

[評者]中村和恵(詩人・明治大学教授・比較文学)
[掲載]2015年11月29日
[ジャンル]文芸

我が家のヒミツ [著]奥田英朗

我が家のヒミツ [著]奥田英朗

■家族がいれば、なんとかなる  人生には色々あって一人で生きていくのは時にしんどい。でも家族がいれば、結構何とかなるんだよね……。本を閉じたときに、うまく説明できないのだけれど、というより、あれこれ説明すると台無しとい………[もっと読む]

[評者]本郷和人(東京大学教授・日本中世史)
[掲載]2015年11月22日
[ジャンル]文芸

涙の通り路 [著]アブドゥラマン・アリ・ワベリ

涙の通り路 [著]アブドゥラマン・アリ・ワベリ

■兄を狙う弟、近代化の傷を問う  かつてのフランス領ソマリランド、現ジブチ共和国の独立年に生まれた双子の兄弟。十数年間国外で暮らし多国籍企業に雇われた兄は、ウラン鉱脈の存在をにらんだ現状視察のため、故郷に戻る。過激派に………[もっと読む]

[評者]中村和恵(詩人・明治大学教授・比較文学)
[掲載]2015年11月22日
[ジャンル]文芸

Killers(上・下) [著]堂場瞬一

Killers(上・下) [著]堂場瞬一

■変貌続ける街が生む殺人衝動  大規模再開発が進む今の東京・渋谷。物語は、その一画で時代に取り残された古アパートの一室から老年男性の遺体が発見される場面から始まる。この男性は、東京オリンピック開催前の1961年から続く………[もっと読む]

[評者]市田隆(本社編集委員)
[掲載]2015年11月15日
[ジャンル]文芸

服従 [著]ミシェル・ウエルベック

服従 [著]ミシェル・ウエルベック

■変化を受け入れる、人々と社会の怖さ  途方もない冗談だ。  けれど、気むずかしげな表情で語るユーモアを笑うのは難しい。ウエルベックはそんなふうに小説を書くが、また一方で、これはぞっとするほど怖い話である。というのも、………[もっと読む]

[評者]宮沢章夫(劇作家・演出家)
[掲載]2015年11月08日
[ジャンル]文芸 ノンフィクション・評伝

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