文芸

我が家のヒミツ [著]奥田英朗

我が家のヒミツ [著]奥田英朗

■家族がいれば、なんとかなる  人生には色々あって一人で生きていくのは時にしんどい。でも家族がいれば、結構何とかなるんだよね……。本を閉じたときに、うまく説明できないのだけれど、というより、あれこれ説明すると台無しとい………[もっと読む]

[評者]本郷和人(東京大学教授・日本中世史)
[掲載]2015年11月22日
[ジャンル]文芸

涙の通り路 [著]アブドゥラマン・アリ・ワベリ

涙の通り路 [著]アブドゥラマン・アリ・ワベリ

■兄を狙う弟、近代化の傷を問う  かつてのフランス領ソマリランド、現ジブチ共和国の独立年に生まれた双子の兄弟。十数年間国外で暮らし多国籍企業に雇われた兄は、ウラン鉱脈の存在をにらんだ現状視察のため、故郷に戻る。過激派に………[もっと読む]

[評者]中村和恵(詩人・明治大学教授・比較文学)
[掲載]2015年11月22日
[ジャンル]文芸

Killers(上・下) [著]堂場瞬一

Killers(上・下) [著]堂場瞬一

■変貌続ける街が生む殺人衝動  大規模再開発が進む今の東京・渋谷。物語は、その一画で時代に取り残された古アパートの一室から老年男性の遺体が発見される場面から始まる。この男性は、東京オリンピック開催前の1961年から続く………[もっと読む]

[評者]市田隆(本社編集委員)
[掲載]2015年11月15日
[ジャンル]文芸

服従 [著]ミシェル・ウエルベック

服従 [著]ミシェル・ウエルベック

■変化を受け入れる、人々と社会の怖さ  途方もない冗談だ。  けれど、気むずかしげな表情で語るユーモアを笑うのは難しい。ウエルベックはそんなふうに小説を書くが、また一方で、これはぞっとするほど怖い話である。というのも、………[もっと読む]

[評者]宮沢章夫(劇作家・演出家)
[掲載]2015年11月08日
[ジャンル]文芸 ノンフィクション・評伝

読んで、訳して、語り合う。 [著]都甲幸治

読んで、訳して、語り合う。 [著]都甲幸治

 「人と話すことがたまらなく好きだ」という翻訳家の都甲さんが対談集を出した。お相手は同業の岸本佐知子さんや恩師の柴田元幸さん、作家の星野智幸さんら10人。翻訳とは「オリジナルを解凍して流動体にして(略)違うバージョンを作………[もっと読む]

[評者]
[掲載]2015年11月08日
[ジャンル]文芸 ノンフィクション・評伝

繭 [著]青山七恵

繭 [著]青山七恵

■相互依存の糸、終わりが始まり  美容師として自分の店を持って働く舞は、仕事の続かない夫・ミスミに度々暴力を振るってしまう。関係の歪(ゆが)みを認識しながらも、変えることができない。この夫婦と同じ集合住宅に住む希子は、………[もっと読む]

[評者]蜂飼耳(詩人・作家)
[掲載]2015年11月08日
[ジャンル]文芸 ノンフィクション・評伝

ジミ・ヘンドリクス・エクスペリエンス [著]滝口悠生

ジミ・ヘンドリクス・エクスペリエンス [著]滝口悠生

■「遠景」感じつつ「最低」を生きる  二〇〇二年に作られた、ある映画を観(み)たのはごく最近だが、印象に残ったのは遠景に原子力発電所の姿が見えることだった。それはなにかのメッセージか、けれどあの三月のあとで観ることにな………[もっと読む]

[評者]宮沢章夫(劇作家・演出家)
[掲載]2015年11月01日
[ジャンル]文芸

空に牡丹 [著]大島真寿美

空に牡丹 [著]大島真寿美

 「偉人でも賢人でもない」のに、一族の者が集まると彼のことを話さずにはいられない、という「ご先祖さま」を描いた一代記。丹賀宇多(にかうだ)村の名家の次男として生まれた静助さん。花火に情熱と資金をつぎこみ、大半の田んぼさえ………[もっと読む]

[評者]
[掲載]2015年11月01日
[ジャンル]文芸

空にみずうみ [著]佐伯一麦

空にみずうみ [著]佐伯一麦

 東北地方に住む作家の早瀬と、染織家の柚子夫妻。大震災の厄災から4年を経た暮らしを、私小説として著者が描いた。  夫妻は庭のヘビに「にょろQ」と名付けたり、「ブーワン」と鳴る部屋の異音の源を探したり。何が起きるわけでもな………[もっと読む]

[評者]
[掲載]2015年11月01日
[ジャンル]文芸

琥珀のまたたき [著]小川洋子

琥珀のまたたき [著]小川洋子

■脆くはかない人間の生の輝き  母が作り出した閉塞(へいそく)的な環境で、子どもたちはどのように生き、育つのか。小川洋子の長編小説『琥珀(こはく)のまたたき』は、その環境での日々とやがて訪れる崩壊を、何かを糾弾する視点………[もっと読む]

[評者]蜂飼耳(詩人・作家)
[掲載]2015年10月25日
[ジャンル]文芸

深夜百太郎 入口/深夜百太郎 出口 [著]舞城王太郎、MASAFUMI SANAI

深夜百太郎 入口/深夜百太郎 出口 [著]舞城王太郎、MASAFUMI SANAI

 素顔を明かさない「覆面作家」による「百物語」。今年の夏にツイッターで毎晩1話ずつ発表した怪談を、『入口』『出口』の2冊に、50話ずつまとめた。  顔を伏せて四つ足で機敏に動くクモ女や、事故で死んだ友人からの電話。異界の………[もっと読む]

[評者]
[掲載]2015年10月25日
[ジャンル]文芸

オルフェオ [著]リチャード・パワーズ

オルフェオ [著]リチャード・パワーズ

■遺伝子の描く音楽の本質  主人公ピーター・エルズは七十歳で独り身。オンラインで注文したDNAで自宅でゲノム改変を試みる、日曜遺伝子工学者だ。一方で彼は作曲家でもある。一見無縁に思える二つがエルズのなかでどう結びついた………[もっと読む]

[評者]大竹昭子(作家)
[掲載]2015年10月25日
[ジャンル]文芸

Masato [著]岩城けい

Masato [著]岩城けい

■異国の地、母の孤独と子の成長  タイトルでもある語り手の真人は、父親の転勤により、12歳前後でオーストラリアに引っ越し、英語ができれば将来有利だからという理由で、現地の小学校に入れられる。最初は話せずにからかわれた英………[もっと読む]

[評者]星野智幸(小説家)
[掲載]2015年10月18日
[ジャンル]文芸

レールの向こう [著]大城立裕

レールの向こう [著]大城立裕

■人生の足元、確かめ拡がる世界  沖縄の歴史や文化を主題として執筆を続け、戦後の沖縄文学を牽引(けんいん)してきた大城立裕の作品集。表題作は、八十九歳の作家が綴(つづ)る私小説。  妻が脳梗塞(こうそく)を患って那覇の………[もっと読む]

[評者]蜂飼耳(詩人・作家)
[掲載]2015年10月11日
[ジャンル]文芸

砂の街路図 [著]佐々木譲

砂の街路図 [著]佐々木譲

■時間が止まり、静寂な街に靴音が  主人公は32歳、東京の高校の国語教師。2カ月前に母が亡くなり、遺品には亡き父に関するものがあった。横浜生まれの父は北海道の郡府(ぐんぷ)の大学に学んだ。卒業後は東京で堅実に働き、良き………[もっと読む]

[評者]本郷和人(東京大学教授・日本中世史)
[掲載]2015年09月27日
[ジャンル]文芸

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