歴史

私にはいなかった祖父母の歴史 [著]イヴァン・ジャブロンカ

私にはいなかった祖父母の歴史 [著]イヴァン・ジャブロンカ

 著者は歴史家である。  ホロコーストで父方の祖父母を亡くしている。それは著者が生まれる前のできごとだから、亡くしたというより、もともといなかったという感覚がある。  祖父母といっても、高齢者ではない。二人は三十歳前後で………[もっと読む]

[評者]円城塔  (作家)
[掲載]2017年09月24日
[ジャンル]歴史 文芸

荷車と立ちん坊―近代都市東京の物流と労働 [著]武田尚子

荷車と立ちん坊―近代都市東京の物流と労働 [著]武田尚子

■帝都をガッチリ支えませんか  急募! 車曳(ひ)きさん。  新生日本をガッチリ支えるお仕事です。  「車夫馬丁」と蔑(さげす)む、けしからぬ風潮が巷(ちまた)にありますが、それは大マチガイ。ご一新後の帝都の興廃は、車………[もっと読む]

[評者]山室恭子(東工大教授)
[掲載]2017年09月17日
[ジャンル]歴史

泣き虫弱虫諸葛孔明―第伍部 [著]酒見賢一

泣き虫弱虫諸葛孔明―第伍部 [著]酒見賢一

■再挑戦に共感、わくわく物語  14年にわたって書き継がれた酒見賢一の大作『泣き虫弱虫諸葛孔明(しょかつこうめい)』が、「第伍(ご)部」となる本書をもって完結した。  タイトル通り、この作品は諸葛孔明を主人公にしている………[もっと読む]

[評者]末國善己 (文芸評論家)
[掲載]2017年09月10日
[ジャンル]歴史 文芸

帝国と立憲―日中戦争はなぜ防げなかったのか [著]坂野潤治

帝国と立憲―日中戦争はなぜ防げなかったのか [著]坂野潤治

■デモクラシーの役割と課題問う  本書は、1874年の台湾出兵から1937年の日中全面戦争に至る歴史を、「帝国」対「立憲」という構図のもとに簡明に描き直す。著者によれば、「内に立憲、外に帝国」という二重基準でこの時代を………[もっと読む]

[評者]齋藤純一(早大教授)
[掲載]2017年09月10日
[ジャンル]歴史

図書館と江戸時代の人びと [著]新藤透

図書館と江戸時代の人びと [著]新藤透

■知の最先端、将軍も使い倒した  ——ようこそ図書館長会議へ。時空を超えてのご参集、ありがとうございます。司会の山室です。大学図書館長をしております。まずは江戸幕府直轄の紅葉山文庫の書物奉行〈もみじ〉殿に伺いましょうか………[もっと読む]

[評者]山室恭子(東工大教授)
[掲載]2017年09月10日
[ジャンル]歴史

あのころのパラオをさがして―日本統治下の南洋を生きた人々 [著]寺尾紗穂

あのころのパラオをさがして―日本統治下の南洋を生きた人々 [著]寺尾紗穂

■心に触れる、ひろやかな考察  1920年から終戦まで日本の統治下にあったパラオについての、取材と考察をまとめた本書は、いまを生きる著者の伸びやかさが持ち味のルポだ。パラオといえば、南洋庁に赴任し現地で暮らした中島敦の………[もっと読む]

[評者]蜂飼耳(詩人・作家)
[掲載]2017年09月10日
[ジャンル]歴史

海賊の世界史 [著]桃井治郎

海賊の世界史 [著]桃井治郎

 船や町を襲撃して略奪する海賊は、現代では許されない犯罪者集団だろう。だが、本書は、富を奪い合う国家間の戦争が絶えなかった歴史の中で海賊が多様な顔を見せてきた史実を伝える。古代ギリシャの昔から登場してきた海賊は、国家権力………[もっと読む]

[評者]市田隆(本社編集委員)
[掲載]2017年08月27日
[ジャンル]歴史

牛車で行こう!―平安貴族と乗り物文化 [著]京樂真帆子

牛車で行こう!―平安貴族と乗り物文化 [著]京樂真帆子

 牛車は、平安貴族の乗り物である。ぎっしゃと読む。  なぜ牛だったのか。  乗るなら馬車のほうが速いのでは?と思ってしまうが、本書によれば、牛車は乗り手が一定以上の身分であることを示すもので、それに乗っていること自体が重………[もっと読む]

[評者]宮田珠己(エッセイスト)
[掲載]2017年08月27日
[ジャンル]歴史

江戸・明治―百姓たちの山争い裁判 [著]渡辺尚志

江戸・明治―百姓たちの山争い裁判 [著]渡辺尚志

■生活の糧を懸けた人間ドラマ  山野の境界をめぐって争った百姓たちの歴史を、江戸時代の裁判を中心に解説する本書は、人間ドラマの魅力に満ちている。知略を尽くして闘う姿は「百姓」のイメージを一変させた。  江戸時代の人口の………[もっと読む]

[評者]市田隆(本社編集委員)
[掲載]2017年08月20日
[ジャンル]歴史

文明に抗した弥生の人びと [著]寺前直人

文明に抗した弥生の人びと [著]寺前直人

■富がもたらす負の面見抜いた  弥生時代というと、どんなイメージだろうか。  縄文の次。大陸から渡来した人々が高度な文明を持ち込み、日本列島に稲作が広まった。土偶や火焔(かえん)型土器がすたれ、銅鐸(どうたく)などの金………[もっと読む]

[評者]宮田珠己(エッセイスト)
[掲載]2017年08月20日
[ジャンル]歴史

死後の世界―東アジア宗教の回廊をゆく [著]立川武蔵

死後の世界―東アジア宗教の回廊をゆく [著]立川武蔵

■私はどうなる? 知りたくて  死者を身近に感じながらの生活や創作は僕にとっては必須条件です。ここが自分の終(つい)の棲家(すみか)と信じたわけではないが自分の墓を建てました。墓は死を想う(メメントモリ)装置としては名………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2017年08月13日
[ジャンル]歴史 人文

「維新革命」への道―「文明」を求めた十九世紀日本 [著]苅部直

「維新革命」への道―「文明」を求めた十九世紀日本 [著]苅部直

■商業の自由の擁護が原動力に  明治維新をもって日本の近代がはじまる。本書はこの「断絶」のイメージを払拭(ふっしょく)する。  本書によれば、維新には「社会と思想の構造変化」の前史があった。この「長い革命」があったから………[もっと読む]

[評者]齋藤純一(早大教授)
[掲載]2017年08月13日
[ジャンル]歴史

土偶界へようこそ-縄文の美の宇宙 [著]譽田亜紀子

土偶界へようこそ-縄文の美の宇宙 [著]譽田亜紀子

■造形美、かきたてる想像力  縄文のビーナスって知ってますか? 国宝土偶の第一号である。知らないという人、こっちにいらっしゃい。いや、実は私も有名な遮光器土偶ぐらいしか知らなかった。この本の受け売りでお教えすると、土偶………[もっと読む]

[評者]野矢茂樹(東大教授)
[掲載]2017年08月06日
[ジャンル]歴史 人文

歴史の逆襲-21世紀の覇権、経済格差、大量移民、地政学の構図 [著]ジェニファー・ウェルシュ

歴史の逆襲-21世紀の覇権、経済格差、大量移民、地政学の構図 [著]ジェニファー・ウェルシュ

■市民の奮起で不平等の是正を  ポスト冷戦の現代史は、「民主主義」の激しい盛衰の物語といっていい。  冷戦の終結と共に、社会理念の進化も終わった——そんな言説が、かつて米欧で脚光を浴びた。  『歴史の終わり』。米国の歴………[もっと読む]

[評者]立野純二(本社論説主幹代理)
[掲載]2017年08月06日
[ジャンル]歴史 政治

ソヴィエト・ファンタスチカの歴史 [著]ルスタム・カーツ

ソヴィエト・ファンタスチカの歴史 [著]ルスタム・カーツ

 ソビエト社会主義共和国連邦は、「正しい科学」や「正しい文学」のありかたを国が定めようとした。  結果、「政治的に正しい科学にのっとった空想科学小説」という珍妙な分野が、国の支援の下に花開くことになった。  といったあた………[もっと読む]

[評者]円城塔  (作家)
[掲載]2017年07月23日
[ジャンル]歴史

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