歴史

江戸・明治―百姓たちの山争い裁判 [著]渡辺尚志

江戸・明治―百姓たちの山争い裁判 [著]渡辺尚志

■生活の糧を懸けた人間ドラマ  山野の境界をめぐって争った百姓たちの歴史を、江戸時代の裁判を中心に解説する本書は、人間ドラマの魅力に満ちている。知略を尽くして闘う姿は「百姓」のイメージを一変させた。  江戸時代の人口の………[もっと読む]

[評者]市田隆(本社編集委員)
[掲載]2017年08月20日
[ジャンル]歴史

文明に抗した弥生の人びと [著]寺前直人

文明に抗した弥生の人びと [著]寺前直人

■富がもたらす負の面見抜いた  弥生時代というと、どんなイメージだろうか。  縄文の次。大陸から渡来した人々が高度な文明を持ち込み、日本列島に稲作が広まった。土偶や火焔(かえん)型土器がすたれ、銅鐸(どうたく)などの金………[もっと読む]

[評者]宮田珠己(エッセイスト)
[掲載]2017年08月20日
[ジャンル]歴史

死後の世界―東アジア宗教の回廊をゆく [著]立川武蔵

死後の世界―東アジア宗教の回廊をゆく [著]立川武蔵

■私はどうなる? 知りたくて  死者を身近に感じながらの生活や創作は僕にとっては必須条件です。ここが自分の終(つい)の棲家(すみか)と信じたわけではないが自分の墓を建てました。墓は死を想う(メメントモリ)装置としては名………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2017年08月13日
[ジャンル]歴史 人文

「維新革命」への道―「文明」を求めた十九世紀日本 [著]苅部直

「維新革命」への道―「文明」を求めた十九世紀日本 [著]苅部直

■商業の自由の擁護が原動力に  明治維新をもって日本の近代がはじまる。本書はこの「断絶」のイメージを払拭(ふっしょく)する。  本書によれば、維新には「社会と思想の構造変化」の前史があった。この「長い革命」があったから………[もっと読む]

[評者]齋藤純一(早大教授)
[掲載]2017年08月13日
[ジャンル]歴史

土偶界へようこそ-縄文の美の宇宙 [著]譽田亜紀子

土偶界へようこそ-縄文の美の宇宙 [著]譽田亜紀子

■造形美、かきたてる想像力  縄文のビーナスって知ってますか? 国宝土偶の第一号である。知らないという人、こっちにいらっしゃい。いや、実は私も有名な遮光器土偶ぐらいしか知らなかった。この本の受け売りでお教えすると、土偶………[もっと読む]

[評者]野矢茂樹(東大教授)
[掲載]2017年08月06日
[ジャンル]歴史 人文

歴史の逆襲-21世紀の覇権、経済格差、大量移民、地政学の構図 [著]ジェニファー・ウェルシュ

歴史の逆襲-21世紀の覇権、経済格差、大量移民、地政学の構図 [著]ジェニファー・ウェルシュ

■市民の奮起で不平等の是正を  ポスト冷戦の現代史は、「民主主義」の激しい盛衰の物語といっていい。  冷戦の終結と共に、社会理念の進化も終わった——そんな言説が、かつて米欧で脚光を浴びた。  『歴史の終わり』。米国の歴………[もっと読む]

[評者]立野純二(本社論説主幹代理)
[掲載]2017年08月06日
[ジャンル]歴史 政治

ソヴィエト・ファンタスチカの歴史 [著]ルスタム・カーツ

ソヴィエト・ファンタスチカの歴史 [著]ルスタム・カーツ

 ソビエト社会主義共和国連邦は、「正しい科学」や「正しい文学」のありかたを国が定めようとした。  結果、「政治的に正しい科学にのっとった空想科学小説」という珍妙な分野が、国の支援の下に花開くことになった。  といったあた………[もっと読む]

[評者]円城塔  (作家)
[掲載]2017年07月23日
[ジャンル]歴史

枕草子のたくらみ―「春はあけぼの」に秘められた思い [著]山本淳子

枕草子のたくらみ―「春はあけぼの」に秘められた思い [著]山本淳子

 名作を当時の人の心で読むのは難しい。現在語られていることを一度すべて忘れて、その時代になにがあったのか、人々はどういう生活をし、なにに関心があったのかを想像すること。この、難しいけれど大事な作業のために、我々は教養を身………[もっと読む]

[評者]サンキュータツオ(お笑い芸人、日本語学者)
[掲載]2017年07月16日
[ジャンル]歴史 文芸

特高と國體の下で―離散、特高警察、そして内戦 [著]孫栄健

特高と國體の下で―離散、特高警察、そして内戦 [著]孫栄健

■拷問受けた「在日」の心象を描く  1918年2月に朝鮮の慶尚南道に生まれた朴庸徳の歩みを在日3世の著者が追跡調査する。朴は7歳で家族と共に来日、飯場を転々として小学校も12回転校しながら日本社会に身を置く。最下層の仕………[もっと読む]

[評者]保阪正康(ノンフィクション作家)
[掲載]2017年07月16日
[ジャンル]歴史

落語魅捨理全集―坊主の愉しみ [著]山口雅也

落語魅捨理全集―坊主の愉しみ [著]山口雅也

 落語家が探偵だったり、演目がヒントになったりする落語ミステリーは多い。著者5年ぶりの新作も落語ミステリーだが、従来の作品とは一線を画している。  著者は、古典落語と同じ江戸を舞台に、マクラ、本題、サゲと進む落語のルール………[もっと読む]

[評者]末國善己(文芸評論家)
[掲載]2017年07月02日
[ジャンル]歴史 文芸

感性文化論―〈終わり〉と〈はじまり〉の戦後昭和史 [著]渡辺裕

感性文化論―〈終わり〉と〈はじまり〉の戦後昭和史 [著]渡辺裕

■聴覚より視覚優位へと認識転換  戦後のある時期まで、鉄道の案内の多くは聴覚を通してなされていた。車内では車掌が、駅のホームでは駅員が次の駅や乗り換えなどを肉声で放送し、客はそうした声に耳を傾けた。車掌の語りそのものが………[もっと読む]

[評者]原武史(放送大学教授・政治思想史)
[掲載]2017年06月25日
[ジャンル]歴史

中国文化大革命「受難者伝」と「文革大年表」―崇高なる政治スローガンと残酷非道な実態 [共編共著]王友琴・小林一美・安藤正士・安藤久美子

中国文化大革命「受難者伝」と「文革大年表」―崇高なる政治スローガンと残酷非道な実態 [共編共著]王友琴・小林一美・安藤正士・安藤久美子

■道徳心を腐敗させた「人民専政」  文化大革命(文革)は、現代中国の最大の傷である。ある年代以上の中国人の心底には、今なおその悲劇が沈殿していて、私自身、「あの時代は悪夢というより地獄でした」との言を何度も聞いた。  ………[もっと読む]

[評者]保阪正康(ノンフィクション作家)
[掲載]2017年06月25日
[ジャンル]歴史

王妃たちの最期の日々 上・下 [編]ジャン=クリストフ・ビュイッソン、ジャン・セヴィリア

王妃たちの最期の日々 上・下 [編]ジャン=クリストフ・ビュイッソン、ジャン・セヴィリア

■国境も越えていく波乱の生涯  ヴィクトリア女王のような例外は別として、皇帝や国王のほとんどは男性だった。皇后や王妃は皇帝や国王ほど権力をもたず、目立たなかったように見えなくもない。しかし彼女らの生涯は、時として男性の………[もっと読む]

[評者]原武史(放送大学教授・政治思想史)
[掲載]2017年06月11日
[ジャンル]歴史

おもちゃ絵芳藤 [著]谷津矢車

おもちゃ絵芳藤 [著]谷津矢車

■一途な絵師がたどり着いた境地  谷津矢車は、27歳だった2013年に、若き日の狩野永徳を描く『洛中洛外画狂伝』でデビューした。その後の活躍は凄(すさ)まじく、『しゃらくせえ鼠小僧伝』『信長さまはもういない』など、戦国………[もっと読む]

[評者]末國善己(文芸評論家)
[掲載]2017年06月11日
[ジャンル]歴史 人文 アート・ファッション・芸能

宮柊二『山西省』論 [著]佐藤通雅

宮柊二『山西省』論 [著]佐藤通雅

 日中戦争下で、山西省は象徴的な意味をもつ。激しい戦闘と軍事上は「戦争」の残酷さを、政治上も戦後は軍閥閻錫山(えんしゃくざん)に組みこまれ日本兵が国共内戦に巻きこまれた。歌人の宮柊二は、この山西省で「一兵」として4年間戦………[もっと読む]

[評者]保阪正康(ノンフィクション作家)
[掲載]2017年06月11日
[ジャンル]歴史 文芸

ここに掲載されている記事や書評などの情報は、原則的に初出時のものです。

ページトップへ戻る