文芸

明治乙女物語 [著]滝沢志郎/政略結婚 [著]高殿円

明治乙女物語 [著]滝沢志郎/政略結婚 [著]高殿円

■理不尽と闘った近代女性たち  夏休みも残り少なくなったけど、中学生、高校生のみなさんは何か本、読みました?   少しだけ背伸びして、日本の近代に取材した歴史小説はどうかしら。あ、歴史小説といってもね、主人公はうら若き………[もっと読む]

[評者]斎藤美奈子(文芸評論家)
[掲載]2017年08月20日
[ジャンル]文芸

書架の探偵 [著]ジーン・ウルフ

書架の探偵 [著]ジーン・ウルフ

 図書館の棚に、男が一人横になっている。彼はかつて存在した作家の記憶を植えつけられたクローンである。オリジナルはミステリ作家だった。要望があれば貸し出される。  生物学的には人間だが、完全に物として扱われる。制度上、そう………[もっと読む]

[評者]円城塔  (作家)
[掲載]2017年08月20日
[ジャンル]文芸

フォマルハウトの三つの燭台〈倭篇〉 [著]神林長平

フォマルハウトの三つの燭台〈倭篇〉 [著]神林長平

■奇妙な事件の先に哲学的な問い  神林長平は、SF的な想像力を使い、“私(人間)とは何か”“リアルとは何か”を問い続けてきた。人工知能(AI)が将棋、囲碁のプロに勝利するほど人間の思考を再現し、仮想現実(VR)の技術が………[もっと読む]

[評者]末國善己(文芸評論家)
[掲載]2017年08月20日
[ジャンル]文芸

シュレーディンガーの猫を追って [著]フィリップ・フォレスト/原理―ハイゼンベルクの軌跡 [著]ジェローム・フェラーリ

シュレーディンガーの猫を追って [著]フィリップ・フォレスト/原理―ハイゼンベルクの軌跡 [著]ジェローム・フェラーリ

■量子力学が生んだ文学的想像力  量子力学をテーマとした仏小説の翻訳が相次いで出版された。不確定性原理を基礎とする量子力学は、半導体などに応用され、相対性理論とともに現代物理学の根幹をなしている。不確定さを増し、現実と………[もっと読む]

[評者]佐伯一麦 (作家)
[掲載]2017年08月13日
[ジャンル]文芸

血のいろの降る雪―木原孝一アンソロジー [著]木原孝一 [編]山下洪文

血のいろの降る雪―木原孝一アンソロジー [著]木原孝一 [編]山下洪文

 22歳の時、初の詩集を北園克衛に託し建築技師として戦時下の硫黄島に渡った木原は1945年2月、病のため内地に帰還した。翌3月、硫黄島守備隊は玉砕、数少ない生き残りとなった。戦後は雑誌「詩学」編集の傍ら鮎川信夫、田村隆一………[もっと読む]

[評者]椹木野衣 (美術評論家)
[掲載]2017年08月13日
[ジャンル]文芸

カストロの尻 [著]金井美恵子

カストロの尻 [著]金井美恵子

■芥川的で谷崎的な快楽を味わう  金井美恵子の新作は、谷崎潤一郎や後藤明生らの文章を引用しながら「小説家の『幸福』」について書くエッセイから始まるが、文体も内容もまったく変わっていないのに、いつのまにか短編小説「破船」………[もっと読む]

[評者]末國善己(文芸評論家)
[掲載]2017年08月06日
[ジャンル]文芸

囚われの島 [著]谷崎由依

囚われの島 [著]谷崎由依

 謎めいた小説だ。第一部と第三部は現在の東京が、第二部は昭和初期の京都府丹後地方にあるとおぼしき村が主な舞台となっている。第一部、第三部と第二部をつなぐのは蚕である。  主人公の由良という女性の名前は丹後の由良川に通じる………[もっと読む]

[評者]原武史(放送大学教授・政治思想史)
[掲載]2017年08月06日
[ジャンル]文芸

すごい物理学講義 [著]カルロ・ロヴェッリ/ジョルジュ・ペレック―制約と実存 [著]塩塚秀一郎

すごい物理学講義 [著]カルロ・ロヴェッリ/ジョルジュ・ペレック―制約と実存 [著]塩塚秀一郎

■規則の果てに生まれる独創性  世の中には法則がある。  自然法則であれば、自分でつくることはできないから、発見するということになる。理由はわからないなりに、とにかくそうなっている現象を説明しようと試みる。  二十世紀………[もっと読む]

[評者]円城塔  (作家)
[掲載]2017年07月30日
[ジャンル]文芸 科学・生物

間取りと妄想 [著]大竹昭子

間取りと妄想 [著]大竹昭子

■見取り図に浮かぶ心のさざ波  同じ間取りの家が一カ所に集まる団地で人生の大半を過ごした私は、間取りがそこに住む人々の意識を規定することに敏感にならざるを得なかった。「誰もが同じ」という強い平等意識は、団地という同質的………[もっと読む]

[評者]原武史(放送大学教授・政治思想史)
[掲載]2017年07月30日
[ジャンル]文芸

アルカイダから古文書を守った図書館員 [著]ジョシュア・ハマー

アルカイダから古文書を守った図書館員 [著]ジョシュア・ハマー

■荷車や川船で検問抜けた「国宝」  アルカイダ系イスラム武装勢力がアフリカのマリ北部を支配した2012〜13年、焼損の危機にあった貴重な古文書を救い出したイスラムの現地民の記録だ。  綱渡りの救出作戦から、恐怖にくじけ………[もっと読む]

[評者]市田隆(本社編集委員)
[掲載]2017年07月30日
[ジャンル]文芸 ノンフィクション・評伝

ぐるぐる♡博物館 [著]三浦しをん

ぐるぐる♡博物館 [著]三浦しをん

 三浦さんが博物館に足を踏み入れる。「ほえー」と感嘆し、「うーむ」と唸(うな)り、「あのねあのね」と興奮してにじり寄ってくる。一言でいえば、たがが外れる。つられて読者も、たがが外れる。ほえー。  それで私も気がついた。博………[もっと読む]

[評者]野矢茂樹(東大教授)
[掲載]2017年07月30日
[ジャンル]文芸 アート・ファッション・芸能

動物奇譚集1・2 [著]アイリアノス

動物奇譚集1・2 [著]アイリアノス

■蟹や羊の伝承がいざなう遠い旅  生きている間に出会う人間が限られているのと同様、接する機会のある人間以外の生き物もまた限られている。これに気づくとき、自然だけが、人間に自然の前で頭を垂れることを教えられるのだと気づく………[もっと読む]

[評者]蜂飼耳(詩人・作家)
[掲載]2017年07月30日
[ジャンル]文芸

ちいさな国で [著]ガエル・ファイユ

ちいさな国で [著]ガエル・ファイユ

 人は、なぜ、争うのだろう。なぜ、憎み合うのだろう。誰も幸せにならないのに。そんなことはみんなわかっているのに。  著者はフランスの詩人、ラッパー。ブルンジで生まれ育ち、フツ族とツチ族の民族抗争を逃れてパリに移住した。こ………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2017年07月30日
[ジャンル]文芸

星の子 [著]今村夏子

星の子 [著]今村夏子

■「あやしい」と「まとも」の間で  こないだの芥川賞には、はい、落ちました。落ちたけど、今村夏子が現在もっとも有望な作家のひとりであることに変わりはない。  デビュー作『こちらあみ子』も2作目の『あひる』も、子どもの視………[もっと読む]

[評者]斎藤美奈子 (文芸評論家)
[掲載]2017年07月23日
[ジャンル]文芸

かがみの孤城 [著]辻村深月

かがみの孤城 [著]辻村深月

■生きづらさ感じている君たちへ  10代のリアルをとらえた青春ミステリーを発表していた辻村深月だが、近年は大人の鬱屈(うっくつ)を描く作品も増えている。心に傷を負った7人の中学生に焦点を当てた本書は、初期作品を思わせる………[もっと読む]

[評者]末國善己 (文芸評論家)
[掲載]2017年07月23日
[ジャンル]文芸

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