人文

原点 THE ORIGIN―戦争を描く、人間を描く [著]安彦良和、斉藤光政

原点 THE ORIGIN―戦争を描く、人間を描く [著]安彦良和、斉藤光政

■歴史と向き合う団塊世代の人生  安彦良和がメインスタッフを務めた「機動戦士ガンダム」の直撃を受けた世代だ。『クルドの星』でクルド人問題を知るなど、安彦のマンガも愛読している。  そんな自分にとって、丹念な取材のノンフ………[もっと読む]

[評者]末國善己(文芸評論家)
[掲載]2017年06月04日
[ジャンル]人文

ハナモゲラ和歌の誘惑 [著]笹公人

ハナモゲラ和歌の誘惑 [著]笹公人

 「ひいらぎの かほりやまめて せせらぎる どぜうてふてふ くましかこりす」(山下洋輔)。お題は「山の美しさに感動して詠める」。今日に残るハナモゲラ和歌の秀歌である。  「みじかびのきゃぷりきとればすぎちょびれ……」(大………[もっと読む]

[評者]斎藤美奈子(文芸評論家)
[掲載]2017年06月04日
[ジャンル]人文

ハイン 地の果ての祭典―南米フエゴ諸島先住民セルクナムの生と死 [著]アン・チャップマン

ハイン 地の果ての祭典―南米フエゴ諸島先住民セルクナムの生と死 [著]アン・チャップマン

■精霊が踊り、歌う、原始の熱狂  友よ。ふるさとドイツの友よ。  私は今、万里の波濤(はとう)のかなたにいる。ティエラ・デル・フエゴ、南米大陸の先っぽにへばりついた寒冷の島だ。狩猟の民セルクナムとともに暮らしている。目………[もっと読む]

[評者]山室恭子(東工大教授)
[掲載]2017年06月04日
[ジャンル]人文

現代子ども文化考―「子ども」に寄り添って [著]山中恒

現代子ども文化考―「子ども」に寄り添って [著]山中恒

 皇国少年たちを描いた「ボクラ少国民」シリーズ、また『転校生』(原作は『おれがあいつで あいつがおれで』)など大林宣彦監督により映画化された作品の原作者として知られる著者は、高校生のときに宮沢賢治の『どんぐりと山猫』を読………[もっと読む]

[評者]佐伯一麦 (作家)
[掲載]2017年05月28日
[ジャンル]人文

中動態の世界―意志と責任の考古学 [著]國分功一郎

中動態の世界―意志と責任の考古学 [著]國分功一郎

■「する―される」関係からの解放  哲学の本を読む最大の喜びは、それが新しい考え方・見方を示してくれることにある。それによって、いままでの景色が違った見え方をするようになる。新しい世界が開けてくる。  私たちの生活は何………[もっと読む]

[評者]野矢茂樹(東大教授)
[掲載]2017年05月21日
[ジャンル]人文

文化遺産はだれのものか―トルコ・アナトリア諸文明の遺物をめぐる所有と保護 [著]田中英資

文化遺産はだれのものか―トルコ・アナトリア諸文明の遺物をめぐる所有と保護 [著]田中英資

■発掘者は盗人か、議論が渦巻く  ここは文化遺産法廷。  被告席にドイツの考古学者シュリーマンが静かに座っています。  検察側から始まります。  「この者は盗人です。我がトルコ国内にあるトロイの遺跡からドイツへと出土品………[もっと読む]

[評者]山室恭子(東工大教授)
[掲載]2017年05月21日
[ジャンル]人文

写真民俗学―東西の神々 [著]芳賀日出男

写真民俗学―東西の神々 [著]芳賀日出男

 日本と世界を渡り歩き、神と祭礼を撮り続けた写真家芳賀日出男。  彼の集大成ともいえるこの本には、400点以上に及ぶ世界の多様な習俗が収録されている。南洋の仮面や西欧の巨人、獅子踊りに火祭り、サンタクロースなど。その見た………[もっと読む]

[評者]宮田珠己(エッセイスト)
[掲載]2017年05月21日
[ジャンル]人文 アート・ファッション・芸能

殺生と戦争の民俗学―柳田國男と千葉徳爾 [著]大塚英志

殺生と戦争の民俗学―柳田國男と千葉徳爾 [著]大塚英志

■「理科」と「経世済民」で照らす  著者大塚英志はアニメやサブカルチャー論で知られているが、大学では民俗学を千葉徳爾の下で学び、その後もその問題を考えてきた人である。千葉は柳田国男の弟子であった。著者にとって、柳田につ………[もっと読む]

[評者]柄谷行人(哲学者)
[掲載]2017年05月14日
[ジャンル]人文

忘れられた人類学者―エンブリー夫妻が見た<日本の村> [著]田中一彦

忘れられた人類学者―エンブリー夫妻が見た<日本の村> [著]田中一彦

 熊本の小村「須恵」は、日本民俗の研究者にはつとに名高い。エンブリー夫妻による戦前の滞在調査の記録が、世界で唯一の外国人による人類学的な日本研究だったからだ。しかし、夫妻がその後の日本に与えた潜在的な影響の大きさについて………[もっと読む]

[評者]椹木野衣 (美術評論家)
[掲載]2017年05月14日
[ジャンル]歴史 人文

遊戯の起源 遊びと遊戯具はどのようにして生まれたか [著]増川宏一

遊戯の起源 遊びと遊戯具はどのようにして生まれたか [著]増川宏一

■その謎の物体、おもちゃかも  ようこそ〈遊戯の起源〉博物館へ。人類はどんなふうに遊びはじめたのか、当館では興味深い事例を豊富に揃(そろ)えております。  まずは○の部屋へご案内しましょう。人類最古の遊具、ボールです。………[もっと読む]

[評者]山室恭子(東工大教授)
[掲載]2017年05月07日
[ジャンル]人文

冬の日誌 、内面からの報告書 [著]ポール・オースター

冬の日誌 、内面からの報告書 [著]ポール・オースター

■生の痕跡から掘り起こす記憶  現代アメリカ文学の重要な作家ポール・オースターによる回想録的作品が二冊、続けて刊行された。『冬の日誌』は〈肉体と感覚〉をめぐる視点、『内面からの報告書』は〈精神〉をめぐる視点から描かれる………[もっと読む]

[評者]蜂飼耳(詩人・作家)
[掲載]2017年04月30日
[ジャンル]文芸 人文

ちいさい言語学者の冒険-子どもに学ぶことばの秘密 [著]広瀬友紀

ちいさい言語学者の冒険-子どもに学ぶことばの秘密 [著]広瀬友紀

■彼らは規則正しくまちがえる  「これ食べたら死む?」と5歳のK太郎が聞く。大丈夫、と母親。「ホント?死まない?」と涙目のK太郎。かわいい。  言葉を覚え始めたばかりの子どもの好プレー・珍プレーが楽しい——というだけの………[もっと読む]

[評者]野矢茂樹(東大教授)
[掲載]2017年04月30日
[ジャンル]人文

ザップル・レコード興亡記―伝説のビートルズ・レーベルの真実 [著]バリー・マイルズ

ザップル・レコード興亡記―伝説のビートルズ・レーベルの真実 [著]バリー・マイルズ

■失敗した「実験的試み」の大衆化  ビートルズの影に奇妙なレーベルが存在していたことはあまり知られていない。ビートルズが君臨していた1960年代、実験的な音楽を紹介する目的で設立された「ザップル・レコード」である。その………[もっと読む]

[評者]細野晴臣(音楽家)
[掲載]2017年04月23日
[ジャンル]人文

オネイログラフィア―夢、精神分析家、芸術家 [著]ヴィクトル・マージン

オネイログラフィア―夢、精神分析家、芸術家 [著]ヴィクトル・マージン

■自分を取り戻すための「夢記述」  精神分析家であると同時に展覧会のキュレーターであることは、いったいどのようにして可能なのだろう。精神分析は密室のなかで営まれ、展覧会は公共の場所で開かれる。だが、両者を兼ねて活動する………[もっと読む]

[評者]椹木野衣 (美術評論家)
[掲載]2017年04月23日
[ジャンル]人文

日本精神史 自然宗教の逆襲 [著]阿満利麿

日本精神史 自然宗教の逆襲 [著]阿満利麿

■天皇崇拝支える基盤は変わらず  昨年8月8日に発表された現天皇の「おことば」は一部で「第2の人間宣言」と呼ばれた。1946年1月1日の詔書で現御神(あきつみかみ)(現人神〈あらひとがみ〉)であることを否定した昭和天皇………[もっと読む]

[評者]原武史(放送大学教授・政治思想史)
[掲載]2017年04月16日
[ジャンル]人文

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