ノンフィクション・評伝

物語の向こうに時代が見える [著]川本三郎

物語の向こうに時代が見える [著]川本三郎

 書評という仕事はなかなか難しい。単なる内容の紹介や要約にとどまっていてはいけない。かと言って評者の見解が全面的に出てもいけない。内容に寄り添いつつ、いかにして評者ならではの「読み」ができるかが問われるのだ。  本書は、………[もっと読む]

[評者]原武史(放送大学教授・政治思想史)
[掲載]2017年01月08日
[ジャンル]文芸 ノンフィクション・評伝

娯楽番組を創った男―丸山鐵雄と〈サラリーマン表現者〉の誕生 [著]尾原宏之

娯楽番組を創った男―丸山鐵雄と〈サラリーマン表現者〉の誕生 [著]尾原宏之

■大衆を丸ごと表現、TVを席巻  1947年に放送が開始された「日曜娯楽版」は、辛辣(しんらつ)な政治諷刺(ふうし)が売り物のラジオ番組だった。最近のNHKは政治家の言いなりだと批判する時に「昔は違った」とよく引かれる………[もっと読む]

[評者]武田徹(評論家・ジャーナリスト)
[掲載]2016年12月18日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能 ノンフィクション・評伝

住友銀行秘史 [著]國重惇史

住友銀行秘史 [著]國重惇史

■企業内部の病巣、徹底的に解剖  「戦後最大の経済事件と呼ばれたイトマン事件」と言われても、事件摘発から20年以上たった今ではピンと来ない人も多いだろう。しかし、それを知らずに本書を読んだとしても、大阪の中堅商社旧イト………[もっと読む]

[評者]市田隆(本社編集委員)
[掲載]2016年12月04日
[ジャンル]社会 ノンフィクション・評伝

狂うひと―「死の棘」の妻・島尾ミホ [著]梯久美子

狂うひと―「死の棘」の妻・島尾ミホ [著]梯久美子

■「事件」渇望した 文学的共犯  「そのとき私は、けものになりました」。歌うように語り始めた島尾ミホの言葉を、一言も聞き漏らすまいと筆者は筆を走らせたという。夫・敏雄の日記に不倫の証拠を見つけ、『死の棘(とげ)』の壮絶………[もっと読む]

[評者]武田徹(評論家・ジャーナリスト)
[掲載]2016年11月27日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

オはオオタカのオ [著]ヘレン・マクドナルド

オはオオタカのオ [著]ヘレン・マクドナルド

 すばらしいノンフィクション作品だ。著者のヘレン・マクドナルドはケンブリッジ大学で科学史・科学哲学を学んだ女性。父の死によって精神的な危機に直面し、ある日思い立ってオオタカを飼う。少しずつ慣れていくオオタカと著者の距離感………[もっと読む]

[評者]蜂飼耳(詩人・作家)
[掲載]2016年11月27日
[ジャンル]文芸 ノンフィクション・評伝

写真をアートにした男―石原悦郎とツァイト・フォト・サロン [著]粟生田弓

写真をアートにした男―石原悦郎とツァイト・フォト・サロン [著]粟生田弓

 日本初の写真専門ギャラリー、ツァイト・フォト・サロンを創設した石原悦郎の活動録。評伝に留(とど)まらず、写真を巡る環境がどう変化したかがよく取材され、石原のことを知らずとも引き込まれるはずだ。  絵画専門の画商だったが………[もっと読む]

[評者]大竹昭子(作家)
[掲載]2016年11月27日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能 ノンフィクション・評伝

アルファの伝説―音楽家 村井邦彦の時代 [著]松木直也

アルファの伝説―音楽家 村井邦彦の時代 [著]松木直也

■新しい「環境」作った独自の感性  録音スタジオがミュージシャンにとってどれだけ意味があるか。一九六〇年代から七〇年代にかけ、この国のポピュラーミュージックが新しい意識でそれに取り組んだことで、音楽性も変わった。つまり………[もっと読む]

[評者]宮沢章夫(劇作家・演出家)
[掲載]2016年11月13日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能 ノンフィクション・評伝

昭和天皇実録 第七、第八、第九 [編]宮内庁

昭和天皇実録 第七、第八、第九 [編]宮内庁

■戦争中の行動を逐一伝える  2015年3月から刊行が始まった『昭和天皇実録』は、今年9月までにようやく9冊分が刊行された。そのうちの第七、第八、第九は1936年から45年までに当たり、日中戦争と太平洋戦争の時期の昭和………[もっと読む]

[評者]原武史(放送大学教授・政治思想史)
[掲載]2016年11月06日
[ジャンル]歴史 ノンフィクション・評伝

クモの糸でバイオリン [著]大崎茂芳

クモの糸でバイオリン [著]大崎茂芳

 身の回りに、分解できるような電化製品は少なくなった。科学といってもなんだか細かな話か、抽象的なものばかりである。自由研究の題材にも困る。  と、ここに、クモの糸をひたすら集めてぶらさがってみた人がいる。ちなみに糸を、十………[もっと読む]

[評者]円城塔  (作家)
[掲載]2016年11月06日
[ジャンル]人文 ノンフィクション・評伝

丸刈りにされた女たち―「ドイツ兵の恋人」の戦後を辿る旅 [著]藤森晶子

丸刈りにされた女たち―「ドイツ兵の恋人」の戦後を辿る旅 [著]藤森晶子

 第2次世界大戦下、連合軍によりフランス各地が次々と解放される。その折、対独協力者のレッテルのもと、女性たちが頭髪を切られ、丸刈りにされて復讐(ふくしゅう)やリンチを受けた。約2万人に及んだという。  著者によるとこの丸………[もっと読む]

[評者]保阪正康(ノンフィクション作家)
[掲載]2016年11月06日
[ジャンル]社会 ノンフィクション・評伝

熊と踊れ(上・下) [著]A・ルースルンド、S・トゥンベリ

熊と踊れ(上・下) [著]A・ルースルンド、S・トゥンベリ

■暴力の絆、強盗犯の実相を描く  スウェーデンで実際にあった連続強盗事件に基づくこの犯罪小説は、ミステリーのだいご味を堪能できるだけでなく、犯罪者たちの真の姿を際立たせることに成功した作品だ。  綿密な計画と統率のとれ………[もっと読む]

[評者]市田隆(本社編集委員)
[掲載]2016年11月06日
[ジャンル]文芸 人文 ノンフィクション・評伝

最後の秘境 東京藝大―天才たちのカオスな日常 [著]二宮敦人

最後の秘境 東京藝大―天才たちのカオスな日常 [著]二宮敦人

■奔放な求道者たちの鍛錬と不安  個人的な話だが、両親と妹が東京藝大(げいだい)の卒業生という特殊な4人家族で育ったために、この学校は身近な存在だった。大学の様子はだいぶ理解しているつもりだったが、それでも東京藝大の全………[もっと読む]

[評者]五十嵐太郎(建築批評家・東北大学教授)
[掲載]2016年11月06日
[ジャンル]人文 ノンフィクション・評伝

どうぶつのことば―根源的暴力をこえて [著]鴻池朋子

どうぶつのことば―根源的暴力をこえて [著]鴻池朋子

■現代社会揺さぶるアートの力  特異な本である。一言では括(くく)れない。でも、その説明不可能さこそが本書の本質だ。  著者は動物をモチーフにした作品で知られる美術家。東日本大震災を境に自分の作るものにまったく興味が持………[もっと読む]

[評者]大竹昭子(作家)
[掲載]2016年10月30日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能 ノンフィクション・評伝

ピアニストは語る [著]ヴァレリー・アファナシエフ

ピアニストは語る [著]ヴァレリー・アファナシエフ

■森の中で過ごすような音楽とは  好き嫌いにかかわらず、アファナシエフは誰にとっても唯一無二のピアニストだ。この原稿を書いている前日に私はコンサートに行ってきたばかりで、体の緊張が和らいでいる。私にとってアファナシエフ………[もっと読む]

[評者]星野智幸(小説家)
[掲載]2016年10月30日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

漂流 [著]角幡唯介

漂流 [著]角幡唯介

■海に消えた漁師の影をたどって  著者は、チベットの大峡谷に分け入り、北極圏を踏破した探検をノンフィクション作品にしてきた。本書は、海の「冒険者」たる遠洋漁業の漁師たちの生き様を追いかけた記録。自身の探検を主体とした過………[もっと読む]

[評者]市田隆(本社編集委員)
[掲載]2016年10月30日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

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