文芸

かがみの孤城 [著]辻村深月

かがみの孤城 [著]辻村深月

■生きづらさ感じている君たちへ  10代のリアルをとらえた青春ミステリーを発表していた辻村深月だが、近年は大人の鬱屈(うっくつ)を描く作品も増えている。心に傷を負った7人の中学生に焦点を当てた本書は、初期作品を思わせる………[もっと読む]

[評者]末國善己 (文芸評論家)
[掲載]2017年07月23日
[ジャンル]文芸

劇場 [著]又吉直樹

劇場 [著]又吉直樹

■開き直れない“無頼派”の苦闘  芥川賞を受賞した又吉直樹のデビュー作『火花』は売れない漫才コンビの片割れを語り手に「表現者の苦悩」を描いた小説だった。話題だけ先行し、作品の感想があまり聞こえてこなかったのは、主人公が………[もっと読む]

[評者]斎藤美奈子(文芸評論家)
[掲載]2017年07月16日
[ジャンル]文芸

枕草子のたくらみ―「春はあけぼの」に秘められた思い [著]山本淳子

枕草子のたくらみ―「春はあけぼの」に秘められた思い [著]山本淳子

 名作を当時の人の心で読むのは難しい。現在語られていることを一度すべて忘れて、その時代になにがあったのか、人々はどういう生活をし、なにに関心があったのかを想像すること。この、難しいけれど大事な作業のために、我々は教養を身………[もっと読む]

[評者]サンキュータツオ(お笑い芸人、日本語学者)
[掲載]2017年07月16日
[ジャンル]歴史 文芸

色仏 [著]花房観音

色仏 [著]花房観音

■幕末の京、女の観音像に妖気  時は幕末。北近江のある村の寺に十一面観音があった。本書の主人公、烏(からす)は、その寺に住み、観音を眺めながら育った。烏にとって十一面観音は、完璧な女の姿を装いながら、時間を超越した不動………[もっと読む]

[評者]原武史(放送大学教授・政治思想史)
[掲載]2017年07月09日
[ジャンル]文芸

永遠の道は曲りくねる [著]宮内勝典

永遠の道は曲りくねる [著]宮内勝典

■生命の連続、宇宙的スケールで  3・11以降のいまを、地球的、いや宇宙的なスケールで描き切った長編小説である。戦争で約20万人の死者があった沖縄の海で始まり、23回の核実験が行われたビキニ環礁の海で終わる物語の主人公………[もっと読む]

[評者]佐伯一麦 (作家)
[掲載]2017年07月02日
[ジャンル]文芸

落語魅捨理全集―坊主の愉しみ [著]山口雅也

落語魅捨理全集―坊主の愉しみ [著]山口雅也

 落語家が探偵だったり、演目がヒントになったりする落語ミステリーは多い。著者5年ぶりの新作も落語ミステリーだが、従来の作品とは一線を画している。  著者は、古典落語と同じ江戸を舞台に、マクラ、本題、サゲと進む落語のルール………[もっと読む]

[評者]末國善己(文芸評論家)
[掲載]2017年07月02日
[ジャンル]歴史 文芸

月の満ち欠け [著]佐藤正午

月の満ち欠け [著]佐藤正午

■生死超えて遂げる、前世の思い  世の中には前世を記憶している(としか思えない)子どもたちがいるという。彼や彼女はある日、語りはじめる。知るはずのない過去について。行ったことのない場所について。  人は何度も生まれ変わ………[もっと読む]

[評者]斎藤美奈子 (文芸評論家)
[掲載]2017年06月25日
[ジャンル]文芸

BUTTER [著]柚木麻子

BUTTER [著]柚木麻子

■女性に課されたくびきを照らす  2009年に首都圏で起きた男性3人の連続不審死事件をモチーフにした長編小説だが、注目を集めた事件について独自の謎解きを試みた内容ではない。  著者は、事件そのものよりも「あの事件を生ん………[もっと読む]

[評者]市田隆(本社編集委員)
[掲載]2017年06月25日
[ジャンル]文芸

小林秀雄と河上徹太郎 [著]坂本忠雄

小林秀雄と河上徹太郎 [著]坂本忠雄

 開高健は、5歳下の著者に対しての敬愛を氏らしい言い方で、「“カツアゲ(脅迫)の坂本”と業界で日頃から呼ばれている辣腕(らつわん)家」と表現していた。  1959(昭和34)年から36年間にわたって文芸誌「新潮」の編集部………[もっと読む]

[評者]佐伯一麦 (作家)
[掲載]2017年06月25日
[ジャンル]文芸

最愛の子ども [著]松浦理英子

最愛の子ども [著]松浦理英子

■恋愛?友情?友愛? いいえ…  世の中には恋愛や友情や友愛といった言葉があって、誰でも使うことができる。けれど、人と人との関係をじっと見つめるなら、どれも恐ろしいほどに唯一のものであり、本来的には名付けることなどでき………[もっと読む]

[評者]蜂飼耳(詩人・作家)
[掲載]2017年06月18日
[ジャンル]文芸

アンディ・ウォーホルのヘビのおはなし [著]アンディ・ウォーホル

アンディ・ウォーホルのヘビのおはなし [著]アンディ・ウォーホル

■アートってなんだと思う?  ボクはアンディ・ウォーホル。芸術家になるために前歴のイラストレーターを闇に葬って、見事芸術家になりすまして大成功した。ところが芸術家としての名声を手に、評価が決定的になった頃、かつての隠蔽………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2017年06月18日
[ジャンル]文芸 アート・ファッション・芸能

物語論 基礎と応用 [著]橋本陽介

物語論 基礎と応用 [著]橋本陽介

■面白さを技術として解き明かす  好きな小説を一冊、手元に用意して欲しい。  登場人物の名前や、あらすじを言える人は多いだろう。ではそのお話は、三人称で書かれていただろうか、一人称で書かれていただろうか。文章は、過去形………[もっと読む]

[評者]円城塔  (作家)
[掲載]2017年06月18日
[ジャンル]文芸

宮柊二『山西省』論 [著]佐藤通雅

宮柊二『山西省』論 [著]佐藤通雅

 日中戦争下で、山西省は象徴的な意味をもつ。激しい戦闘と軍事上は「戦争」の残酷さを、政治上も戦後は軍閥閻錫山(えんしゃくざん)に組みこまれ日本兵が国共内戦に巻きこまれた。歌人の宮柊二は、この山西省で「一兵」として4年間戦………[もっと読む]

[評者]保阪正康(ノンフィクション作家)
[掲載]2017年06月11日
[ジャンル]歴史 文芸

成功者K [著]羽田圭介

成功者K [著]羽田圭介

■私小説の伝統に逆らう“増長”芸  17歳でデビューした羽田圭介が13年目にして芥川賞を受賞し、名前を売って『成功者K』なんて本まで書く。めざましい成長と活躍? いやいや、ここは「調子こいてんじゃないわよ」と一喝してや………[もっと読む]

[評者]斎藤美奈子(文芸評論家)
[掲載]2017年05月28日
[ジャンル]文芸

なぜ日本企業は勝てなくなったのか―個を活かす「分化」の組織論 [著]太田肇

なぜ日本企業は勝てなくなったのか―個を活かす「分化」の組織論 [著]太田肇

■長時間働くが「熱意」に欠ける  日本企業の社員はこれまで長時間働いてきた。しかし、近年はそれが経済成長にあまりつながっていない。例えば、2015年のドイツの年間労働時間(OECD調べ)は日本より25%も短いが、1人あ………[もっと読む]

[評者]加藤出 (東短リサーチチーフエコノミスト)
[掲載]2017年05月28日
[ジャンル]文芸

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