人文

クラウドガール [著]金原ひとみ/私をくいとめて [著]綿矢りさ

クラウドガール [著]金原ひとみ/私をくいとめて [著]綿矢りさ

■自立を模索する女性たちの今  金原ひとみと綿矢りさが芥川賞を同時受賞したのは2004年。当時、金原は20歳、綿矢は19歳。そして13年。30代になった二人が昨年本紙に連載した小説がこの2作である。  金原ひとみ『クラ………[もっと読む]

[評者]斎藤美奈子 (文芸評論家)
[掲載]2017年04月02日
[ジャンル]人文

土方巽―衰弱体の思想 [著]宇野邦一

土方巽―衰弱体の思想 [著]宇野邦一

■「踊り続ける人」を精緻に読む  いまもまだ、私を含めた多くの者が土方巽(ひじかたたつみ)に興味を持つ。それは不思議だ。なにより土方を考えることの出発はそこからはじめるべきだろう。著者も土方のダンスを観(み)たことがな………[もっと読む]

[評者]宮沢章夫(劇作家・演出家)
[掲載]2017年03月26日
[ジャンル]人文

田中正造と足尾鉱毒問題―土から生まれたリベラル・デモクラシー [著]三浦顕一郎

田中正造と足尾鉱毒問題―土から生まれたリベラル・デモクラシー [著]三浦顕一郎

■闘争支えた国家構想、明晰に  本書は、足尾銅山で起きた鉱毒問題をめぐり、その解決に一生を捧げた田中正造の思想と行動を、非常に明晰(めいせき)な文体で解き明かした作品。今では想像しがたいが、銅は明治期日本の主要輸出品の………[もっと読む]

[評者]諸富徹(京都大学教授・経済学)
[掲載]2017年03月19日
[ジャンル]歴史 人文

ブルマーの謎―〈女子の身体〉と戦後日本 [著]山本雄二

ブルマーの謎―〈女子の身体〉と戦後日本 [著]山本雄二

■女子の感情無視した妙な「共犯」  筆者の世代で女子の体操着といえば体にぴったりフィットするブルマーが定番だった。だがその話は今の女子には通じない。1960年代に登場、一気に日本全国を席巻した密着型ブルマーは90年代に………[もっと読む]

[評者]武田徹(評論家・ジャーナリスト)
[掲載]2017年02月19日
[ジャンル]人文

負債論―貨幣と暴力の5000年 [著]デヴィッド・グレーバー  [監訳]酒井隆史 [訳]高祖岩三郎、佐々木夏子

負債論―貨幣と暴力の5000年 [著]デヴィッド・グレーバー  [監訳]酒井隆史 [訳]高祖岩三郎、佐々木夏子

  ■ラディカルに「神話」を解体  お金って謎。最近ますますわからない。貧乏人向け高金利住宅ローンが準優良(サブプライム)で、それを証券にして売るって、なにそれ。  本書は経済学者ではなく、人類学者の負債論。なにしろ事例………[もっと読む]

[評者]中村和恵(詩人・明治大学教授・比較文学)
[掲載]2017年02月12日
[ジャンル]経済 人文

ユリシーズ 1−12 [著]ジェイムズ・ジョイス

ユリシーズ 1−12 [著]ジェイムズ・ジョイス

■柳瀬尚紀の翻訳が切り開いた道  まだまだ小さかった頃、同じ本に複数の翻訳版があることに戸惑いを覚えた記憶がある。言葉を正確に翻訳すれば、訳文は同じになるはずではないかと素朴に信じていたらしい。  世の中には、複数の翻………[もっと読む]

[評者]円城塔  (作家)
[掲載]2017年02月05日
[ジャンル]文芸 人文

出雲を原郷とする人たち [著]岡本雅享

出雲を原郷とする人たち [著]岡本雅享

■全国の分布、執念の取材で解明  東京の明治神宮には、正月三が日だけで300万人あまりが訪れる。しかし祭神が明治天皇と昭憲皇太后であり、大正時代に建てられた新しい神社だと知っている参詣(さんけい)者は多くないだろう。明………[もっと読む]

[評者]原武史(放送大学教授・政治思想史)
[掲載]2017年02月05日
[ジャンル]人文 社会

ウィリアム・モリスの遺したもの―デザイン・社会主義・手しごと・文学 [著]川端康雄

ウィリアム・モリスの遺したもの―デザイン・社会主義・手しごと・文学 [著]川端康雄

 草花など自然の風物を配した「モリス風」プリントデザインは今もインテリア用品等でよく見る。だが、生みの親のモリス自身が注目される機会は減った。  デザイン工房運営の傍ら文芸創作を手掛け、政治と芸術を架橋する独特の社会主義………[もっと読む]

[評者]武田徹(評論家・ジャーナリスト)
[掲載]2017年02月05日
[ジャンル]人文 アート・ファッション・芸能

GUTAI 周縁からの挑戦 [著]ミン・ティアンポ

GUTAI 周縁からの挑戦 [著]ミン・ティアンポ

 足で絵の具を伸ばして描いたり、多数の電球で作った服を光らせて着たり。関西を拠点にした前衛美術集団・具体美術協会(1954~72年)は、奇抜さや面白さが強調されがちだ。  本書は中国系カナダ人研究者の著作の翻訳版だが、通………[もっと読む]

[評者]
[掲載]2017年02月05日
[ジャンル]人文 アート・ファッション・芸能

ウインドアイ [著]ブライアン・エヴンソン

ウインドアイ [著]ブライアン・エヴンソン

■謎めいた人間の真実を凝視  体を一つの容(い)れ物とみなすなら、そこに収まっている器官や心は私の持ち物であり、それを扱う主人は自分であると思って私たちは日々を生きている。  だが生体としての人間はそうした認識を超えた………[もっと読む]

[評者]大竹昭子(作家)
[掲載]2017年02月05日
[ジャンル]文芸 人文

在りし、在らまほしかりし三島由紀夫 [著]高橋睦郎

在りし、在らまほしかりし三島由紀夫 [著]高橋睦郎

■魂の交わりと作品への冷徹な目  現代の最もすぐれた詩人の一人である高橋睦郎がついに、三島由紀夫との交流を一冊にまとめた。文章の他に、講演や対談も収録され、読み応えがある。  第2詩集『薔薇(ばら)の木 にせの恋人たち………[もっと読む]

[評者]蜂飼耳(詩人・作家)
[掲載]2017年01月29日
[ジャンル]人文 ノンフィクション・評伝

日本のマラソンはなぜダメになったのか [著]折山淑美

日本のマラソンはなぜダメになったのか [著]折山淑美

 日本の男子マラソン界は冬の時代が続いている。日本記録は10年以上も更新されていないし、その記録すら世界では70位にも入っていない。かつてお家芸とも呼ばれたマラソンが、なぜここまで凋落(ちょうらく)したのか。本書は宗茂や………[もっと読む]

[評者]原武史(放送大学教授・政治思想史)
[掲載]2017年01月22日
[ジャンル]人文 社会

絶対平面都市 [著]森山大道・鈴木一誌

絶対平面都市 [著]森山大道・鈴木一誌

 森山大道ほど東京中を撮っている写真家はいないだろう。小型のデジカメを片手に「狩人というよりもスリに近い」感覚でストリートをスナップして歩く。  できた写真は遠近が消え平たくペラっとしている。彼の求めるこのペラペラ感に何………[もっと読む]

[評者]大竹昭子(作家)
[掲載]2017年01月22日
[ジャンル]人文 アート・ファッション・芸能

Dの殺人事件、まことに恐ろしきは [著]歌野晶午

Dの殺人事件、まことに恐ろしきは [著]歌野晶午

■闇に切り込む、乱歩の意志継承  日本のミステリー史に偉大な足跡を残した江戸川乱歩の名作を、スマホ、人工知能、拡張現実などの最新技術を使ってアレンジした短編集。著者は、約25年前に、発見された乱歩の未発表原稿にまつわる………[もっと読む]

[評者]末國善己(文芸評論家)
[掲載]2017年01月22日
[ジャンル]文芸 人文

ふわとろ―SIZZLE WORD 「おいしい」言葉の使い方 [編]B・M・FTことばラボ

ふわとろ―SIZZLE WORD 「おいしい」言葉の使い方 [編]B・M・FTことばラボ

 食べ物の味を言葉で表すのは、とても難しい。その食べ物を食べたことのない人に、はたして言葉だけで美味(おい)しさや特徴を伝えることができるのだろうか。  この本は、そういった味覚の言語表現について、いろいろな角度から迫っ………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2017年01月08日
[ジャンル]人文

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